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[それからはグリタにも、得意なことを聞きながら。]
勝負は、時の運、などということもありますが、
博打と、試合は違います。
これは、博打ではないと、思っています。
[グリタに、そう念押してから、
扇子を出して、開く。]
さてに…あまり、一緒のところを見られるのも、都合がよくないかもしれませんね。
では、貴方を信じて、
いずれ。
[その扇子には、11番と別れ、階上に向かう、とあった。]
って、あら。これもしかして、あの子かしら。
[携帯に、「8thが和服を手にする。そして捨てる」とある。
7thが自分なら、8thはあのヘンな子だろう。
自分らはナンバリングでもされているのだろうか?]
いやぁね。ここ、人がいるのよ。
ゲームの前に逮捕されちゃいそうね。
でもここに私は長居は無用ね。
ちょっとこの服、なんとかしないと。
[携帯には「下の階へ向かう」とある]
[向かう先は服飾売り場。
こんな格好じゃ動けない。
舞台衣装だから、破るわけにもいけないし。
手にするのはキャミソールとデニムパンツとスニーカー。
そして、クラッチバッグじゃ手がふさがって仕方ない。適当にウェストバッグも一緒に]
これ下さいな。そこで着替えるわ。
えぇ、ありがとう。
[クレカで御代を払おうとしたら受け取らない。えぇ?これは窃盗?いや、違うの?これがゲーム?
着ていた服はコインロッカーに放り込んで、しばし2Fを物色中]
―2階・和服売り場―
おい、
ニンゲンの子供、ここにいるのか?
[頭の中を流れていたルールは、一応は記憶にとどまっている。9thはあの子供だ。鼻をわずかにひくつかせ、気配を探れどどうもピンとこない]
……感覚まで鈍っているみたいだ。
[きらびやかな衣装を纏ったマネキンと、似たような色合いの布の並び、とりあえず手には取ってみた。なるべく地味な色を選んだが]
……いや、無理だろ。
どう見ても動きにくい。
[手に取った服とも布ともいいがたいそれと、マネキンを見比べそして捨てた]
[手帳に記されるのはあくまでもマシロが書く予定の未来。
マシロが勘違いしていることも、そのまま書かれる。
だから、見かけたのがほんとうに9thだったかどうかは、わからない。
それらしい人を見かけただけなのだから]
― 2F ―
[男は扇子を開き、書かれた文字を見る。
予想されることは、本意ではないがそれが最善ならば、無理に逆らうこともない。]
――……少年と会う、か……。
[それが、誰のことなのかまでは記されていない。]
[ニンゲンたちの視線が刺さるのは、異なる存在への嫌悪や憎悪ではなくて単純なる奇異の目であることは、わかる]
ここはニンゲンだけの世界なのか……、
[マネキンの振袖の影に身を沈めて少しだけ人の流れを隠れ見やる。ニンゲンだけしかいない世界だから、彼らはあんなマネキンそっくりの呑気な顔で笑っていられるのだろうか。]
………、
[世界を変えることが出来る。
あの誰でも無いような声の言葉が蘇る]
『 8thはため息を着く 』
[身を潜めていたところで、唐突に例の機械が喋った。ついでにばっちりそのタイミングでため息をついていた]
っ、だから黙れよ。
[音を押さえ込むようにレコーダ―を両手で握る]
『 8thは7thと4thに見つかる 』
[それでも駄目押し、とばかりに機械が喋った]
[不意に。
簡素な棒人間がふたつ、絵日記の上に現れた。
片方は先程のオトナ専用服――もとい和服を着ているようにも、見える。
続いて幾つも出てきた吹き出しが、
二人の“鬼”の存在を―――告げた]
のわっ。 なんか、増えたっ。動いたっ!
すげーーー!
[嗤うカボチャのような悪意はなく、
何処か戸惑いを含んだかのような
赤い台詞の吹き出したち。
なんだか、玩具みたいで。
無邪気な歓声がひとつ零れた]
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