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─ →山小屋─
[ややあって薄っすらと建物の影が見えて来る]
…山小屋、あったな。
アイツらに鉢合わせなきゃ良いけど…。
[まずは何か探そうと、リウを連れて山小屋の中へ。
扉を閉めてから、ようやく手を離した]
俺、奥探してくっから。
休むなり探すなりしててくれ。
[リウから離れ、武器になるものを探し始める]
[用を済ませてほっとした顔でトイレから出てくると 目の前を黒いものが横切った]
うぁあああああああああ!!!!
[思わず大声を出して飛び上がる。外から戻ってきた タカハルが目に入れば]
黒い奴が 黒い奴がぁぁ
[叫び続けるだろう]
……あれ。
ミナいねーの?
奥に行ったんかな。
[民家の戸から部屋を覗き]
……どーしよ。
このまま、ミナにしとくか……
[小声で言って、携帯を開く]
ど、どどどーした!?
[半ば焦って携帯をしまい]
……黒い奴?
って、あの黒くてかさかさ動く奴、か?
なんだ、ビビらせんなよ……
[正体を聞いてがっくりとした]
[誰かが側にいる事で直ぐに落ち着いたのか]
あ、あんね あたし 良いもの見つけたんだ!褒めていいぞ
[そういって誇らしげに大小の中華鍋をみせた]
被ってよし 背負ってよしだ!
[鈍器にもならないと聞いて、バクの繋いでいない手を覗く]
なぁに?…まさか。それ?
[思わず吹き出した。]
あっははは…楽譜よりよくないものがあるとは。
[空いている手でバクの肩を叩きつつ、声を殺して笑った。『なし』の人がいるなんて知りもせず]
[再び振り返り、ムカイとの距離を測る。
男の後ろに辛うじて見える、月明かりに照らされた山小屋をそれとなく観察]
撃てば?
その気ないなら、銃口向けるのやめてくれない?
[非難めいた言い方を選んだ。
後方、二つの影が山小屋に入るのがわかったが、性別すら判断がつかなかった]
って回復早ぇな!
……鍋か。
確かに、頭守るにゃ丁度いいかもな。
[謎の効果音に苦笑しつつ]
物置はこんなもんだ。
あまりいいもんじゃねーけど。
[擦り切れたロープや錆びたシャベルを見せる]
[忍び足でバクについて歩く。
はぐれぬよう、しっかりと手を握って。]
ぶぶぶぶぶ…
[再び、サヨからのメール。]
『TO サヨりん
薄い本と…あれは食料なんだろか。
サヨりんは?』
[光が漏れぬよう、バッグの中で返信した。
バクといるせいか、少しは冷静になれている。]
[その時ガサリと外で音がした]
あれ?あれって杏ちゃん?
[窓の外をみて思わず手を振るが…相手は此方のかけた声に驚いた様子。
追うかどうするか…]
アーさん?
[振り向く]
……あぁ、ホントだ。
追ってもいいけど……
向こう、こっち警戒してたみたいだし。
チームが違うかも知れねー。
[逆に問うように、ミナを見た。
それでも頷きがあれば、後を追おうと]
[ボロボロの山小屋。
利用されなくなってかなりの月日が経っているようだった]
山小屋なんだから斧とかナタとかあれば良いんだけどな。
……この様子だとあっても錆びてそうなのが。
[探すには流石に明かりが必要で。
手に持つものを入れ替え懐中電灯を照らす。
円形の光が山小屋の壁を照らし出した]
……楽譜とアレよりはマシか、錆びてても。
[今の自分達の手持ちを思い出し、溜息が漏れた]
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