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[ベットに転がり、横になる。
咥えた煙草は、貰い物の煙草。
小さな部屋に、雑音にしか聞こえないテレビ番組が流れている。
妙に寒い一日で、部屋では暖房器具が必死に熱を作っている。
冷蔵庫の中身は、ドリンクくらい。
調味料も、ほとんどありはしない。
医師という肩書きを取り除いてしまえば、同年代の若者達よりも、ずっと質素な生活をしている気がする。
外を見れば、まだ雪が降っていた。]
夏に雪の写真を見ると、あんなに綺麗なのに
冬に見ると、それが当たり前になっているのだな
[小さく呟くと、何か思い立ったようで。
アルバムからいくつかの写真を抜き取って、手帳に挟んだ。]
[そして、若者は眠りに落ちる。
何か、とてもいい夢を見た気がするけれど。
内容は、もうほとんど覚えていない。
確か、子供の頃の夢の話だった気がする。
若者が目覚めたのは、また着信音だった。]
なんだよ、いい夢だったのに
[夢は気がつくと泡と消えて。
誰かに話そうと覚えていたはずの事も、顔を洗うと頭から消えた。
だけど、今日はいつもより。
ほんの少しだけ、元気になれた気がした。]
さて、急ごうか
出番があるかわからない、私の舞台へ
[変な気分に浸っていたのは、夢のせいだろうか。]
[病院にたどり着くと、やはり今日も出番はなかったらしい。
内科の患者が、息を引き取ったとの連絡を受けた。
仕事をよこせ、とは言わないけれど。
救うチャンスももらえないとは、悲しいものだ。]
ご遺族にお悔やみを、よろしくね
私はまた、ふらついてくるよ
食事もとっていないんだ
[そして、今日は微糖と一緒に。
昨日買い忘れた、サンドイッチを買った。
男性から受けたアドバイスを元に、写真を持ってきてはみたけれど。
これで本当に喜んでもらえるのか、わからない。
変な緊張感があるものだな。
若者はそう思いながら、サンドイッチを頬張る。]
食べ終わったら見せに行こう
[緊張に押されて、ほんの少し*先延ばし*]
朝の夢
[薄く積もった雪をさくり、さくりと踏みながら
男は今日も病院へ、母を見舞う。
今朝の病院は、スーツ姿の男性が多い気がして
「お偉いさんでも亡くなったのだろうか?」
なんて、ぼんやりと馳せた。
気のせいかもしれないけれど。
母は、ゆっくりと、ゆっくりと話してくれた。]
そうかァ、正月の夢、見たのかァ……
[嬉しそうな母の横顔にそうか、そうかと頷いた。]
[正月。
独り暮らしを始めた養女も戻り、
皆で新年を祝う。毎年の恒例行事だ。
この時ばかりは金がなくとも豪勢に。
朝風呂を終えたら、娘達の待ちに待っていた
お年玉を渡す。
そうしているうちに、母が我が家へやってくる。
迎えにいってやればいいものを
俺は既に飲んでいるから、母は徒歩で来るのだ。]
『あけまして おめでとうございます』
[新しい年の始まりを、家族皆で祝う喜び。
おせち料理。
雑煮。
母の炊いた赤飯。
母の笑顔。女房の笑顔。娘達の、笑顔。]
[あたたかい記憶の中
過ぎ去っていった過去は夢となり
時折、男の心を癒してくれる。
うつら、うつら。
病室を後にした男は
休憩室で微睡の中に*居た*]
896号室から、屋上へ
[屋上へ出るには部屋着じゃ寒すぎるから
コートを羽織ってマフラーを巻いた。
海と空が混じる所まで
ちゃんと見渡せると良いのだけど。
どうかしら?と
窓硝子の私と首を傾げて顔を見合わせて。
私は静かに部屋を出た。
エレベーターを使って登った屋上では、
控えめな量の洗濯物たちが風に揺れていて。
冷たい風が、海の匂いを運んできた。
海の歌も少し明瞭に聴こえる。**]
[あのあと、起きたひろくんはお仕事に行きました
別れぎわには、優しく頭をなでてくれました
また来るよ、そう言って。
わたしはしばらく自分の書いた日記を読んでいました
覚えていること、いないこと、たくさん書いてありました
やがてわたしは日記を閉じました
そうして、いつものように屋上へ向かいました
煙草を吸うために
夢の中のかみさまも、たばこを吸っていました。]
―屋上―
[屋上に行くと、だれかがいました
ここの患者さんでしょうか
わたしはそのひとの邪魔をしないように、端の方へいきました
そうして、ハイライトに火をつけます
風に揺られながら空たかくのぼる煙を、わたしは眺めていました**]
[食べ終わったサンドイッチ。
重圧から逃げる理由がなくなって、仕方なしに立ち上がる。
たしか、896号室。
軽くノックして、部屋にはいったはいいけれど。]
…―――
いないじゃないか
[私の変な汗を返せ。
心の中で、そう呟いた。
しまった、部屋以外に彼女の行きそうな場所がわからない。
探そうにも、探しようがないな。
途方にくれた結果、メモ帳を破いて。
ここに来た旨を書いておくことにした。]
[背景クルミ様…―――
いや、それは違うだろう。
親愛なる?
それも違う気がする。
結局、形式にこだわっても意味がないと思い。
数枚のメモの廃棄の後、簡素なメモを残した。]
宿題を持ってきたけれど
いないようなので改めるよ
もしメモを見たら、呼んでくれると嬉しい
ユウキ
[うん、これだけで十分意図は伝わる。
きっと、たぶん、大丈夫。
自分でいくつか頷いて、メモを残して病室を出た。]
‥‥?
[「風に、拐われるよ。」
聞こえた声に、わたしは振り返ります
そこにはマフラーをした、女の人がいたのでした]
こんにちは。
[わたしはたばこを口から離して、にっこり笑ってそう言いました]
[私と同じくらいの年頃に見える女性は、
風に遊ぶ煙草の煙の中に居て。
笑う顔が少し現実離れして見えた。
からりと車輪を回し車椅子を進めて、
彼女の方へと距離を詰める。]
…こんにちは。
その煙は、美味しいもの?
[喫煙の経験は無いけれど、
彼女が持っていると煙草の煙は
甘いものかのように見えたから。
訊ねてみる。]
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