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[床に足をついて顔を顰める。
舌打ちすると、立つのは諦めて床の上で胡座をかいた]
ふぁ……?
[降ってくる声に顔を上げれば、チカノの輝く眼差し。
もだーんとやらにも疎い迷子は、暫くの無言ののち]
違うぞ、これは狼だ。
[帽子に付いている毛皮の掴んでそう言った]
―― 江夏家 ――
嫌な天気ね。
[床の間に飾られた打掛から目を離して、うす曇の空を見上げる。
無意識に、指先で指輪をなぞっていた]
ツキハナ、ちゃんと傘持って行ったのかしら?
[妹を案じた問いに、母親は曖昧な返答しかしなかった]
―― 宿屋 ――
あら、お待たせしてごめんなさい。
[扉の前で呆けている若旦那へ駆け寄り、足元の包みを拾い上げる]
呼ばれていらっしゃったの?
[誰から、とは言わない。
鍵を扉に近づける手が止まったのは、中から人の話し声が聞こえたから]
――…。
[黒い診察鞄に道具を詰めながら、思い返すのは森で見つかった無残な遺体の事。自警団長の立会いの元、それの検死をした事はまだ記憶に新しい。
死因は喉の裂傷で、即死に近い。絶命後に片腕を千切られ、柔らかな腹部を中心に抉られており、それはまるで巨大な獣に食い荒らされたかのようだった。
しかし周囲は荒らされておらず、単なる獣の仕業でない事が伺える]
ヒトガタの、化物…か。
[ひと月ほど前に噂された、それの名前をひとりごちる。
あの手紙には、自分にその嫌疑がかけられていると記されていた。そこにあったのは、自分の名前だけではない。診療所を訪れる村の人たちの名前も、懇意にしているお茶屋の若旦那の名前も]
まさか。
[何かの間違いだろう。あの人たちに、あんな事が出来るはずがない]
…そろそろ、行かないと。
[戻っては来られないかもしれない、という恐怖は不思議と無かった。手紙の内容が半信半疑と言うのもあるが、仮に真実であったとしても、それは変わらないだろう。
医者としての興味、なのだろうか。人が化物になるのか、化物が人のふりをしているのか――。知識欲は尽きない。
幸か不幸か、齢30にもなろうというのに伴侶となる女性もいない]
では、行ってきます。
[挨拶を残し、診療所を出る。宿に着いたら、ゼンジの淹れた美味しいお茶が飲みたいな、などと呑気に考えながら**]
/*
ユウキ先生のところの看護婦ポジション楽しそうだなーと思ってキャラグラ眺めたんですが、看護婦行けそうなのがガモンくらいしかなくってですね。
いくら「縁故歓迎」と銘打っているユウキ先生でも、「看護婦 ガモン」は無茶振りすぎるだろ、と自重した次第です。
なんとかわいいおおかみ。…もっふもふではありませんか。
[少女は、慈しむようにそのもっふもふをいじくりまわしながら]
あやかしという人狼がこのもっふもふならば、
わたくしなにも厭うことなどありはしません。なんとモダーンな…
もっふもふ…
[そう言って少年の衣装をなでくりまわしているうちに。]
は…。あなた、どなた?
[それからようやく貼り紙に気づいてまばたきを二回]
こんなことに使われて、商売あがったり……と言えないのが悲しいところね。
[普段なら閑古鳥がなく宿屋は、いつもと異なる雰囲気だった。
傘は傘立てへ、食料品が入った袋は台所へと運んでゆく]
これは人狼じゃなくて狼。別物。
それから俺も、そのあやかしじゃないからな、言っとくけど。
[遠慮のない手つきのチカノに、半目になったり帽子を奪い返したり]
俺は、バクだ。
ついでにそっちのはイマリ……あれ、便所か?
[マタギの祖父とともに村のはずれに住む迷い子は、よく道を失って村を彷徨っている。この宿にたどり着いて泊めて貰うのも、初めてではない*]
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