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[>>20白黒テレビ見ていたら]
痛っ!
[がちゃん、と大写しのウォークマン。
ざざーっと画面は砂嵐]
家政婦は、見えなくなった……
[何となく、おでこをさすさす]
[洗濯物をひと干し。
いい汗掻いたと、額を拭う足許が冷たい水浸し。]
え? えぇー?!
なっなんで?
[ロデオのように激しく回しすぎた洗濯機の所為だとは、未だ気付いていない。]
と、取りあえず水、水を何とかしないとっ!
[慌てて部屋の中を漁る。
洗濯籠から見つかったのは、なぜか[黒マント]。]
あ、案外普通のものが見つかったわね。
よかったわ。
というかこの黒マント、ネギヤさんが身に着けているのかしら?
だとすると、キクちゃんの勘も強ち間違ってなかったってこと?
[確か「こっそり覗いて真実を確認して、悪いひとを改心させる」って言っていた筈。
家政婦虎の巻に書いてあるとも。]
でもネギヤさんほどのもち肌と体型なら、黒マント身に着けてもすぐ身元が明かされそうだけどね。
[それ以前に黒マントを纏って何をするのかが、謎。]
ま、判らないことは横に置いておいて。
えっとこれで排水ホースを固定して…
ってえ? えぇ!?
[がちゃがちゃ排水ホースを弄っていたら、急激に増した吸引力。]
[がちゃがちゃ]
どこかうつらないかなあ。
[砂嵐の画面はつまらない]
んー?
[白黒の和室。
甲冑とか<<03>>個の[ヘビ]とか黒マント姿のネギヤの肖像画とかが映った]
ねぎやおじちゃま、おなか張ってる
[正確には、胸を張っている]
ドラキュラさん?
[たぶん伯爵とかそんな偉い人な感じの肖像画だ]
しかし、ネギヤさんの家って変よね。
お金持ってるのに洗濯機が未だに二層式だとか。
[他の洗濯層を覗いてみた。
何故かヘビや冑や[手榴弾]が、ガラガラと回っている。]
ところでみんなちゃんと無事なのかしら? ネギヤさんは?
[じゃぶじゃぶ。足許はぬれていて気持ちが悪い。]
ドラキュラさんなら……
[きゅきゅきゅのきゅ。
がめんにいたずら、鬼の牙]
でー
[手にはワイングラス、赤ワイン。
きっと今チャンネル変えたら……すごいことになりそうね]
[がちゃがちゃちゃんねるを回す]
きゃー!
[[空き巣 レン]の姿、丁度ドラキュラのいたずらが気にぴったりはまって鬼の顔……かもしれない]
うぅ、足が気持ち悪い。
靴下変えよう…。
[洗い終わった洗濯物の中から靴下を取り出そうとして、ヘビを掴んでしまう。]
ひゃぁっ!
[さっき洗濯層で見かけたヘビはおもちゃのようだから、多分これもおもちゃだろうが、見たのと触れるのとでは勝手が違う。]
かかか家政婦は見た! かぼちゃのひとはかぼちゃじゃなくて、ドラキュラだった!
[メモした。すごいメモした]
[取りあえずゴム手袋をして拾い上げていた手榴弾を、思わず放り投げてしまった。]
あっ! どうしよう?!
ピン抜けちゃったしっ!!!
本物かどうか判らないけど、
床に穴を開けるのに使えるかなっって思って――*
[落ち着いてよく見たら黒マントは動かなかった。側にいって拾ってみたら、水浸しの布だった]
な、なんだ、お、脅かさないでくださいよー。なんかとぐろ巻いた蛇みたいに見えちゃったじゃないですかー。
[黒マントを足元に置いたところで、どこかから爆発音のような音が聞こえた]
ひえええ、今度はなんだー!?
[ぱちん、白黒テレビをきって]
……あ、へびだー
[むんずと掴む。
たぶん爆発音のような音が聞こえる(04)秒前*]
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