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[突き飛ばされるプレーチェ、肩をうちつけられる石木。
立ち止まって息をのむ。]
[伸ばしたら届くかもしれない腕がある、
彼女は言った。]
[うちひしがれたように唇を噛んで。
仮面を見る。]
走れる足があるのはいい、
伸ばせる腕があるのもいい。
きえないで……みんな。
お願いします…。
[叶わなくとも、そう祈らずにはいられない。*]
―40年前―
[薄くなりゆく空彦の存在。]
また、消えてしまう…。
それは、わるくもないのでしょう。
でも……。
もっと、手を伸ばせばよかったかしら…
この手で……もっと……。
[押し寄せる感情の波。
伸ばした指の先で、儚くなる青鬼の仮面。]
桂木さん……?
[気付けばそこに咲子が居る。
彼女の声が鼓膜へ染みた。]
忘れない……?
[ぱちり瞬いて、口の中で転がして]
忘れない。
[子供が神妙にする態で唱え、
縋るようにして咲子の袖を掴んだ。]
[見上げた空に輝く、どこか金平糖に似た光――*]
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