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[それはあっという間だった。
今年の願いの代償に。
選ばれた子はまだうら若き女の子。
本物の花は摘まれてしまったからと、耳許に差された青い花はとてもとても美しく。]
またひとり、誘われた――。
[目を細め、歌うように紡ぐ数え歌は。
暗闇の空へ吸い込まれていった。]
そういえば。
アンタも気を付けなよ?
誘うもの在りきならばまた、
誘われる者在り――。
ひとの「念」は怖いからね。
精々引き込まれないようにしないとね?
――…お互いに。
[風が吹き、忽然と姿を眩ませた少女を神隠しと準える騒ぎにくつりと笑みを落し。
「コエ」の主を眇めたならば。
すれ違い様、件の星の砂を差し出しただろうか。]
しあわせになれるんだってさ。
まぁ、引きずられない為の…お守りになるといいね。
[受け取られたのならばそれで。
断られてもさして気にもせず。
やがて季節が巡るまで。
聲は深い眠りに就くか*]
神隠しに遭っても祭りはやるんだねぇ。
[去年と同じく。けれど少しだけ見栄えの良い衣装を手に、祭り会場へと向かう。
星の砂の効果か。
場末のスナックに偶々訪れた客の伝手から伝手へ。
ごく偶にだが、ラジオから歌声が流れるようになっていた。]
尾上 ザクロ…かぁ。
[与えられた芸名を口にして、照れる。
世話になっているスナックのママには、祭化粧に訪れている化粧師を尋ねてはと勧められ、向かう最中。]
あ、そうですか。
出かけている…いえ、約束していた訳じゃないんで…。
[恥ずかしながらも小さいとはいえ舞台に上がるのならプロの手に任せてみようと訪れた場所で。
肝心の人物は生憎不在だった。
しかし大概の事は自分でまだこなさなければならない駆け出しの身。
化粧くらい自分で何とかしようかと。]
あ、たこ焼き屋――
[視線を巡らせた先。
分け合いながら頬張る子供たちを見て漏らす。
けれど青のりが気になって二の足を踏む*]
今年は誰が…
神様の許へ導かれるのだろうね?
[季節が四つ、巡ってまたこの季節。
咲く花にそれでも手を伸ばし者は現れるのか。
くつり――
零れ落ちる笑みを隠さず。
ひっそりと花開く時を待つ花を想う。]
ねぇ、今年もあの花は咲くの?
[謳うように尋ねるのは。
噂の一夜花ではなく。
代わりにと少女の耳許に飾られし青き花。
色砂と混じりシャラリシャラリと瓶の中、揺れる色と等しかったあの花の色を。
忘れられそうもなく。]
咲くなら…
また視てみたいな。
[摘まずとも咲く花の美しさに目を奪われたのなら。
願わずにはいられない。]
今年も誰が攫われるのかね?
神様のいうとおり、何だろうけどさ。
[期待に胸躍り、唇を熱い吐息で震わせたのならば。
罪悪感も、*蚊帳の外*]
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