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ふむ。
どうにも、此処にいる者は皆して色々な事を忘れてしまっているらしい。
かくいう私もそうなのだが……何だか奇妙な感覚だ。
[口元に手をあて、ううむ、と大げさに悩む仕草を。
名乗る相手に]
ユウキ、か。
宜しく頼もう。眠い、というのは……
起きてすぐだというなら、気持ちはわかる。
[頷いてみせ。起こした椅子に座り直し、改めてカレーを食べ始める。そのうちに眠ったらしいペケレに気付くと]
む。此処で寝ていては……
風邪を引いてしまうかもしれないな。
とはいえ運ぶわけにもいかないから、……
[少し考えてから立ち上がり、ペケレの傍に歩み寄った。隣に畳まれていた上着を広げ、相手の肩にかけて]
お散歩。お散歩。
[頭上には昼よりずっと弱い光]
月。
[しばし立ち止まり見上げていたが、思い出したようにまた歩き出す。
墓碑群のある石畳は、素足をひんやり冷やした]
―二階―
[たまたま見つけた階段を登り、最上段に腰かけて。そのまま下を見下ろしてみる。世界を包む孤独の闇が、色を変えていくのではないかと思ったから。しかし、闇は何処まで行っても闇のままで。世界は、やはり暗かった。]
あぁ、鐘の音が聞こえる。
…カナメ? どうしました。
[やおら、ここから退出をと、
促す声色は硬さを帯びていた]
この部屋がイヤですか?
どうして、ですか。
[面白い所を邪魔され、
対するルリの問いも少しばかり強くなる。
だが今の所は、声はパートナーで]
――テンマ?
[肩を包んだ温もりに瞬く。
[振り向き、相手を確かめた顔が、
ゆっくり、ほころんでゆく。
彼の言葉を聞けば、その笑みは――]
テンマ、眠るですか。
[そして手渡されたものを、
握りこみも放しもせずに。掌で受けて]
鍵ですか。
でも。でも。コジンの――テンマだけのが鍵です。
[鍵をもったまま、彼の冷たい指先へ
そっとルリの手の甲が触れた。けれど]
[失人は、そこでしばらく景色を眺める事にした。誰かがそこにたどり着き、失人がその存在に気がつくまで。]
孤独の闇は覚えている。
しかし、その癒し方は忘れてしまった。
[失人は、月の光を浴びながら考えた。世界の色を変える術を]
[どうぞお好きに、という――
微睡む亡霊の目をルリはただ見つめた]
時がきたらきっと、テンマにお返します。
[そのまま彼の手を引き、
祭りの映像をさし、次に会った時は、
こんな楽しそうな遊びをしようと誘って。
やがて去りゆく背を見送る、表情など誰にも届かない]
[最初に来た頃には姿のなかった男性たちに名乗る]
ライデンさんに、ユウキさんとレンさん。
よろしくね。
[各自の名前を指さしながら確認すると、鐘が鳴り響いた]
……あれ、なんだろ。
あんな音、聞き覚えがないや。
[白い墓碑の一つに、青い花が咲いているように見えた]
おやすみ?
[ぺたりを地面に座ると、それはちょうど顔の高さ。
刻まれた文字を指先でなぞりながら、カナメの教えではない言葉を呟く]
Good night honey.
Sweet dreams.
[白石から指を離して掠めるように口付けると、花の香りが鼻腔をくすぐった]
We'll meet again.
[その言葉を口にした途端、ずきんと頭が痛んだ。
ゆっくりと肩で息をする]
[カレーを食べ終え、感謝を込めて手を合わせて]
ごちそうさま。美味かったよ、ペケレ。
…ん?ペケレは眠ったのか?
『眠る事』はしても良いことなのか?
できることならば、俺も眠りたいが…
[響く大きな声で否定されるのを予想して身構えたが、先ほどと違い、カナメの声は響かない。]
カナメ……否定しないのか?
眠っても、いいのか…?
夜だから?
よる?
[自分の口から出てきた単語に考え込む。ぼんやりとした意識の中から意味を模索するが]
夜……わからない。繋がらない。あまりにも多すぎて。
眠っても、良い時間……?俺も眠る事ができるのか?
[空腹が満たされ、『眠る事は』しても良いことだと解釈し。一気に眠りの精が意識を遠くに追いやろうとやってくる。ぼうっとして――いつの間にか、テーブルの上にもたれて眠りの中へ*]
月は、迷いや疑い、不安の色をしている。
[ぽつり呟いて。ふわり、下を眺める。]
太陽の色とは違う。
太陽は、誕生や希望、勇気の色をしている。
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