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じゃあ…
[ハンカチごと渡そうと、さらに手を差し出した。左腕から伸びた点滴の管が引っ張られて音を立てる]
これ、このままでも綺麗だけど
……痛そうで
見て、られないんです
[患者として病院にいる者は、皆何処か壊れている。人間には完全な形などないだろうが、時計にはそれがあるのだから、元に戻したかった。戻って――欲しかった]
痛い、のは私なんですけどね
……誰かにとってはただのゴミなんでしょうけど
[そうかもしれない。違うかもしれない。全部、想像――否、妄想でしかない]
はい、お願いします
検査が早く終わったら、また夕方にでも
[時計を渡し、手を戻す。手持ち無沙汰に腹の前で組み、再び部屋を見渡し、その中の一枚に目を留めた。少し、首を傾げ]
虹………見ました?
私も見てないんです
……見たこと、ないかもしれない
[同じく窓の外を見やり、右手で目元を擦った]
……すいません、じゃなくて。えと
よろしくお願いします
[右手は握りしめられ、点滴装置を左手で持ったまま、小さく頭を下げた]
じゃあ…また
[顔をあげ僅かに微笑むと、部屋を辞そうと背を向けた]
[入った時と同じく、背中で扉が閉まるのを聞く]
それならやっぱり
見たかったなあ……
[不安は不安で押し流せるのか。それとも増幅させるだけなのか。試してみたかったと、歩き出したその表情は、俯きがちで少女自身にもわからない**]
[5階を抜け、ぺたりぺたりと靴音を鳴らしながら検査に向かった。眼鏡を外して台の上に横になり、目を閉じた。
一つ検査を終え、次の部屋へ向かう。
途中技師の都合や、再検査などもあり、全ての検査が終わったのは、予定の時刻を越えた、夕食寸前の時間だった]
夜
[今日初めての夕飯を食堂で堪能して、病室に戻る。時計のことが気にかかったが、もう消灯時間まであまり間がない。迷惑だろうと、柏木を訪問するのは明日に回すことにした]
少し、怖いけど……悪い人じゃないよね
[新しいパックに変わった点滴の管をどけながら、看護師によってか、閉じられたカーテンを開いた。
きっと直るはず。直してくれるはず。誰のものかわからないけれど、きっと――]
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