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[アイノが口元を緩めるのに、ほっとしたような顔になる。
彼女の様子が昨日と違うことは、彼にとっては、些細な変化だった。
まだ出会って二日目だからというのも、ある。
彼にとって好ましい変化であるから、というのも、ある]
うん。なんだか、見分けられる人がいる、って。
それが、自分だってユノラフさんは、言った。
でも、本当かはわからないから、話したりしてたら、人狼が、ボロ出したりするかもしれないのを、待つほうがいいかもしれない。
食事がおなかいっぱいで食べられない、とか――
[見分け方は自分もわからない、と、困ったような口調ではあった。
続く言葉は、言わなかったが、ごめん、とさっき伝えた言葉を繰り返されて、頷く]
――うん。
食べてしまって、殺してしまって、ごめん、っ事なんじゃないかって、思った。
あそこで、ごめん、なんていうのが必要なのは、人狼だけ、じゃないかなって。
[言葉は少し、迷うように揺れる]
もしかして、クレストさんは、人狼になりたくなかったけど、なっちゃったのかなって。
覚えてるのに、自分じゃ止められないとか。
それなら、……どっちも、かわいそうだって、思った。
[アイノは単純なのかもしれない。そんな風に思った。
わかっている、彼女はいつもの様子ではない。
それを更に加速させたのは、自分だ。
理解している。止めないのが、自分の楽しみのためだ、と。
イェンニの声を聞いて、そっと笑みを乗せた]
――疑われたり、してないよね。
僕は、アイノに、クレストを疑わせることにしたよ。
君達に目は向けさせない。
馬鹿だよね、本当に。
僕の前で、ごめんなんて言わなければ、こんな風に疑わせようなんてしなかったのに。
[そっと思うこと。
心が痛むような事は、なかった。
どうせ僕も、すぐに死ぬ。そのつもりでいるのだ]
処刑――?
[言葉を聴いて、思わず問い返した。
少しの沈黙の後、うん、と頷いて]
気をつけるよ。
君達も、疑いをむけられないようにね。
ええと、あの人。筋肉質の。
[どの人だ、と教えるように、特徴を少しずつ口にする。
どうしたらいいんだろう、という言葉に、頭を振って]
でも、出来る事はやらないと、ね。
[ニルスがあがってくるのに全く気付いていなかった。
声がかかって、はっとして、それからこくりと頷いて]
うん、いきます。
教えてくれて、ありがとうございます。
[頭を下げて、彼の行動は止めない。
そして行こうと誘うアイノに頷いて、居間へと向かう]
――そう、だね。
でも字で、バレてしまったら嫌だね。
[少し、困惑の声]
――僕らがどれくらい疑われているのか、わからないけど。
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