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― あのよ ―
[ひら、]
[青い花びらが一枚。
下方へ落ちて、波紋を散らす]
[ぴちょん、]
[水滴が落ちるでもないのに、
いくらか先に、広がる波紋]
[ひとつ、もうひとつ]
[花が摘んだ人間の願いを叶えるならば、代価(花)もそれと同じだけの力がある……と願ってもそうははいかなかったことも、それが、自分自身の記憶を削るものであることも、それ故に、忘れてしまった。
ただ、送ることだけ、贈ることだけ、憶えている]
……。
[足音は、ないまま]
あ。
[さまよい歩いた足は、漸く止まる]
[青い花を携えたひとがいる。
見ている先は、青い星を敷き詰めた道の方だろうか。
ふ、と笑えば。
揺らいでいた存在が先ほどまでいた世界と同じように模った]
……かえりみち、どっちだっけ。
[そのひとにかける声音は、そっと*]
― いま ―
結局手伝わないまま祭りは無事開始してるし。
[準備の手伝いを頼まれた。
盛大に遅れたのは、引き出しに入っていた、古い日記を読みふけっていたから]
日記、じゃないよな、あれ。
[えらく細かい字は、自分のものとそっくりで。
日記と言うよりは、備忘録――]
いや、
[記憶、か?
思いついた単語に首を振る]
― あのよ ―
[くつり、と聞こえる笑い声に、瞬きを返し]
……その声。
[懐かしい音。
語りかけては、ずっと、待っていた声だ。
握っていた手を開く。
手のひらにのっているのは、声の主が消えた日に、拾った、青い星だ]
[星から相手に視線を戻す。
楽しげに笑う声はまた、歌うようでもあり、耳に心地よく響く]
(なんてことはない)
(俺の願いを叶えてくれたのは――)
[青い星を握りしめる]
ありがとう。
かえろうか。
[相棒、そんな言葉が照れくさい。
どこにかえるか、などとは問わない。
彼女が帰る場所が自分の帰る場所]
ああそうだ。
[改めて、見やる、相棒の姿。
くすり、笑って告げる**]
/*
ご挨拶の時間ですが、いつも時間がない!
いつも迷走しまくりですとうごです。
遊んでくださってありがとうございました。
またどこかでお会いできたら、めげずに遊んでいただけるとうれしいです!
おお、悩んでいる時間がない!
― いま ―
[屋台で買った酒まんじゅう(赤ワイン)を手に、向かうのは神社の裏。まあ、向かったと言うよりは人混みに押し流されたという方が正しいが]
……?
[流されてたどり着いた先。
神社の裏にある祠に、花が、一輪咲いている**]
青い花なんて、めずらしいな?
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