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[こんな時、任せて下さいだとか、必ず治して見せますだとか。
そんな言葉が口から出るのなら、どんなに良い事だろうか。
そしてそれがいつも実行出来るのなら、どれだけ英雄的で、どれだけ気持ちのいい事だろうか。
去っていく男性に、小さく頭を下げた。
他のどの場所より、死の溢れる場所が病院だ。
戦場を除けば、世界で一番人の死ぬ場所だ。
初めの頃は、救えなかった命を想い涙もでた。
遺族の涙に、心を痛めた。
だが、暫くするとそれもなくなった。]
…―――
[命を救おうと、医者になったはずなのに。
志は刻まれる時計の音に混じって、感情は時の渦に埋もれた。
いずれ必ず追いつかれる、鬼ごっこ。
逃げる者をいくら助けた気でいても、再び訪れたその人はもう捕まっている。]
[自分の存在意義を、忘れまい。
そう思い続けてきたけれど、それはきっと不可能な事で。
神の決めた定めから、逃れる術などありはしないのだ。
等しく、平等に、訪れる未来。
ならばせめて、出来るだけ苦しくないように。
出来るだけ、安らかに。
最後に作る顔が、泣き顔でないように。
それが自分の仕事なのだと、若者は思うようになっていた。]
ふぅ
[だから、拝まれるような者ではないのです。
心の中でそう思ったけれど、口には出せなかった。
院内には、患者がいるのだから。
医者の弱音は、絶対に表には出せないのだ。]
[幸せな人生ばかりでは、きっと無いのだから。
苦しい事、悲しい事、いっぱいあるだろうから。
さっきの少女、ルリと言ったか。
あの子のように少しでも、笑ってくれる人がいたのなら。
医者の存在意義は、あるという物だ。]
お店のキャベツが腐ってる
きゃー、別のにしてー
[・・・そうじゃない。
そういうんじゃない。
*苦笑いが浮かんだ*]
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