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[履き古した青いサンダルを揃えて、木製の椅子に腰掛ける]
お祭の晩にだけ咲く花?
ええ、聞いたことがあるわ。
花を摘むことで願いが叶うけれど、神隠しも起きるらしいわね。
物語の題材には丁度良いと言えば良いのだけれど…。
実際に起きるとなると、ねぇ。
[頬に手を当てモミジは首を傾げる。
訊ねられた噂にあまり良い印象を持たないと言うのはその言葉からも知れた]
ただの噂…だと良いのだけれど。
[常々聞く噂であるため、絶対に無い、とは言い切れない不安のようなものが残っている**]
[しばらくは話に時間を費やして、その合間に周囲の様子も窺い見る]
さぁさ、盆踊りが始まってしまうわ。
櫓を囲ってちょうだい。
[盆踊りの準備が出来た頃を見計らい、周りに居た子供達に対して注意を引くように手を叩き、櫓の周りに向かうよう促した。
一緒に行こう、と袖を引く子も居たが、それには苦笑と共に首を横に振って]
ごめんなさい、私足を挫いてしまってるの。
今年は踊れないから、ここで皆が踊るのを見ているわ。
[袖を握っていた子供の手を自分の両手で包み、ぽん、と軽く子供の手を叩いて解放する。
子供は残念そうに返事をして盆踊りの輪の中へ。
モミジはその様子を楽しげに眺めていた*]
まぁありがとう。
…お酒では無いわよね?
[歩いて回れないモミジのためにと飲み物を運んでくれた人に礼を言う。
笑いながらの確認は自分の体質を知ってのこと。
貰ったお茶をありがたく口にして、モミジは小さく息を吐いた*]
ふふ、動き回らなくても楽しめるのは良いことね。
十分楽しいわ。
[賑わう声、盆踊りの太鼓の音。
音に合わせ踊る人々、合間に聞こえる合いの手。
見て回れなくて詰まらないのでは、と聞かれるが、そんなことはないとモミジは思っている*]
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