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[また、ジェミナイも、自分の使える主であり、自分の知に法った戦運びをできる指揮官を探していた。
ワドリックの戦いにおいて、火計をもって黒獅子を追い詰めるも逃がしたのは、黒獅子の指揮能力に加え若狼の情報能力もあったが、隠者の指示についてこられるだけの隊がいなかったというのも大きな原因の一つであったのだ。
そして二人はであった。
マッテオ…シュテルが自分の味方を探していたように、ジェミナイもまた自分の知で支えるものを探していたもの同士がぴたりとはまり合うように]
やっほー、ミカ
[マジックハンドで手をふりふり]
買出しありがと。
今はレヴィングダットの攻防の後半戦から決戦に移るところかな
おかえりおかえりー。
続々と帰ってくるわね。
[サーディがもってきたアイスのうちバニラを器用にマジックハンドでとってみる]
[ここで執着王の次男のテシオについて触れておこう。
嫡男。ねちっこー油っこー。
次男。あ、いたんだ
三男。ぷ、なっさけな
で知られる執着王の息子たちである。(一部嘘である)
当時では目立った功績もなく、さりとて目立った失敗もないためにさほど名があがる存在ではなかったが、記録を調べていけば、同じ時代にて最強といわれていた黒獅子に継ぐほど幾多もの戦に参戦しておりそのどれもがいる記録が残っている。
テシオの母親はユリア。月の光も陰るといわれるほどの美女として知られ、執着王が唯一、策を練ることなく得た女性であった。]
[だが元より猜疑心が強い執着王はユリアの美しさを欲しながらも、何も手を尽くすことなく自分の妻の一人にできたことに疑心を抱く日々が続く。
それは息子、テシオが生まれた事により一時おさまるのだが、後に再熱。
執着王には武の心得はなくユリアは当然であったが、テシオには兄弟にはない武の才があったのです。
初めは僅かな疑心であったといわれているが、徐々に似ていないのではないかという思いが強くなり、同時にユリアの乳母兄妹であったものとテシオが似ているのではないかという噂がたつことで激情のままユリアとその乳母兄を謀殺してしまいます。
しかしそれは後に根も葉もない噂であることが分かり深く後悔することとなりました。
後に執着王をなんの掛け値もなく愛したといわれたユリアを自分の手で、しかも間違いで殺してしまったとあればそれは想像に難くないことだろう。
テシオにもその件はわかることとなり、その後己の武才を表に出すことがなくなりました。二人の間でその件について交わされた言葉は一切記録には残ってはおらず、テシオの心中を知るのは、彼本人とあるいは友と言われたローウェルだけだったのかもしれない]
[ヴェルフェルミ=アイ・ヴァンホー
9世紀○○地方の王。
ストーカー王。執着王といわれ当時としては異常な情報戦を取り、政治戦略とも執拗に追いつめることを、また性格もねちっこいであったという。
戴冠後、南方進出のために首都を古都ピジェに移し、いくつもの国をその情報能力と戦略を駆使して手中に収めて領土を広げていった。
その麾下には当時最強といわれた軍人黒獅子や諜報部隊"L"をはじめ様々な文武官を従えており、また政治においては律を主にした厳格なことで知られている。
敵対するものには容赦はなく、悪辣な手段も平気でとっていたといわれているが、被害を最小に収めた手法をとっていたともいわれている。
彼のストーカー王などという不名誉な名で後世に伝わっているのは、当時の、嘆きのイレアナ。事件に由来することが多いが、彼自身も好色であったとも、欲しいとおもった存在は何がなんでも手にしたい強欲な王だともあるが、慎ましい性質ではなかったようだ]
[諸説にはそうなった原因は、彼を最も愛したといわれるユリアをその手で謀殺してしまったことが由来するともいわれているが、彼の幼少時代もまた原因の一つといわれている。
当時の父王の妾の子として生まれた彼は兄姉に疎まれ、よく暗殺に身を晒されながら悲惨な暮らしをしていた。
また当時の父王「お前には扱いきれないだろう。そういったものがいたら危険だ」などという理由だけで友となったものを殺されている
それは当時の病弱な王位継承権第一位であり一番可愛がられていた王による乱心ともいわれている。事実の有無はともかくそのようなエピソードがあるように、彼に味方は母親意外にいなかったのだろう。
だがその母も度重なる苦労にて早死にしているといわれているが、何時頃かの記録は残ってない。
一人母の死を悼むヴェルフェルミに「あなたの母君も一人で死ぬのは寂しいでしょう。ご一緒にどうぞ」というメッセージとともに獣の死体が贈られてきたなどとも言われているぐらいだ。おそらく彼意外誰もその死を悼むものがいなかった故に不明なのだろう]
[それがきっかけで彼はより辛辣に卑怯も不名誉もものともしない人間に変わったのではないかといわれており、また後の若狼を拾ったのも、後の黒獅子と呼ばれるものと親交を得ていたのもこの頃である。
その後、父王を初め当時の兄弟など王位継承権を持つものが一人ひとり"不慮な事故"でなくなっており、王位継承権の低いヴェルフェルミが王として君臨することとなった。
また、当時のヴェルフェルミの父王の時代、彼の国は弱体化の一途をたどっており、それを早急に建て直すためにも手段を選ばぬ策を講じざるを得なかったという説もあり昨今では不名誉な名を得る王であるだけではないという説が浮上している。]
[バニラアイスをほおばりながら、えらい味のするアイスとか、砂糖の山とか横目にソファーの上で赤のノートにちらほらと自分勝手にいろいろ書いていた]
ん?地図とチーズの会
[途中、マティアスに渡したりしていた書いていた赤ノートをまたぱらぱらめくったり、うーんなどと考えていたところで聞こえてきた言葉]
編集長のあたしを忘れてもらっちゃ困るわよー。
ジェミナイ
元は下級貴族の出身。
軍事学校にて黒獅子とは同期であったといわれている。
文武ともに優秀だった黒獅子ヴェンツェルと比べ、ジェミナイは体力はなく、また知においても評価が低かったという。
だがそれは型通りの知識しかもたぬ教官には理解できないためであり、彼の真価をこの場で測ることはできないと黒獅子はいっていたという。
シュテル仕官先とするわけでもなく様々な場所で流れの軍師として活躍。
定石通りから外れていながらも理に叶った、当時では画期的な策を講じている
特に有名なワドリック湿地帯の争いでは、地理や天文を把握し、霧の出現、風向き、また時間差をもった兵の配置による火計をとりおこなう黒獅子率いる部隊に痛撃を与える。
また執着王麾下のスパイ集団"L"の目をも直前まで欺いたことを特筆すべき点である。
だがその時は自分の軍略についてこれるだけの指揮官がいないために、思ったほどの成果があげられなかったが、ここにその名声は高まる。
シュテルとの出会いをきっかけに主を得たとされ、嘆きのイレアナ事件より端を発した戦いの全体図を書く。
思えば、情報伝達速度に差がある時代にて、執着王に蜂起する期間の足並み揃っていることからも
レヴィングダットの戦いでは、黒獅子率いる当時最強といわれた黒騎兵を発案した八方十六角陣にて混戦時に痛撃を与える。などあらゆる知をつくりて対抗した。
またシュテルを援助した商人一座のリ=ダーグと渡りをつけたのも彼といわれている。
このリ=ダーグにはまた諸説あるが、その方策も彼がねったといわれているがそれは別記にて記そう。
ヴィルコラクの戦後も彼は生き延びたとあるが、その後は表舞台に姿を表すことなく隠棲。
仕官を求める使者があったといわれているが全て固辞したことも加えて隠者と呼ばれるようになる。
私塾を開き、素質ある子供たちに知をさずけていったとあり、この地方の学校の礎を気づいたとされる。
勝者が歴史をつくるっていうけれども、執着王の次世代は誰が引き継いだんだっけ?
[まるで覚えていない。そういえば最後の攻防、ピジェの戦いで嫡男は亡くなったのではなかったか?
そしてまったくもって印象が薄いということは…?]
ええ、それであたし思ったのだけどね。
執着王の時代ではやはりいい顔はできなかったないかと思うのならば、その次世代の人間によって残されたんじゃないかな?って思うのよね。
でもやはりところどころ消えているのは復活させれなかったところ、その人にとっても都合の悪かったところもあって、ひどく中途半端に残ったってところじゃないかしら?
[そんな感じにウルスラ>>141に自分の推論を述べながら、まったりまた赤ノートをかきかきしている]
ヴェンツェル・クロイツァー
黒獅子の異名をもち、「執着王に黒獅子ある限り、戦をしてはならぬ。」とまでいわれ恐れられた常勝不敗。当時最強の軍人
彼の軍の練度もさることながら大きな特徴はその機動力にあった。
本来ならば軍を進発させると決めて動くに要する時間が長く。十日以上といっても不可思議なことはない。
だがヴェンツェルの隊はそれが極端に短いため、当時としてはありえぬ行軍をもって、電撃的に敵に攻撃をしかけれた。
後の隠者、ジェミナイとは同期であり、また執着王とは彼が王になる時分より前からの付き合いである。
また彼と執着王との仲は極めてよかったのではないか推測される。
それは執着王という不名誉な呼び名にまつわる暗い感情を黒獅子に向けられたことが残されていないのだ。
そして彼からも執着王に対しては忠を尽くした。のそっけない一文のみが残されている。
その後主要な戦には全て参加している。普段は礼節をもちまた、質素な暮らしをしていたといわれるヴェンツェルだが戦いにおいては非情をもってあたる苛烈な人間であったのは、ガリウス、リムドラの侵略の記録をみればわかることであろう。
また彼を語る上でかかせないのはワドリック湿地帯の争い。
ジェミナイの策により窮地に陥るところを、当時のスパイ集団の長、ローウェルの機転によって救われたことより、彼らは無二なる親友となったといわれ、後の戦においても、情報をローウェルが集め、ヴェンツェルが戦う。互いが互いの分野をいかし信頼をしあうことで、より常勝の名を強めた。
後に、嘆きのイレアナから端を発するシュテルの蜂起がおきるが、持ち前の機動力を生かし、その進撃を阻む。
レヴィングダット攻防にて援軍もなく、また消耗し切った部隊のなか、多くの犠牲を出し苦しめられながらも、一歩も引くことなく、次男テシオ率いる援軍がくるまで持ちこたえた。
そのレヴィングダット攻防にてシュテルについた元副官の森の熊さんとの間になんらかの約定が重なっていたのではないかといわれているが真相は定かではなく、ただボーンザインの黒獅子の紋様だけが、何かがあったのではないかと伝えられている。
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