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[黒い鞄を足元へ置いて――
件の神籤を、丁寧に折る。
軽く酒の入った背広姿の手指はまだあたたかい。
神籤は子供が背伸びしても届かない高さへ結ぶ。]
「失せ物」は…
出なくていいのです。
僕はまだ、何も失ってない。
あのひとも。
[此方と前後して帰った燗酒の如き男とは、
互いの足音を背に聴いた――それが別れ。
僅かな再会となった美魔女の少女からは、
些か納得のいかぬ面持ちもされたろうか。
レンと名を聞いた青年とは語り足りぬ儘、
無音にきこえているよとも秘した儘にて。]
[探偵が過日に空き家へ残したものを、
ポケットの中で転がし遊ぶのは愉しく。
常盤緑へ振り返ったうわばみの女が
胸へ置くらしき想いには触れぬ企みを。]
よい縄張りをお持ちですね。
…レトロ横丁の思い出屋さん。
[その夜――流しの思い出屋は、
全てを思い出にして横丁を立ち去った。]
―― 或る邸宅の一室 ――
[清潔な部屋、月灯り降りる窓辺。
大きな安楽椅子に小柄な老婆が座っている。]
…ご老体。
まだ起きていらしたのですか。
[背広姿がかける声に、老婆が身動ぎをする。
秘書たる男は、彼女の傍へ静かに歩み寄る。]
ただいま戻りました。
[ずれた膝掛けを元に戻すと、
老婆は曖昧な笑みを浮かべる。
『これは、まあ…
どうも、ご親切に。』
見知らぬ人をみる、その視線。]
[また自分の世界に戻る老婆は、
窓の外を――夜半の月を見遣る。
壁際に置いてある真鍮枠の鏡台に映り込む姿。
秘書たる男は、鏡越しに月夜を、世界を見る。]
[やがて、己の存在が老婆の意識から消える頃。
秘書たる男は鏡台から華奢な小瓶を摘み取る。
安楽椅子の傍らへ跪き、
膝掛けの上に置かれた老婆の手を取って
――薄い爪に滑らせる、一刷毛のさくら色。]
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諦める前フリはコツコツしてたんだけど、
更新前の動きが強引で驚かせたかな…
プレーチェの様子見てたら、
なんか千尋の谷に落としたくなったCO。
安くないとかほとんど売らないとか言ってたし
今日どうするのかによによわくてかする。。
あ、吊られ損ねたら芸人さんと取引きするつもりでした。
レン。今日売っても良いな。と思った。
いや、あんまり売る気なかったのだけれどね。
でも鳩か。まあ時間切れは仕方ないよね。
……
[微かな呼び声>>*0は、――聴き流す。]
JTがどう言おうが、
ソレは味が違うんで。
[店番をする老婆に言っても詮無い苦言。
街角に交わされる"取引き"は油断なく。]
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