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[所用から戻ってくると村の入り口付近で自警団長難しい顔をしているのが見えた。
こわもては何時ものことだが、今日は険しさが混ざっており普段と違う様相を呈している。]
こんにちは。アーヴァインさん。
お勤め御苦労さま。
何か変わったことでも?
[こくりと小首を傾げて問いかけると返ってきたのは予想外の返答。]
は・・・? 魔女狩り?
今が何時だと思ってらっしゃるんですか?
そんなバカなこと・・・。
[しかし自警団長は当然ながら大真面目だった。]
そう。ただのつまらない噂ですわよ。
あまり根を詰めずに少しは休まれることを勧めますわ?
[妙な噂に振りまわされて疲れているのではないか。
あまりにあまりな内容にそうとしか思えなかったのだ。]
ええ・・・わかりました、お父様には一応伝えておきますね。
それでは、また。
[釈然とはしなかったが自警団長の要請とあれば無視するわけにもいかない。]
ああ。
今日も空は美しいな。
[粗末な掘っ建て小屋の軒先から、小振りの槌を片手に空を仰ぎ見る]
動物は象れても、空は彫って形にすることが出来ない・・・
俺は非力だねえ・・・
[まだ確定した話ではないがそれとなく注意を促して来い。
言われたのはそんな話。現段階では何もできないということだろう。]
と言われてもどうしたらいいのかしら?
注意しろなんて言ったら本気にされてしまいますわよね…。
[首を捻りながら村内をあてどなく彷徨っている。]
ちょっと肉厚なくらいがいいか?
実りの象徴でもある聖母様だしな。
[顔の部分を彫るのに試行錯誤]
・・・と思ったがまあ細面でもいいか。
[削るのを失敗したらしい]
…だったとさ。
おっしまい。
[絵本を閉じると、ころりと横に転がった。濃い緑の香りを吸い込んで伸びをする。]
んんー、ん?あれ?
[視界の片隅に、見知った人影。えいと勢いをつけて起き上がると、鞄に本を仕舞い込んだ]
[結局、誰にも話せないまま村を一周してしまいました。]
あら、ウェンディちゃん。
どうしたの。こんなところで。
ちょっと自警団がぴりぴりしてるから1人で外へ出るのは控えた方がよさそうよ。
全ての者は、神ですら思い通りには動かせない。
だから全てが物珍しく、面白く感じる。
――そう思わない? クインジー。
[ひょっこりと相手の視界に映り込んでは、
人懐っこい表情を浮かべる。
含みを持った笑みで。]
だから空を形に出来ないから別なものを形作ることも、
ひとつの選択なんだと思うよ。
――例えばその像が、すこし細面になったのもね?
[男の手で形付けられる姿を一瞥して]
そう言えば、クインジーはもう聞いた?
アーヴァインの話。
シャロおねえちゃんっ。
[駆け寄ると、少女の腕に絡みつき]
ピリピリ?どうして?
一人がダメなら、おねえちゃんといるもん。
大丈夫よね?
[見上げて問いかけた]
え、ええ、そうね。
[突然駆けよってきた少女に戸惑ったように。]
つまらない噂を広めた人がいるみたいで、気にしているみたいなのよ。
すぐに収まるとは思うけど、念のため。
噂は女の好物だ、ってリッくんが言ってたわ。
シャロおねえちゃんは噂がお好き?
[少女の周りを軽快な歩みでついてゆく]
ウェンはね、ご本が好き。
噂は嫌いじゃない…かな。
でも、笑えない噂は嫌いね。
[今回のは例えデマでも笑い話にする気にもなれない。]
良く本は読んでるわよね。
どんな本を読んでいるの?
つまらないお話もあるものね。
[知った様子で頷いて]
ご本はね、パパがお土産で買ってきてくれるのよ。
でもリッくんはあまり好きじゃないの。
これは、魔法使いのお話よ。
[ぽんと鞄を叩いた]
リック君もちゃんと本を読めば変な雑誌とかの受け売りもなくなると思うのに。
[やや苦笑する。]
魔法使いの本・・・?
どんなことが書いてあるものなのかしら。
[興味を覚えたように鞄へと視線を向けました。]
[村の近くまで帰ってくると、つい後ろを振り返ってしまう。そんな自分に気がついて、頭をかいた]
まったく。
[美術商と行く先では名乗るけれど、こんな山間の村に美術商の需要などあるはずがない。自分はしがない商人にすぎない――小さな嘘]
だからつい、ふりかえってしまうのでしょうかねえ。
[嘘をついているが故に。
けれど、美術商の肩書きは、気に入っているから、取り下げるつもりは毛頭ない]
おやアーヴァイン、いってらっしゃい。
[険しい表情の自警団長は何かを告げようとしたようだったが、結局挨拶以外の言葉を口にしなかった]
……。
[首を傾げる]
なにかありましたかね。
[つぶやきはするものの、自警団長の後ろ姿を見送るのみ。荷物を背負いなおすと、村の自宅へ*足を向けた*]
さて、外の掃除はこれくらいかしら。
[店の準備をする女。その横をアーヴァインが通りすぎる]
あら、アーヴァインさんこんにちは。
お仕事お疲れ様。
[いつもと様子が違うアーヴァインに訝しげにするものの、深く考えることはなかった]
んとね、魔法使いがお友達と一緒に戦うの。
[特急電車]で[罠にはまった]りするの。
シャロお姉ちゃんも、ご本が好き?
[ちょんと首をか傾げながら見上げる]
今度ね、パパが帰ってくるときに新しいご本を買ってきてくれる約束なのよ。
楽しみだね?
[うふふと笑って、スキップを踏んだ]
・・・何か、内容に凄い問題がありそうな気がするのは錯覚かしら。
本は好きな方よ。
[良からぬ方向に想像が流れたかもしれない。]
それは楽しみね。
次はどんな本が来るのか考えるのも楽しそう。
でも、今日はお家に帰っておいた方がいいわ。
お母さん、心配しているといけないもの。
[家まで送っていこうかと。]
酒場
[店は相変わらず、そこそこの客の入りである。]
あら、アーヴァインさん珍しいわね。
[仕事中という彼にはソフトドリンクを提供する]
ところで、ずいぶん緊迫してるけど、どうしたの?
[魔女狩りが再開されるのだという話を聞かされる]
魔女狩りねぇ……私のおばあさんがそのまたおばあさんから噂で聞いたという程度のものよ?
[その場にいた誰もがアーヴァインの言葉を間に受けようとしない]
[形造る男と、他愛の無い話を二つ三つ。
見回るアーヴァインについては、
可もなく不可もない話で終わりを迎えた。]
空――…か。
[ふと、天を仰いで小さく呟く。
澄み渡る美しい空は、形をそのままに、
しかし何処か不穏な空気を。
――幽かに孕んでいる様に思えた。]
気の、所為かな?
[じわりじわりと嘲笑うかのように滲む黒い薄雲を、
思い過ごしとして片付け、小さな村の中を歩く。]
ヒューバート…? 今、帰ってきたの?
[見慣れた後姿が家路に着く前に間に合えば。
村外の噂話などひとつ、好奇心で*強請っただろう*]
……。
[ふと足を止めて、空を見やる。
薄墨色の雲が流れていく先を見る細い目は、細いまま]
おや、ラッセル。ええ、今帰ったところです。
お利口にしていましたか?
[>>24名前を呼ばれて笑顔を向ける。
細い目がさらに細くなった]
「お利口」だなんて…。
ウェンディじゃあるまいし、子ども扱いしすぎだよ。
[ヒューバートの、細められた視線を見上げる。]
商売は、それなりに上手く行ってる?
…えっと、「美術商」だっけ?
この村にはちっともそぐわない商売だけど、
村の外だと固定客とか沢山居そうだよね。
[瞳には、羨望にも似た色が滲んでいる。]
[少女の想像など知る由もない]
うん。
早く帰ってこないかなぁー。
ママはいっつも「もうすぐよ」って言うわ。
[帰宅を促されると、素直に頷き]
あのね。今日はシチューなのよ。
わたしも一緒にサラダを作るの。
[頭上の暗雲に気づくこともなく軽い足取りで家路に向かう]
ふふ。私からすれば君もウェンディも大差ない……おっと、怒らないで、怒らないで。
[肩口まで手を挙げて、降参のポーズ。
見上げてくるまなざしを受けて手を下ろし]
商売の方は、まあ、まあ、ですね。
こうして君に、話のほかのお土産をあげられる程度には。
[取り出すのは、細長い紙包み。梟を彫り込んだ、ペーパーナイフ。
輝くような眼差しを避けるように、少しだけ目をそらした]
もう少しだけ待ってあげて。
きっとお土産の本を何にするか悩んでて時間かかってるのよ。
お手伝いしてるんだ。偉いね。
シチュー羨ましいなぁ。ウェンディちゃんのお母さん、料理上手だもんね。
ウチはどうも… お出かけとかに感けてて全然…。
[暫く会話しているとすぐに家は見えてくる。]
それじゃあ、また明日ね。お手伝い頑張って。
・・・よう、小僧。
お前もヒマだな。そんなに俺のことが好きか、え?
[ちらりと少年を見やる瞬間には木彫りを勧める手が止まる]
先に言っとくが冗談だ。
おっさんの話ねえ・・・まあアイツは俺のこと嫌っててあんま口きかねえからな、さて、どの話のことだか。
「年寄り」から見たら。
僕もウェンディも、大差ないって事?
[唇の端に毒を潜ませて。
降参するポーズに、洩れるのは溜息ではなく苦笑。
一息吐いて]
…え? これ、貰っていいの?
ありがとう、ヒューバート。
[差し出された細身のペーパーナイフに、
視線は引き寄せられる。
凝った造り、細かく再現された夜鳥を指でなぞる。
何処かすれ違う視線の行き先に、*気付く事はなく*]
[去る少年の背中を、作業の手を止めて見るともなしに見送った]
・・・腹が減ったら酒場が開く、っと。
[体を伸ばして硬くなった体をほぐしながら酒場へ足を向ける]
おや、おや。
言うようになりましたねえ。
おじさんは、うれしいやら、寂しいやら、です。
[言われように、むしろ楽しげに目尻にしわを寄せた]
ええ、それは差し上げます。南の町で――ちょっとしたうわさ話を聞きいたもので。
梟は、悪いものから持ち主を遠ざけてくれると言いますし、よいでしょう。
[――噂の内容を口にしかけて、口を閉じる。
逡巡は、かすかなひらめきと、青年の梟をなぞる仕草で終わった]
そういえば、アーヴァインが険しい顔で歩いていましたね。
――なにか困ったことでもありましたか?
[いつもと変わらぬ細い目で、訪ねる。
歩む速度は変わらぬまま、家を*目指す*]
[褒められると照れ笑いを浮かべ]
えへへ。
シャロおねえちゃんのママは奥様だから、センゾクのコックさんがいるんでしょう?
[どこから仕入れた話なのか、話す頃には家が見えてくる]
うん、じゃーね。
送ってくれて、ありがと。
[礼を言って玄関に駆けていく。手を振ろうと振り返り、腕を上げたところでふと動きが止まる]
あれ、…パパ?
[人影が見えた気がして目を瞬いた]
――南の町?
[「うわさ」。
その言葉に少しだけ引っかかるものを感じるも、
梟の彫り物が珍しくて仕方が無い。]
そっか。梟ってそんな意味があったんだね。
じゃぁ、このナイフは僕にとってお守りになるね。
――へへっ、後でハーヴェイにでも自慢しようっと。
ありがとう、ヒューバート。
貴方にも、災いが降り懸りませんように。
[家路に着く後姿を見送りながら。
少年の唇は、祈りの言葉を小さく紡いだ。]
[ウェンディを家まで送って]
結局、誰にも言ってないや。こういう時って誰に相談するのがいいのかなあ…。
俺に全部任せろ! とか言ってくれる頼りがいのある男性がこの村には…。
[居るような居ないような。]
…悩むところね。
[土産を興味深そうに眺める青年を見れば、自然と目を細めて]
まあ、何かの役に立つこともあるでしょう。
もちろん――封筒を開けるのにもね。
[気をつけて帰りなさい、と手を振ると、ラッセルと別れる。耳に届かぬ祈りを、背に受けて]
やあウェンディ、ただいま。
お利口にしていたかい?
[やがて見えた少女の姿に、目尻を下げた]
―― 自宅兼医院 ――
え?
ああ、アーヴァイン、悪いが忙しくてね。
今でないとダメなのかい?
[スカーフで口元を覆った姿で、屋根裏部屋と下を行ったり来たり]
あとで話は聞いておくから。
ニーナに言伝を頼む。
相変わらず小銭しかねーんでな・・・
先に払っとくから適当に見繕ってくれや。
[ちゃりちゃりっと一食と一杯がギリギリの硬貨をカウンターに投げ出した]
・・・そういやおめーは何か聞いたかよ。
アーヴァインがどうのってつまんねえ話を耳にしたんだが。
パパ!
おかえりなさいっ。
[声をかけられると、すぐに駆け出して抱きついた]
ウェンね、ウェンね、毎日パパのご本読んでいるのよ。
それにね、今日もママのお手伝いするのよ。
[腕を絡めたまま見上げると、堰切るように問いに答えた]
[>>41クインジーに食事を酒を提供しつつ答える]
魔女狩りが再開されるとかいう話?
聞いたわよ。
でも、いくらなんでも時代錯誤も甚だしいわよ。
[肩を竦める]
そうか、ちゃんとママのお手伝いしたんだね。ウェンディはお利口さんにしてたなあ。
[駆け寄る少女を抱き留めて、頭を撫でる。
目線を合わせるよう、すこし屈んで]
お利口さんにはお土産を買ってきたよ?
[荷物から取り出したのは、この前の本の続き。魔法使いが友人と戦う話の、続編]
[お土産と差し出された一冊の本。表紙には魔法使いとその仲間たちが描かれていた]
わぁ!ありがとう、パパ。
[両手で大切そうに抱える]
わたしこのお話大好きよ。
でもね、パパのお話がもっと聞きたいわ。
リっくんも、お利口に待っていたのよ。
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