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研究所の一室
[糸の切れたマリオネットのようにだらりとして、壁に寄りかかるアンドロイド。]
―ピコン
[電子音とともに、カクリと首が動き、頭をあげた。]
[とある屋敷のメイドとして働いていたロボットだが、時折唐突に停止するというバグがあったため、修理のため研究室に搬送されていた。しかし、どこを調べても特に異常がなく、暫く放置されていたらしい。]
―System Check
[電子的な声の後、体内でカタカタと音を立て始める。]
[やがて音が止まれば]Green OK
[再び電子的な声が*響いた*]
[カクカクと動くのは、ルリやハツネよりも旧式だからなのもあるが、しばらく起動しないまま放置されていたので間接の油が切れかけているせいもある。]
[背筋をぐいっと伸ばし、立ち上がると、目の高さにある向かい側の壁の窓の外を見る事ができた。]
雪…………?
[さきほどの電子音ではなく、20代の女性の声でつぶやき、カクリと首を傾げた。]
[標準時を受信し、体内時計を合わせる。その差は]
180日と12時間15分08秒 ……丁度半年、停止していたのかな。
[ふしゅ][口から溜息のような排気をし、室内をくるりと見回してから、廊下へと出ていく。]
[大福を食べるハツネと、それをほしがっているルリを見つけて、こんにちは、と挨拶をした。]
ふふ。二人とも、メンテナンスで来たの? 研究員は誰もいないのかしら?
[ゆるく顔を緩め、プログラムされた営業スマイルを張り付けた。]
大福、もしよかったら私にもいただけるかしら?
[ルリの隣で、ハツネが食べる大福を羨ましげに眺めた*]
新米の方なのですね。メモリーしておきますわ。[微笑んだ。]
それでは、よろしくお願いします。他のロボットの方と、基礎は同じなはずですから、すぐに分かるはずですわ。
というか、他の方にくらべたら、基礎そのものしか入っていないかもしれませんけれど。
[営業スマイルでほほえみながら、検査室へ入っていく。]
[言われるまま、服を脱いで丁寧に畳み、検査台に座った。]
よろしくお願いします。
[窓の外に降る雪のように白く透き通った肌が露になる。所有者がそのように作ってほしいと注文したから、姿も肌の色も、美しい二十歳の娘そのままの姿。]
[俯いて猫背になり、背中の電子ロックをかちゃんと外した。あとはされるままに、新米のメンテナンス係に身を任せた。]
[背中のカバーが閉ざされるのを確認して、顔を上げ、首や手足の間接の動きを確かめた。油をさす前よりも、動きは滑らかになっている。]
大変調子がよろしいですわ。ありがとうございます。
新米だなんて、きっと嘘ですね、いい腕をなさっていらっしゃいますわ。
[そういいながら、先ほど畳んだ服を着こんだ。]
[ふしゅ][くしゃみのような排気が漏れる。]
外気に触れたから、少し内部温度が下がってしまったかしら。
[両手をさすりながら、ぽつり呟く。]
[ユウキが手を伸ばした先の湯呑みが空なのに気づいて。]
そういえば、先ほどのポット、ハツネとルリはちゃんと給湯室に持っていったのかしら?
[ルリが道に迷ったり、ハツネがそれを追いかけていることも知らないまま、首を傾げた。]
私も和菓子は好きです。落ち着いた甘さがありますものね。
……二人は遅いですね。
[ユウキとともに廊下を覗き込んだ。]
見て参ります。
[脇をすり抜け、廊下と出た。ぺたりぺたりと微かな足音が聞こえた。それが誰の足音かとメモリーを探りながら、廊下を歩いて給湯室へ向かう。]
給湯室手前
[二人の声が聞こえてきた。]
ああ、ここにいたのね。お湯、湧いてるかしら?
[ハツネとルリに声をかけながら、給湯室の中に入っていった*]
給湯室
あら、宝探し? [何のことだろうと、ゆるりと首を傾げた。先ほど廊下で大福をもらう時に会ったより、滑らかな動き。]
[ハツネが戸棚を締めるのを見て、戸棚にある何からしい、と判断した。]
お菓子なら、きっとここじゃなくて、検査室の戸棚にあるのじゃないかしら。
先ほど、ユウキさんにもらったから、よかったらどうぞ?
[イチゴみるく、と書かれた飴を二つ、それぞれルリとハツネに差し出した。]
きれいな湯のみがあったら、すこしお茶を飲んでいこうかしら。
今日は気温が低いから、体内温度調節がなかなか上手く行かなくて。
[ハツネが探していたのとは別の戸棚を探り、汚れの少ない湯のみを*探した*]
あ、これがいいわね。[大きな紅葉をあしらった湯のみをとりあげた。]
[歌いながらお湯を汲んでいるルリの傍で]
私にも、お湯を頂戴ね。
[ルリがお湯を組み終わるのを待って、湯のみにお茶を汲んだ。]
[ぴょんぴょん飛ぶルリを見下ろして。]
あら、元気いいわね。
うん、さっきユウキさんに見てもらって、調整してもらったのよ。彼、なかなかの腕だと思うわ。
どこかで似たようなお仕事してらしたのかしらね。
[手首や首をくるりと回し、滑らかに動く所を見せながら答えた。]
[お茶を飲み終わって、湯のみを洗って水切り籠に入れた。]
じゃあ、そろそろ出るね。修理室に誰か来ているかもしれないし。ちゃんとバグを直してもらわなくちゃ。
給湯室→廊下
[廊下に出る前に、ルリから差し出されたブレスレットを受け取った。]
あら、ありがとう。綺麗な石ね。[きらきらと光るそれを、見よう見まねで自分の右腕にはめる。]
どう? [似合うかしら? とルリの前に掲げた。]
[相変わらず窓の外に降る雪を見ながら廊下を歩いて行く。ルリとハツネが途中で追い越して行ったが気にする様子もない。]
にぎやかなこと。と思ったら、壱ノ宮さんね。まったく、冗談が好きなんだから。
[微笑ましいと思いながら、ゆっくりとその集団に近づいて、話を聞いていた。]
[ロボットがお嫁に行くのもありだと言う話が聞こえてきて]
あり、かしらね? ありだといいわね。
[少し俯いて両手を胸に組み、祈るようにしながら独り言のように呟いた。]
誰か、戻ったかしら? [廊下を抜け、今朝自分が起動した部屋へ戻る。]
バグは、見ていただけましたか?
[戻っていた技術員に、声をかけて訊ねた。]
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