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― 夜→ ―
……で、ぎりぎりまで追い詰めたんですけど。
なんかいきなり巻物取り出して消えたんですよ。
どろん! と……忍法猫隠れ! みたいに。
[猫を追った事を、身振り手振りを交えて語った]
……ってのは、冗談ですけど。
本当、忍者みたいに華麗な逃げ方でしたね。
あの猫って此処で飼ってるんですか?
[疑問はアンが戻った後にだったので、答える声はなかったか。そのうちに男もダイニングを後にした。酒には強いのか、酔ってはいないようだったが、そもそも普段が酔っ払いと間違えられてもおかしくはない。
空いている部屋を借りる事にして、其方へと]
― →朝 ―
……すごいな、雨。マジ大雨って感じ。
っていうか……これ、嵐?
なんかバリバリサスペンスドラマみたいな。
やっべー。
[いつしか降り出していた強い雨にはそんな感想を漏らし。特に着替えは持ってきていないので、ネクタイを解いたばかりで寝台に転がった。
そして、翌朝になり]
……ん、あー。
……!?
[がばり、と勢い良く飛び起きた]
ちょ、あれ、此処ど……
……って、あ。山荘か。
[単に寝ぼけているだけだった。
安堵の溜息を吐きつつ口元に触れる。薄く生えた髭が指の裏に感じられた]
あー。髭剃りは確か持ってきてたな……
[鞄からそれを取り出してはズボンのポケットに入れる。ついでにハリセンを刀のように腰の左側に帯びさせた。スーツの上着は鞄と共に置いたまま]
よし、行くか。
[洗面所に向かうために、その部屋を出た]
ドイツ語読みで!?
[それから廊下をほとんど行かないうちに聞こえたビセの「素数」に、咄嗟に叫んだ。ツッコミptを<8>ゲットできた気がした]
……じゃなくて。一体どうしたん……
うおお、窓が!
[やや遅れて惨状に気付き、再び叫んだ。ガラスが割れたりする音はまだ寝ていたので気付かなかったらしく。
今の男は、剃っていない髭のせいで少々渋く見えたかもしれないが――中身は勿論全く変わらないよう]
って、怪我したんですか? あれ、してない?
大丈夫ならいいですけど。
[歩いていくビセを見送って。はたきたいというダンケに、差し出そうかとハリセンを抜きかけたりした。恐らく遠慮されただろうが]
素数じゃ……ない!?
しまった! そういえば数字というか英語だ!
なんてこった、気が付かなかった……。
[ダンケのツッコミにはがっくりとした。大事なもの(例のpt)がなくなってしまった感を覚えながらも、雨戸を閉めるのを手伝おうとした、が]
! 今のは……ビセさん……?
それとも……
[突然聞こえた悲鳴に、はっと辺りを見回した]
……ビセさん。どうしたんですか?
[ビセがへたり込んでいる、アンの部屋まで辿り着いて。傍にいるレンやポルテの姿も見てから、部屋の内部に目を向ける。そこにあるのは]
……アンさん? え? どうしたんですか、これ。
[もう一度、同じ疑問を零した]
倒れた、とか? なら、なんとかしないと……
だって、なんか、血とか……
悪戯? これがドッキリって事か?
死んでって、そんな馬鹿な……
[レンやポルテが話すのを聞きながら、動揺したように言葉を零し、部屋に足を踏み入れた]
まさか、ポルテさんもグル……とかですか?
なら、思い切り騙されちゃいましたよ。
ポルテさん、こんなドッキリしそうには見えないんで。
[アンの体を「確かめた」らしいポルテに、どこか弱く笑いながらそんな事を言う。血を吐いたようなアンの体に近付き、倒れるその首筋に手を伸ばした。
丁度、レンがアンをつっつくのと一緒だったか]
……っ、!
[肌に触れて、息を呑んだように。
さっと手を引き、一歩後ろに下がった]
[血がなければ。顔色が悪くなければ。白雪姫の真似事でもしているかに見える、アン。だが彼女は確実に]
……死んで……る? ……
本当に……冗談でも、嘘でも?
そんな、毒殺とか、殺すとか殺されるとか……
わけ、わかんねえ……!
[当惑の表情を浮かべながら。
呻くように、叫ぶように、声を発した]
つまんないとか言うなよ、俺、ボケじゃないし……
こんなボケ、趣味悪過ぎるし……
でも、誰かのボケなんだろ?
冷たいのだって、仕掛けとかで……
[誰も仕掛け人を名乗りはしない。
アンが起き上がる事もなく]
……わけ、わかんないっての。
こんなん。
山荘で嵐で殺人とか。サスペンスじゃあるまいし。
[呟く声の調子は、弱いものだった]
なあ。
やっぱ、……死んでる、……と、思う?
[アンの、特に温かい場所の一つであるはずの首は、酷く冷たい。頬も、手首も。確かめたのなら、誰であれ、最初に死を疑うだろうもの。
呟きはレンに問うように、同時に独りごちるように]
……殺される、なんて……
……くそっ……!
[だん、と。部屋の壁を拳の横で殴り]
殺人犯の思い通りにしてたまるかよ……!
他の奴も殺させたりなんて、するか。
殺されたりなんて、するかよ。
絶対、見つけて捕まえてやるし。
連続殺人とか、マジありえないっての。
[いつものように軽くも、力強い口調で言った。ポルテが何かしら語ったなら、それを聞いただろう]
当たり前だろ。
……いや、傍から見りゃ、証拠なんてないし。
皆同じ容疑者なんだろうけど。
俺は人を殺したりしてない。
これからだって勿論殺さない。
[レンの問いには、見つめ返しながらはっきりと答えた。その後、ふとアンを見て]
……このままってわけにも、いかないよな。
動かすのは……まずいですか?
とりあえず、シーツかなんか……
[ポルテに尋ねつつ、部屋の寝台に歩み寄り]
[シーツを取ると、アンの上にかけてその体を覆い]
……ピエトロさんと、ダンケさんにも……
伝えなきゃな。もう伝わってる、か?
とにかく、一旦集まった方がいい気がします。
ダイニングとかででも……
[場にいる面々に向け、そう提案した]
俺も、ちょっと髭剃ってから行きますんで。
[そこにプレーチェがまだ残っていたなら、心配するような素振りをしただろう。それから洗面所へ向かう。髭を剃った後は、ダイニングに*向かったか*]
[髭を剃り、ネクタイを締めてから、ダイニングへ足を向けた。ちわー、とかける声はそれまでと変わらず。しかし、元気はなさげだったか]
ああ、すみません。
どうもー。
[ピエトロが紅茶を淹れるのを見れば、素直にカップを一つ取って口を付けた。呑み込んだ後、あ、という顔をちょっとしたが、ピエトロ自身が飲んでいる様子を見て、特に何も言わず]
……え。
ビセさん?
[玄関からの物音には其方を向いたが、ピエトロが向かうのを見ると、追いはせずに]
……この天気じゃ、外には出られなそうですね。
電話は奥の応接間にあったと思いますけど。
じゃあ、俺、ちょっと見てきますよ。
……電話、ありました、けど。
繋がらない、っつか。
繋がりようがないっていうか……
切られてました。電話線。
外されてたとかじゃなくて、文字通り。
[ぽつりと、ダイニングにいる面々に告げた]
ミステリーとかだと、ありがちですけど。
つーか、ある意味協定みたいなもんですけど。
本当に遭遇したのは初めてですよ。
……完全に動きを止められた、って、やつですかね?
どうせなら、本当にミステリーっぽく、探偵とか出てきてくれたらいいんですけど。
犯人はお前だ! とかいう。
真実はいつも一つだとか、じっちゃんの名にかけてとか決め台詞言って。
[そんな事を口にして。ダンケが玄関の方へ向かったなら、男も其方へと。辿り着いた玄関先には、先に行っていた数人の姿があった。
気を失っているように見えるビセ。
何かを飲み込んだようなピエトロ]
……何が……?
[場に流れる緊張に、呟くように]
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