情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
―夜 帰路―
[学校からの帰り道、すっかり暮れた道を足早に進む]
怖くない怖くない怖くない。
[街灯の少ない田舎道だ。何が起きてもおかしくない気がした]
明日は絶対早く帰ろう。
―翌朝―
[外の喧騒に目を覚ます。
それがフユキを探す人々の声だとは気付かず、それでも胸はざわめいた]
数学が予定より遅れてる。
[口に出すことで自分の背中を押そうとしていた。
制服を纏い、騒ぎに興味がない顔をして*学校へ*]
―学校―
[CH3だの、COOHだの、鉛筆で囲みながら気はそぞろ]
暑い。暑い。
あつい……。
[ふっと机に突っ伏して、ノートに額を付けた]
―よろず屋に続く坂道―
[熱風に髪がなびく。
汗はじわじわと滲み出て、こめかみや背中を伝う]
たいやき。
[空を見上げ、雲に呟く。
ゆっくりと瞬きをする最中、眩暈を起こしそうになると同時に音を聞いた]
水?
[はっと目を開いても雨粒一つも見当たらない。
色をなくした顔色のまま、よろず屋の菊婆さんへ会いに行く]
―よろず屋―
フユキさんが?
[昨夜は消える姿は見かけなかったらしく、菊婆は噂話だけを伝えて数珠を擦り合わせていた]
これください。
[買ったのは、いくつかの花火]
―喫茶店―
ねぇ、花火しない?
[神妙な顔つきの店主や客を見渡して、紙袋を掲げながら訊ねた]
買ったの。
たまには遊ぼうかなと思って。
[ナオの問いに、ん?という顔で瞬いた]
いいでしょう。夏らしくて。
[レジにある店名入りのマッチを手に取って、あ、と声を出す]
蝋燭持って来ないと。
[声を荒げるヤスナリに気付くと、ちらりとそちらを見やった]
[神妙な顔で話し込んでいたポルテとモミジ。
ポルテが店を出て行くのに気付いて、軽く会釈して見送った]
気をつけて。
[ほどなくすれば、花火を手に川原に*向かう*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了