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― 26日 ―
[夕暮れ時に店を閉めて、ふらりと外に出る。
手には大きな包み。
だが、目的の人へと近づく前に、
潜む何かの気配を感じて]
―――…。
そっと足を別へと向けた*]
[夢を見た。
熱を出した時の夢は、大概が悪夢だ。]
わかんない。何がどうしてなのかわかんない…。
どうしたらいいのか、わかんない。
[くやしいのは、自分の無力さか。
はがゆいのは、自分の不甲斐無さか。
ベッドの上で、手を握る。
傍らには、白いカードと、渡せずじまいの*案内状*]
[開けて翌日の目覚めは、やっぱり賑やかだった]
……あー、はいはい、なに。
『関わりあるもの、今度は、欠けてない』?
だーから、それは何なんだよ……。
[ぶつぶつと文句を言いつつ、新聞をチェックして。
それから、次の締め切り確認のために編集部に電話をかけるが]
……やっぱり、あんな事件があると
食欲も落ちるものなんですかね。
[店を切り盛りしている夫婦にそんな世間話をする。
一見変わらないように見える町も
雰囲気は重苦しい。
心なしか、客足も落ちているように思えた。
しかしそれは気のせいではなく、
実際に常連客の記者は昨日を最後に姿を*見せなくなっていた*]
……え?
なんですか、それ?
[いつもと違う、電話口の向こうの声。
聞かされたのは、グリタが未だに出社していない、という、予想外の報せ**]
― 26日 ―
[こり、と口の中で音をさせるのは、写真館でもらった砂糖菓子。少しだけ、春の香りがする]
明日は雪が降りそうね。ね、モコ。
[ゆるりと空を見上げる、あかね色の時間はあとわずか。
南天のお守りが、羊の首でぷらぷら揺れる**]
[長い指が、白い骨の表面を撫でる。
ふっくらと丸い楕円の、大きな骨。]
今日は君のここを置いてこようか。
生まれなかった子の代わりに、花を添えて。
[片手で持つには大きな骨盤を
丁寧に包んで、脇へ置く。
昨日、綺麗に積んでおいた肋骨は
もう、誰かが見つけただろうか。
新聞を確認する気にはなれなかった。]
ハナシロ、出かけてくるから留守番頼むよ。
タケさんが来てくれたら、よろしく言っておいて。
それと今日か明日、写真が届くかもしれないからね。
槻花寫眞館に引き延ばしを頼んでおいたのが、
そろそろ出来る頃だと思うよ。
[3年前に"行ってしまった"彼女の写真。
白黒ではなく、鮮やかな色の写真が欲しかったから。]
じゃあ、行ってくる…
[店を出ようとして、ふと立ち止まる。
思い出したようにつまみ上げたそれは、
布で出来た小さな人形。
最初に空き地に行った時に、拾ったもの。
胸にある四つ葉のクローバーの真ん中は糸が解れて、
鈴かなにか付いていたのだろうけど、今は何もない。
所々に付いた黒っぽい染みと、
微かな消毒薬の匂いに首を傾げつつ、
その人形を、『落とし物』の箱に入れておいた]
[出かけた足で、先ずは弁当屋へ。
残念ながら、看板娘は配達中だったが。]
ああ、店長さん。
今日は海苔弁2つと唐揚げ弁当と、
じゃあ、そのカレーオムライス弁当ももらおうかな。
いえ、最近タケさんがうちで食べていくんですよ。
食べなかったら、晩ご飯にでも…
[数の多さを言い訳しつつ、代金を払う。
そうして、はらりはらりと降り出した雪の中、
どこかへ弁当を*届けに行った*]
[ちらつく雪の中、
昨日の場所の対角にまた植木を植えさせている。]
頭蓋骨に、歯はなかった。
でも……どうなのかな。
[手帳に今まで聞いた事、想像、解決案などをメモする。
しているうちに、丑寅に柊が植わっている――]
[確認し終わると、造園屋の若い衆を呼んだ。
彼の手に、とても小さな紙片を、幾つか渡す]
有刺鉄線に適当に結んでおいて貰えるかな。
[紙片の正体を問われて首を傾げ]
四手……の小さいやつかな。まあ、ジンクスだよ。
本当に大事なことは、こんなんじゃ終わらないんだ。
[面倒そうに言って、雑貨屋の方へ行った]
―― 駐在所 ――
[カツ丼が届いた。]
はあ。
容疑者、女の子なんですか。
[ノギ巡査部長、丼を聴取室の警部へ手渡す。
容疑者と聞かされたのはリストにある名前。
加え、新たに姿を消した男子児童の名前も。]
では容疑者、は 言い過ぎですね。
…参考人。
[聞かされたことのみを判断材料にして思案。
が、浮かんだ仮説を披露する愚は犯さない。]
カツ丼、明日は3人前で。はいはい。
お気遣い頂いてすみませんね、本官のぶんまで。
[参考人が増えるんだ、と警部殿の怒鳴り声。]
ですよねー
[ノギ巡査部長、生真面目且つ乾いた声で応じると
壁にかかる日めくりカレンダーを捲る。…27日。]
[取調べを受けた気がするが、最早それすら夢だった気もしてくる]
ここは?
[天井から紐が伸びている。
短くしたり長くしたり出来るアレだ。
ひっぱるとぱるるっくぴかーん。
雨戸が締め切られた部屋は、窓も開かずドアの鍵も動かず]
28日か。
[ちゃぶ台に乗っていたのは○○新聞。
手にとって、しばしトイレを占拠してみることにした*]
[駐在所前の通りは、まだ霜柱も溶けきらず。
ノギ巡査部長、自転車に乗らず押して出る。
件の空き地には、土を新しく掘り混ぜた跡。
新たに木を植えたのだと――走り去っていく
造園業のトラックを見てから漸く気づいた。]
現場保全は… まあいいか。
[連日人骨が見つかると言うのに、空き地には
警察のKeepOutテープのひとつも張られていない。
単なる張り忘れか有刺鉄線があるからなのかは
定かでなく、また定かならぬ侭でもよかった。]
[呟きは、みじかい。]
――… 民事不介入。
[巡査部長がそろりと漕ぎ出す自転車の軌道は、
大きく1回、小さく4回程蛇行して漸く安定。
そんなだから先ゆく会社員に追いつくかは*謎*]
[きげんが悪くても、ぐあいが悪くても。
家族とおはようのあいさつを交わすのは、忘れない。]
新聞? いらない。
[客との会話の種にと、毎日めくる新聞すら、
疲れきったこころには、受け付けない。]
…え? 新しいの?
[宥められるように手渡された、印刷紙は二束。
いままでの。そしてこれからの。]
おためしよう?
今の新聞社ってそんな事までするのね。
[気が乗らない指で、これから頼む新聞社の方を、
一枚めくる。]
『フローレンス優姫の誕生月占い』
二月生まれの方。運気下降中。うっかり失言して、
周りの信用を落とすかも。落し物に注意。
ラッキーアイテムは…
って、これ、昨日の占いね。
[ぱさりと音を立てて、新聞をたたんだ。]
ねぇ、おとうさん。
購買申し込みの手続きに来たひとって、
どんな方だった?
[昨日の記者の様子だと、家に来てはいないだろう。
案の定、父親の語る人物像は、
見知った者とは違っていて。]
まぁまぁ、クロスチョップハンバーグ弁当を死ぬほど?
新聞社も下手に動くと嫌がらせを受けて大変ね。
[雑貨屋。時間を気にしながら、買い物をする]
……熊を殺せそうな金槌ください。
いや、僕がもてるやつで。
あと、このアイラブミーって書いてあるタオルと
ねるねるねるねを。
[無言で勘定のお釣りを待つ一方で、
警官が向かってきている――。]
[他愛のない話に、かさついたこころが、
少しずつ解れていく。]
――…すこし、空き地の件のこと、
整理してみようかしら?
[そういって、紙とペンを持ち出し、
記憶を書きなぞった。]
えっと、二十三日に空き地でアンちゃんと――…
[時系列ごとに、知る限りのことを並べる。
見つかった骨の部位。そしていなくなった子たち。]
――え? 女の子が参考人として?
おとうさん、それどうしてもっと早く――…
[知らない情報は、接客を終えた母親からも
聞くこととなる。]
こども警官さんが? ほんとうに?
うれしい…!
[こちらは遅れて耳にしたが、いい情報で。]
[ちいさくても喜ばしい言付けに、
ぱっと表情は明るくなり。]
あ、そう言えばおかあさん、
昨日、頼みたい事が有るって言ってなかった?
[数日振りに、仕事らしい仕事を。]
こんにちはぁ。槻花写真館です〜。
[母親から請けた仕事は、引き伸ばし写真の配達。
コンビニエンス的なものが持て囃されつつある世の中、
ひと手間かけることで、得意先とのつながりを保つ、
昔ながらのサービス。]
…居ないのかしら?
[店の中を覗き込んだり、裏手に回ってみたり。
ようやく見かけた人影は、陽だまりの中でうとうと。]
あれは…タケおじいさん?
[まあるく形つくられた、きれいな頭部が反射していた。]
…おこすのも…忍びないわよね。
お礼を言うのを忘れない。忘れない。
[繰り返しながら歩く。ぶつぶつぶつ。
左手に抱く羊のぬいぐるみ、昨日までのシロツメクサの花冠よりも大きな、白い花ばかりの花輪を首にかけている]
骨の人、捜してあげて。
空き地にもう置かないでって言わないと。
[羊の首で、お守り袋が揺れている]
あら。あなた確か…ハナシロだったわよね?
お留守番かしら? えらいわねぇ。
[会話に昇る名前を思い出し、あごの下を指でなぞる。
猫は気持ち良さそうに目を細めてひとつ鳴き、
手にしていた茶封筒を見て、もうひとつ鳴いた。]
? ご主人様に渡してくれるの?
[長靴がこがこ言わせて向かう先、黒い写真の写った場所]
こんにちはー
[軒下にかかる看板は夢美堂。店主には一度も名前を教えてもらわなかった。だからいつでもここは骨董屋さんで、店主も骨董屋さんだ]
誰かいますかいませんかー
[いつも店先にいる骨董屋さんの姿は見えなくて]
お出かけ中かなあ。
[ポケットから黒い写真をとりだして、同じように見える場所を探しながらその場をうろうろ*]
じゃぁ、ご主人さまが帰ってきたら。
教えてちょうだいね?
[手入れの行き届いた毛並みを、ひと撫ぜ。]
それと、お利口さんなハナシロには、ご褒美ね。
嫌ならすぐに解けるように、しておくわ。
[鞄から取り出したのは、幅の細い緑のリボン。
軽く首に結わいてあげて。
かざりには、恋告げ草の、花ひとつ*]
[キッ、と短く自転車のブレーキが鳴る。
しばらくして、がさがさとビニール袋が音を立てる]
すみません、つぐみ堂です。
カツ丼3人前お持ちしましたー。
[その声に反応したのは見慣れない男、警部殿だ]
……やぁれやれ、だなぁ。
[編集部とのやり取りの後。
はー、とため息をついて、頭を掻く。
それから、煙草の箱に手を伸ばし。
かきん、と小気味良い音と共に紫煙を立ち昇らせた]
ま、編集不在じゃ仕方ない。
取りあえず、気分切り替えてくる、か。
[例によって乾いた金属音を立てて降りていく。
例によってそこにいるのは大家と階下の住人]
おはよーございます、と。
……今日は、失踪したひとの話って、ないんですか?
[例によっての挨拶の後、問いを投げかけて]
[聞いてはみたが、特にそれらしい話はない様子。
それに、ほっとするやらなんやらしていたら]
……あー、うん。
どうも、そうらしいです、ねぇ。
[話題に上がるのは、警察に新たな参考人が、という話題。
先の編集部との電話でもちらりと聞かされていた話題。
……あんまり首突っ込んで、自分まで呼ばれるな、と釘を刺された話題……なのは、余談]
[警部殿は娘にねぎらいの言葉をかけて
代金を支払う。
カツ丼と、依頼があれば領収書も渡して]
最近カツ丼が流行ってるんですか?
昨日も注文ありましたし。
[警部殿は娘の問いに
「まあそんなところだな」と曖昧な答えを返す]
でも栄養バランス偏りますよ。
よければサラダやみそ汁もあるんで
そちらも買っていってくださいね。
[しっかり宣伝したところで、
見覚えのない黒いフクロウの置物が目に入る。
警部殿に尋ねれば、そのいきさつを知って]
……まあ、ほら、事情通ですからね、やっぱり。
[しかし、事情通というだけなら、この大家と主婦の方がよっぽど、と思うのだが如何なものか。
と、そんな疑問を飛ばす相手は生憎とおらず。
散歩してきます、と軽く言いながらひら、と手を振り歩き出した]
そういえばフクロウって、
学問以外にもいろんな事の象徴になってますよね。
「不苦労」で厄除けとか、
「福老」で長寿とか。
あと首がよく回るから商売繁盛とか。
……警察の商売繁盛は内心複雑ですけどね。
[ちらりと空き地の方を見やって苦笑する。
一部では不吉の象徴になっているとは、
さすがに言わなかったが]
とはいうものの。
どーこいったもんかなぁ。
[散歩に、と出てきたものの、宛てはなく。
往来をふらり、歩きながらあれこれと考えを巡らせる]
……『関わり』あるのはひとつは消えて。
今日、消えたのは、『関わり』ない、ねぇ。
[金槌が重いので、小さいのにして貰った]
まあ、牛は倒せそうだ。
[鞄にしまいしまいして、
鞄の中の持ち物を一つ一つ確認。]
揃った。
[おつかいのまま、まっすぐ家に帰るのは
何となく気が向かなくて。
慣れた道をぷらりと歩く。
空き地の事も気になるが、
また誰かが居なくなっているのを知るのが怖くて。]
人身御供で、いったい何が起きると言うの?
亡くなったひとが生き返るわけもなく、
また、何かが静まるわけでも無さそうなのに…。
[無意識の内に、当てもなくこぼす、推測。]
[複雑なもんだな、と呟く警部殿。
ふと気づいたように]
あ……長話しちゃいましたね、
この忙しい時にすみません。
ではありがとうございました。
[去り際に空地をさりげなく見やる。
次の骨は、確かにそこにあった]
―― 雑貨屋 ――
――あ、
うみんちゅさん。
[走りだした自転車は、すぐに停まることに。]
どうもどうも、はいはい。
ご連絡差し上げようと思ってたところでした。
[ノギ巡査部長、雑貨屋の前で会社員へ会釈。]
……そーいや、今日は骨、どーだったんだっけ?
[新聞は見たものの、その後のあれこれでそこらはすっ飛んでいた]
確かめに行ってもいいが、いい加減目ぇつけられてるよなぁ。
[そう思うと行き難く。
さて、どうするか……と思った矢先、視界に入る姿に足が止まった]
あれ、確かに寫眞館の……。
[ノギの言葉に振りかえり]
おや。駐在さんの代わりの。
僕が沖縄の伝説の漁師だと良く気づきましたね。
[真顔で軽口を返して]
どうされました?
[見かけた姿は、知ったひと。
作家さんだと思ったが、
あいさつしようか戸惑っていると、
先に向こうから声を掛けられた。]
あ、作家さん。こんにちは。
お散歩ですか?
[いきなり空き地の事を切り出す訳にも行かず。
まずは当たり障りのない、近所のごあいさつから。]
はいはい。ノギの代わりでノギといいます。
…なるほど、漁師さんでしたか。
[ノギ巡査部長、違いのわからない男。]
先日にお届けいただいた、
拾得物の落とし主が見つかりましてね?
謝礼の受け取りのことで、はい。
出席をとるとき困りそうですね。
[至極真面目に返事をして]
届けたものというと。
ダーツを一本、貰えるんでしょうか。
ダーツセットの1割ですから、
ダーツのシャフトが1本でしょうかね。
[羽なし、針なし、シャフトのみ]
拾得者の権利を行使なさいますか?
[ヨシアキに尋ねた*]
[そう言えば、とふと思い当り雑貨屋へと向かう]
すみません、狼煙1つください。
[見つかった時は知らせると約束したので
一応買っておく。いつ見つかるとも限らないのだから]
まぁ…お仕事に身が入らないって大変ですねぇ。
締め切りとか、あるんでしょう?
[世間一般に知られている情報を重ねて、
心配そうに尋ね]
あら、担当さん? って、確かあの――
[関わると馬に蹴られそうになるひと、とは言わず]
えっと、栗田さんでしたっけ? 大変ですわね。
あのひと宛にお弁当、大量に届いたんでしょう?
[その頃栗田は、ダーツセットの的で、すごろくっぽい一人遊びをしていた]
どうしたらゴールなんだろうなこれ……?
[ふらりと出かけた帰り道、
小雪の降る中を、空き地へ立ち寄る。
空き地の周りには、真新しい植木達。
有刺鉄線に結ばれた、いくつかの白い紙。]
……流れが変わっている、かな。
まだ、―――もう少し…
[暫し、思案の顔。]
[無事狼煙を入手して店を出る]
……誰だか分からないけど、
需要があるのは確かってことか。
[狼煙をポケットに入れて次に向かうのは――]
いらねえのですね、はいはい。
持ち主さんから後日、お礼の電話がくるかも
しれません、無視らないであげてくださいね。
[つっこまれたりツモられたりしつつ職務完了。]
捜査要員は来ていますから、ご心配なく。
本官は通常業務の合間に世間話でもして、
ぐうぜん情報が拾えれば上へ上げる程度です。
そう、作家さんって気が休まる時は無さそうね?
[常に追いかけられている様を想像して。
小さく苦笑して見せた。(>>55)]
まぁ、ご本人さんが不在だったなら、
他のひとも大変だったんでしょうねぇ…
[てっきり不在は一時的なものだと聞き流すも、
その後に続いた言葉に引っかかるものを感じ、]
今、起きている騒動?
え? お仕事で不在とかでは無いんですか?
あー
ついでに言うと、…困りませんよ。
駐在所にいるノギがどのノギだろうと、
出席を取る上司は困りません。
[乾いた生真面目さでそう付け加える。
ノギ巡査部長、唇の端を少し引いて、]
警官でさえあれば、それで。
[骨董屋の店の前うろうろしていると、猫が出てきて見上げてきた]
猫、こんにちは。
骨董屋さんお留守なのね? 店番えらいね?
[猫は、言葉を聞いてもあくびをするばかり]
…あの子みたいに出来るか分からないけど、
試してみようか。
[おもむろに、有刺鉄線へ指先を伸ばす。
ぷつり、鉄の棘に刺さった指先に、
まあるく膨らむ朱の雫]
あの世と、この世が、近くなるように。
生贄、の、真似事。
[ちいさく振った指先から、赤い珠が弧を描き、
空き地へ、有刺鉄線へ、白い紙へと降りかかる。]
[こういう事に詳しそうな骨董屋の主人。
彼を訪ねて店まで来てみたものの、
やはり姿はなく]
……これで商売が成り立つのは
この町の七不思議のひとつに認定するべきよね、うん。
さて、と。
[真似事の真似事がどれほど効果あるのか、
特に深く考える様子もなく。
指先を軽く吸ってから、自分の店へ足を向けた。]
おじいちゃまは? お留守?
[中を覗くが人はいないようだ。
きょろきょろ中を覗いて、抜き足差し足でお店に侵入する。丸見えだが]
……うーん。
[手に持った写真と店の中を見比べる]
あの辺、かな?
[見上げるのは棚の上。ちらりと袋の端が覗いている]
確かに、好きで行う仕事の辛さは、
あんがい楽しかったりもしますものね。
[思い出すのは、憧れのひとのことば。
同情して。でも少しうらやましくて。(>>62)
しかし続く言葉には、さすがに眉をひそめ]
参考人…? 何故、あのひとが?
[問い返す声も囁くように。
こころからの疑問を投げ掛けた。]
[それでも何か関係がありそうなものはないかと
戸の向こう側からじ、と中を凝視する。
そして<<20>>分後]
……ギブ。
全部怪しく見えるわ。
あえていうなら――
[羊のぬいぐるみの首から白い花ばかりの花冠をとると、棚の前で背伸びする――届かない]
無理。
[言って、首を振った]
何か台ー
[台っぽい物はたくさんあるが、踏んだら壊れないか心配そうな様子の物ばかりに見える]
あの方…一昨日、家に着てたんです。
二十六日ですね。
あの日、何故家に来たのかはよく解りませんけど。
でも彼が、もし骨を置いた犯人なら…
あんなこと言うかなって思う事が有って。
[何も情報が出ない気がするという言葉に、
重ねるのは、やはり根拠の無い違和感。]
壊したら怒られる。
[恨めしそうに見る骨董品の数々。
それくらいの分別はあるから]
……とりあえず、ここ。
[棚の上は諦めて、花冠を置いたのは――いつも店主が座る場所から少し視点を転じた、物の影]
……いや、確かに怪しい。
怪しいけど、今私が求めている「怪しい」と
さっきの「怪しい」は全くの別物な訳で。
それ以前にあのマニキュアって売り物なの?
どっかの曰くあるやんごとなき方々が使っていたとか
そういう代物?
[モミジはステータス異常:こんらんになった!]
わあ、骨董屋さん、おかえりなさい。
[丁度マニキュアに手を伸ばそうとしたところ。ちょっぴりびっくりして、振り返った]
これ塗るの?
じゃなくて、お花、お供えに来ました。
[マニキュアから、花冠に視線を転じて]
ばあちゃんが、そうしなさいって言ってたのよ。
[落ち着こうと近くにあった自販機で
ホットの緑茶を買う。
一口、二口飲むごとにその温かさに癒される気がした]
……今日も冷えるなあ。
昨日は雪降ってたし。
今のうちに戻ろうっと。
[長い道草を経て、ようやく店に戻る事にした]
こちら側…ですか。
では仮に、犯人を
やまんちゅさんとでもするとして。
[制帽の鍔陰で、三白眼が瞬かずヨシアキをみる。]
ああ不動産業の漁師さんで――それはそれは。
[時計を見遣る相手に、お急ぎでしたらどうぞと声]
…捜査陣は、今のところ
「こどものいたずら」の線を考えていますよ。
[ノギ巡査部長、自転車のスタンドを蹴り外す。
別れ際の世間話は、出掛け前の思案をなぞる。]
人骨は、こどもたちが偶然見つけた物を
オカルトめいた手法で駐在所の隣へ遺棄。
失踪は、怖気付いたこどもが隠れてる…
そんなとこだろうってね。
えぇ、一番最初にきかれた事が、
「お弁当屋さんとお友達ですか」みたいですけど。
[母に問いかけていた事を告げ(>>79)]
あ、でも思い違いかもしれませんし、
単なる考え方の違いかもしれませんが…
「誰がいつあそこに骨を埋めたのでしょうね?」
「前から埋まっていたかも知れないが、
何故今になって埋めたのか」
わたし、その言葉を聞いた時は、
もしかしてと思いました。
でも――…
[逡巡。そしてゆっくりと口を開く]
わたしにカマを掛けるにも、彼が犯人なら。
あまりにも悪手なような気がするんです。
[ため息をついて、ノギを見直し]
いえ。会いたい人はいたのですけれど、
残念ながら、今日は無理そうです。
[嫌がらせだけで終わってしまいました。
そう言ってから、ノギの説に頭をふって]
どうでしょうね。
それなら、もう事件は止まってるんじゃないでしょうか。
ああ、それ。
偶に、必要になるから。
[マニキュアが必要になる状況の説明は特にせず、
当たり前、の顔で、さらりと言う。
が、プレーチェが言った言葉には、目を丸くした。]
お花を供えに……?
君のおばあさまがそう言ったのかい?
なにか、お供えされるようなことでもしたかな。
[おどけたような笑みは、ほんの少しぎこちなく。]
どっち側の概念は、警察にはありませんから。
[ノギ巡査部長、会社員の顔をじいと見たまま
千切った紙垂(しで)を口許へ持って行き――]
方針転換させたいなら、
ちょっとばかり「村民のご意見」ってやつが
必要かもしれませんねえ。
[ふう、と彼の足元へと吹き飛ばした。]
[それですよ。と
紙垂を指し、ノギの眼を見つめる]
こちら側の人間は気にしないもの。
あちら側の意味を知っていてなお、
それを気にする精神性を持つものだけが嫌がるもの。
嫌がらせは、それですよ。ノギさん。
[くすりと、笑う]
そうかー
[マニキュアを塗ったときの様に、指先にふうと息を吹きかけて]
うん、かんしきした写真、ばあちゃんが見たらね、そうしてあげなさいって言ってた。
ここの黒いところに供えてあげなさいって。
[黒っぽい夢見堂の写真を見せつつ、届かなかったからここにしたの、と示す花冠]
へんね、お花供えるのはお墓にするのにね?
[相手の笑みに、ゆるりと首を傾ぐ]
あ。
[と、その前に――もう一度、空き地の様子を見てみる。
駐在所の視覚に入らないよう、注意深く。
最近まではなかったはずの木々に気づく]
あれも……何か関係が?
[疑問を増やしたまま、ようやくモミジは店へと戻った]
[ノギの瞳を値踏みするように、深く覗き]
この世界を見る視点が違う事。
それこそが唯一の糸口だと、僕は思っています。
僕は、今日、それを確かめようと思った。
この悪戯を、更に一歩超えて。
残念ながら、今日は幕となりそうです。
不動産屋も、これで中々忙しい。
[名残惜しそうに、そんな事を]
ふふっ、気になるひととの伝を欲しがるのは、
おとなでもこどもでも普通ではなくて?
[目が泳ぐさまを見取っては、口許をゆるめる。]
そうですね。ちょっと分が悪すぎるというか。
それにモミジに気をつけてって言うのも…。
んー…変ですよねぇ。
かんしき…?
[プレーチェが差し出した写真を見た瞬間、
軽い目眩を覚える。]
―――不思議な、写真だね。
現像に、失敗した?
[まさかそんな、と胸の裡でなにかを否定しつつ]
……ああ、じゃあ、
君がそう言うなら、あそこにお供えしておこうか。
お墓じゃないけど、大切なものがある、から。
[店の奥から踏み台を取ってきて、
花冠を手に、棚の上へ手を伸ばす。
その手が、人形の前の袋に触れた。]
……まー、そーですけど。
あのひと、そゆとこ不器用だよなぁ……。
[軽く、肩を竦めて言って]
うん、犯人だとすると、かなりの矛盾点。
やっぱり、グリタさんは違う……と、なると。
……犯人の当たりがつかんなぁ。
現実的なモノなのか、非現実的なモノなのか。
そこらでも、色々と変わりそうだし、ね、コレ。
[棚の上から押し出された袋は、
ゆっくりと棚から落ちていき―――
床の上で弾んだ袋の口から、
白い、白い歯が、ぱらりと床に散る。]
僕は、あなたが過労で、
おかしくなってる方に賭けますよ。
もう大人だし、聞こえたら怖いので離れてから言う。
[珍しく少し機嫌を損ねた様子で、
ねるねるねるねを練りながら、歩き出す]
……子供に押し付けるんじゃねえよ。
わかんない、他のはきれいにとれてたよ。お弁当屋さんも。
[自分でも首を傾げて]
たまにそういう写真あるんだって。見えないものが写るんだって。そう言ってた。
[相手の心の内など気づきもせずに。
骨董屋が花冠を供えてくれると言えば、目を丸くして]
本当? ありがとう!
[そこに飾る意味など知らない少女が喜んだ]
[ゼンジの手で移される白い花。
棚の端から見えていた袋が]
――あ。
[ゆっくりと。
ゆっくりと滑り落ちて。
小さな乾いた音が響く]
ほんと、不器用ですよね。
[向けられた疑惑を思い。
モミジに差し出された心情を想い。苦笑い。]
違うような気がするんです。
彼も。そしてあなたも――
[むかしばなしをあまり知らない。
作家先生を見て、やわらかく微笑む]
これ――
[かつんと長靴にあたった小さなものを屈んで拾い上げる]
これ、骨の人。
[言葉は疑問形でなく、こぼれ出た**]
すみません、今戻りました。
[随分時間がかかったじゃないかと
軽く窘めるような主人の声と、
いいじゃない。忙しい時は
ちゃんと働いてくれるんだからという奥さんの声]
この前の厨房は戦場でしたよね。
駐在所じゃカツ丼が流行ってるみたいですけど
編集部じゃクロスチョップハンバーグ弁当が
流行りなんですかね。
[そんな他愛もない話をして時間は過ぎてゆく]
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