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[目の前を通り過ぎていく死の予感と、諦めと―――
少しずつ心に積み重なっていくそれらから目をそらし、野木ば日常゙を生きる。
世界の変化に気づかぬまま。
自身の変化に気づかぬまま。
ただ、此処に――――在り続ける]
[幼い少女が命を終える頃、中庭の片隅、冬では誰も目を向けない場所で、ひまわりが咲いた。
海は喜びの声をかもめに託し、
風は密度の増した空気を楽しそうにかきわける。
世界の変化は、死のない世界は―――――]
/*
(どやぁ…
盲目と喋れない子はやった事あるんで、あと耳聞こえないの居たらコンプなのでやってみた。
最初患者のつもりだったけど、別に部外者でも出来るなーじゃあ参観のがいいかなー。
くらいの感じで。
??:ラウンジ→
[胸の奥にずきりと痛みが走る。
苦しい、そう感じて顎先を持ち上げ、大きく唇を開いて呼吸した。]
―――…ッ 、……。
あれ……?
[ふと我に戻り周囲へと視線を馳せる。
そこは見慣れたラウンジで、如何やらテーブルへ伏して眠っていたらしい。]
なんだ、夢か……。
[なんだか、酷くリアルな夢を見ていた気がした。辛くて、苦しくて…、とても怖い夢、だった、ような。
身を起こし乱れた髪を正していると、ラウンジ付近で立ち話する医師の声が聞こえて来た。先輩医師でもある、父の声だ。]
……まずい、…また説教される。
[父に見つからぬよう、反対側の廊下を使って一階へ向かう。院の外は春の陽気で温かく、心地良い潮風に頬を撫でられる。
微かに双眸を細めた。]
??:中庭
[中庭へ出ると、桜の樹が薄桃色の花弁を優しく散らしていた。その奥で、何故か向日葵が咲いている。]
これだけ温かいと、咲く時期を間違えてしまうものなのかもな。
[向日葵に近づき、そっと黄色い花弁を愛でた。見上げた先、桃色の桜。
なんだかとても得をしたような気分のまま、暫しそうして桜の樹に身を委ね、のんびりとした時間を味わう。
世界に今、『死』は存在しなかった**]
/*
皆様お疲れ様でした
少々体調不良から突然死してしまいまして、ごめんなさい。
今は病院のベッドから携帯弄ってます
。・゜・(ノД`)・゜・。
エピも参加不十分で済みません(>_<)*/
[やわらかな日差しの下、中庭では小児科の子供たちが遊んでいる。
はしゃぐ声を耳に、その様子を穏やかな表情で眺めていた。]
『慎一』
[出入り口から、父がやってきた。
背筋を正し、緩んでいた頬を引き締める。]
お疲れ様です、父さん。
休憩、ですか?
[父は数歩手前で歩みを止めた。
その表情は、桜の樹の影が邪魔して、よく見えなかった。]
『お前は本当に、……愚かな息子だな』
[ピキン、と硝子に皹入るような音と共に、風が停止する。]
[何故、父がそんな事を言うのか解らなかった。困惑の面持ちで色の窺えぬ父の顔を、じっと見据える]
『死が、それほどまでに怖かったのか』
『慎一』
『死の無い場所には、―――…』
[温かだった空気が一変し、肌を裂くような冷たい風と共に、視界いっぱいに暗い光景が拡がる。
とある病室では、治ることの無い病魔に侵され、痛みと永遠に戦っている患者の姿。
社会復帰出来ず、自我を手放してしまった患者の姿。
皆、終わることのない絶望を手に、苦痛ばかりの日々を送っている人々だった。
あそこに見えるのは『老人隔離所』、老いて動けず資産もなく、国によって僅かばかりの食料を受け取り、狭い空間に押し込められている人間達の―― いわば、墓場にも同じ施設。
地獄の淵を漂う魍魎のような悲痛な叫びが聞こえ、堪え切れずに耳を塞いだ。]
死ななければ、……いいや、死なないだけじゃ、……駄目、なのか…?
[嗚咽交じりの己の言葉に、父のかたちをした人物は、静かに頷く。]
『死』を克服したければ、一度だけ戻るチャンスはある。
巻き戻すか? 出来ないのならば、あれがお前の最期の姿、だ。
『死のない場所に、生は無い。』
[示された先には、隔離所があった。
肩を震わせながら『巻き戻す』、その言葉で連想した腕時計を、ポケットから取り出した。
皹が入り、絵の具で修復された腕時計。
この螺子を巻き戻せば、『死のある世界へ』戻る。
―――…怖かった。
再び多くの死に囲まれる事も、いくつもの別れも、その全てが]
[若い医師は緩く首を振って、時計を握り締めた。]
ここで、……いいんです。
『死のない世界』を望んだのは、僕なのですから。
[停止した刻は再び動き始める。
けれど、この歪んだ世界は偽りの世界だった。
若い医師の姿も、白い病院の建物も、海も、偽りの全ては無へと消えていった。**]
/*
(*ノノ)
完全に雰囲気だけで乗り切りましたね。
そういうコンセプトなんで仕方ないんですが、あんまお話が出来なかったのが心残りでもあり。
実はまともな会話はしてませんしね。
[青いマフラー、紺色のハイソックスに茶色のローファー。高校生にとって、制服は"普通"で"日常"の象徴みたいなもの。そのはずなのに]
落ち着かない、なあ
[おばあちゃんもいない。
顔見知りの患者や看護師はちらほらと訪れたのに、最近顔を見ないと思っていた医師も来たのに、会いたい人には、会えない]
[朝も、昼も、真夜中も。
眠ることなく病院内を彷徨い続けた。
真夜中の病院は、静かかと思いきや、息をひそめた人が沢山で、ざわついた空気が実体をなくしたはずの少女に迫ってくるのだ。
それらから逃げるように、ラウンジや屋上や中庭や…星が見える外へ、ともう動くことのない肺に、胸いっぱい息をすいこむために、飛び出した]
[久々に訪れた眠気に、少女はラウンジにある椅子に、深く沈みこんだ。最後に笑ったその場所で、ゆっくりと瞼を下ろし――――
意識は潮風に吹かれ、溶けていった]
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