[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
オープンおめっとー。
[ペンションの扉の鐘が鳴り、観葉植物の鉢植えを小脇に抱えた男がやって来た]
やぁマチコちゃん今日も綺麗だね。
金屏風の前ですましていたときと変わってないじゃん。
ん、これ開店祝いな。
はっはっは、やだな何言ってるんだい。偵察なわけないじゃないか。こんな僻地のペンション、うちの旅館の敵じゃないよ。
俺はそんな薄情な男に思われてたのか。せっかく旧友の門出を祝しに駆けつけたというのに。
あ、これはジロウにな。
[カウンターに日本酒入りの箱を一つ置いて、ロビーをうろつき始めた。
懐から取り出した手帳に、建物の間取りなどメモしながら]
何だこれ?
ギリシャ神話にでも出てきそうだな。ご利益でもあんのか?
[出窓部分に置かれている人狼像の頭をぽむぽむ]
ジロウ、お前って昔から変わってたけどさ、客商売の場所に人狼像なんて置くのは止めた方がいいんじゃないか。
[像の説明を聞くと、憐憫の情を顔に出した。
それに気付いたのか否か、ジロウは黒板に白墨で何かを書き付けている]
……漢字覚えてないんだな。
しかも呼び捨てかよ。おまけに何だよその似てない似顔絵。そんなの描いてる暇あるなら、“様”付けろよ。
[黒板に書かれた自分の名に文句言いまくり]
“菖蒲の間”
[渡された鍵のプレートを音読]
……どこの宴会場の名前だこれは。
おまえらの趣味、わかんねぇ。
[ぶちぶち言っていたが、車から鞄を一つ取り出してくると、そのまま『菖蒲の間』へと*姿を消した*]
なんだ、ジロウ知ってんのか。つまらん。
[よっぽど暇だったらしい]
駅前の旅館「鶴賀」のゼンジと申します。
若旦那若旦那って呼ばれてるんで思わず、ね。
[からから笑いながら、何だかんだでギョウザ作りはし続けている]
祖父も父も現役バリバリなんで、影薄い若旦那です。
ああ、どこかで見たお顔だと思ったら、歌手の!
[じっとザクロの顔を見つめた]
すみません適当言いました。記憶にございません。
[粉がついた手を叩いて水道水でゆすぐ。
ギョウザが並んだ皿をマチコに渡すと、タスキを解いた]
切り盛りしてるのは大女将ですけどね。
[現れた少女に微笑みながらしゃがんで、目線をあわせた]
おや、初めまして。つるがぜんじです。
一人?
「このクソガキ」という言葉が喉まで出かかったじゃないか。
そっか、パパにあったら教育について話し合いたいな。
はははははー。
[それでも営業スマイルをたもつのは、悲しい接客業の性]
いや、まあ、いい年ですけどね。
無邪気に言われるとグサッと来るのも正直な気持ちなわけですよ。
普段未熟者扱いされてるから余計来た。
ええい、そこ煩い!
「やーいおじさん」っつったの聞こえてんだからな。
俺がおっさんならジロウもおっさんだろが。
[マチコからの野次に反撃]
ザクロさんが何歳なのか存じ上げませんが、ジロウと同級生なんでそれなりの歳です。
そしてマチコちゃんもそれなr がふっ
[何か飛んできた]
[後頭部に当たったものを拾い上げる]
ニンニク……?
俺は吸血鬼かおのれはー!
知るか、友達の奥さん何歳かなんて知るか!
って、焼けてる匂いするじゃんそれ。
[コンロのフライパンを指差した]
マチコちゃん、食事時間守らないとお客様泣くぞ?
[捨てられた子犬のような目で見つめる]
うん、わかった。騒いでごめんな。
残りのギョウザしっかり焼いてくれ。
ザクロさん、あなた一体どういう料理を作ったんですか……。
ああ、行きますよ食堂。
[マチコに渡されたポットを手に食堂へ。
適当な席につくと、三つの湯のみに*茶を淹れる*]
―食堂―
ああ、つまりザクロさんもそれなりの年齢ってことですか。
これは失礼しました。
[茶の香りに、一息をついた]
こんにちは。
[現れた老婦人に笑顔で会釈し、名を名乗って茶を差し出した]
[1] [2] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ