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んあ、ここドコよ?
………あーこれ夢だ、夢だよな。うん。
寝る。もう一回寝てやる。冷てっ!
[春もうららな日差しに惰眠を貪っていた時と異なり、見知らぬ古めかしい建物内は少々肌寒い。
それでも寝汚くなつくと机はつれなく冷え切っていた。]
……………ちっくしょ。
どーせ夢なら蝶々も勘弁しろってんだ。
――で、分化会とやらに参加すればいいんだな?
おっけーおっけ、そーいう事ならドンと来いだ。
[蝶々に連れられ行った先には館の主がティータイム。
空飛ぶポットやカップにひとしきり大騒ぎして渇いた喉を潤す頃には事情も一通り飲み込んだ。]
これで魔男呼ばわりともオサラバか。
いやーそう思えばちっとは可愛く見える気もする。
[人間になるのではなく、魔男――男でも魔女なのか魔法使いと呼ぶべきかの脱線は中略――になるかも、というアンの指摘がすかさず入る。
が、春めいた頭を右耳から左耳へ素通りしていく。]
ほっとしたら腹減った。お、クッキーうめー。
アンさん見かけによらず料理上手なんだな。
…あ、これも魔法のおかげ?
[余計な一言に角砂糖が額で*砕け散った*]
[乙女のピンチに吊橋効果を逃した少年が何をしていたかと言うと]
んっがぐぐ!
[悲鳴に驚いてクッキー以下略で生死さ迷ってた。]
[お茶でなんとか喉元過ぎれば記憶も一緒に何とやら。
やってきた少女に気だるそうな態度で手を振った。]
やほー、いらっしゃい。オレ俺も客だけど。
[再び宙を舞うポットとカップ。
アンの説明に相槌と合いの手と茶々を少々。]
そうそ。
お、クッキーに目をつけるとは流石だねお客さん。
オレなんてついさっき天国行きかけたトコだぜ。
[紫の霧が流れていくのも魔女の館ならさもあらん。
気にせずのほほんとしていたら扉の外からノックの音。]
いらしゃーい。
…と、アダルトなお姉さんも参加者? あ、違う。
[アンとヘイケのやりとりを眠そうな一重で眺め、紹介に紹介を返す。]
オレはムカイ。住んでるのはココから東。
遠すぎるから手紙送った帰りの駄賃に直接招待受けたらしいよ。手紙の意味ないよな。
[置手紙代わりの事情説明的意味はあるのだが。]
いやー、うまいクッキーの為なら角砂糖の一つや二つ。
[ヘイケから返る謝罪にほの赤くなってる額を擦る。]
照れ隠しなんて見かけによらずアンさん可愛いな。
あ、古い付き合いとか客が久しいって結構…いでっ!
[二度ある事は三度ある*口は災いの元*]
リウちゃんはドコから来たの? ほー。
………で、アンさんさっきからなに独り言を
うわっ! いつの間に増えてんだアンタ!?
[ようやくキクコに気付いて指差した。]
居眠りから…ってホントに最初っからかよ。
あーわかったから泣くな泣くな。
せっかくだし茶でも飲め。オレのじゃないが。
[涙目で謝られて女の中に男が一人、孤立無援。
気まずさを誤魔化そうと指差し方向をポットへ移動。]
えーとカップもあるしクッキーも…って、ドコだー!?
[気を抜くと見失いそうで半ば睨むように見てる。]
お、ちょっと見やすくなった?
そんな目って、じゃあ片目にするから泣くなよ。
[不器用なウインク状態で、ティータイムに落ち着くのを待ってみた。]
で、アンタ誰?
オレらのは聞いてたんならいらないよな。
アンさん、オレもアールグレーおかわり。
今度はミルクたっぷりがいいなー。
[角砂糖は言わなくてもなので額の前で受け止めた。]
そ、ヘイケさんが言ってたんだ。
香り濃いからミルク多目の方がオレは好きそう。
[一杯目は味見後、ほぼ流し込みに消えていた。
キクコの自己紹介が終わる頃には瞼が痙攣し始め]
………ギブアップ。ごめん両目に戻す。
キクコちゃんね、わかった。オレもムカイでいいからな。
[白旗揚げて片目を擦り、リウ達にも向けて言った。]
たぶんでも消えないならいっか。
けど、それならオレも消えた事になるのかも。仲間?
[傾げた頭に蝶々が止まるが、自分は見えない。
キクコの声に室内を見回してもいないので後ろにある窓を見た。]
まー春だな。紅茶飲んでるのに眠くてかなわねーし。
ふわあ…。
[*大欠伸*]
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