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― どこかの道ばた ―
あれいいなあ。
[思い出すのはいつものじゃない駐在さんが持っていた割り箸ピストル。
隣の白髪の警部さんは怒らなかったからきっといい人]
作ってくれるかなあ。
[いつものじゃない駐在さんが散々怒られたところは知るよしもない**]
おーばーちゃん、出来た?
[蓄音機の隣で声を上げる。
くしゃくしゃの伝票を机の上に乗せた]
うん、ばあちゃん首長くして待ってるって。ありがとう。うん?
[奥から出てきたおばちゃんが渡してくれたのは、写真だけではなくて]
招待状? お菓子? くれるの?
わあい、ありがとうー
[両手でそれらを受け取って]
ぜったい行きますって伝えてください。
[お金を払うと手を振って走っていった]
ふむふむ。
[手には。
羊のぬいぐるみ。砂糖菓子。招待状。写真。
写真を一枚一枚めくりながら歩く。
だから、長靴を履いていても、ブルーシートの張られた空き地を素通り]
[駐在所の前、写真を見ながら歩いたら危ないよと声をかけてきたのは、昨日の白髪の警部さん]
うん、ばあちゃんの写真ね、ほらばあちゃん若いときの映ってるの。これ変な写真。
[ぺらぺらめくって見せる写真、空き地、自宅、公園、骨董屋、駐在所、いろいろな景色]
あ!
[変、と示された写真を見せられながら、そう言えば昨日言っていた……と切り出そうとした警部だったが]
昨日の鉄砲、教えてー 作って?
[つい、割り箸鉄砲のことかい? と答えてしまった。
少女はいたくよろこんで、材料集めてくるねと走って行く*]
[空き地の前で写真を落として立ち止まる]
もう、逃げるな。
[てし、と押さえるとふと目にはいる、見慣れない木と会社員の姿]
植木屋さん?
[首を傾げた]
――やあ相棒。
こればあちゃんのお遣いなのよ。
余ったところはとっていいよって言ったから、かんしきした。
[数瞬も迷わずに、新たな呼び名に上書きする。拾った写真をヨシアキに示した。汚す前から妙に黒っぽい写真]
南天知ってる。ばあちゃんが「やくよける」って植えてた。みんな枯れちゃったけど。
あれも、そう?
[反対側に首を傾げた]
うんいいよー 失敗写真、かんしき難しかった。こっち綺麗にとれたのよ、駐在所。
[先に渡すのは古びた品物が所狭しと並ぶ薄暗い写真。上の隅の方がやけに暗いそれ。
次の写真は明るい駐在所、いつものじゃない駐在さんの頭もきれいに映っている]
土地を売るのは厄がつくの?
[博識に、えへんと胸をはったはよいけれど。揺れる南天を見てぱちりと瞬きして]
うらきもん? 厄よけ……
売れないと困るもんね。骨の人、売れないようにするためなのかなあ。
[ブルーシートのあたり、ちらりと眺めた]
これ骨董屋さんち。
[じーっと写真を見るヨシアキをじーっと見て、あっけらかんと]
手? はい。
[持っていたぬいぐるみやらお菓子やらをわたわた片方の手に集めて、右の掌を突きだした]
一生もの……空き地、高い?
あ、でも買うなら真っ白がいいものね、モコもまっしろのがいいものね。
[真面目な顔で、うんうん頷きながらいる、手を出したまま]
そうかあ。その線は薄いかあ。
やっぱり骨を置くこと自体に意味があるのね。
[又聞きドラマの台詞のような、若干の棒読み具合、むう、と少し唸って]
[手に乗った、小さな巾着>>119
見ている間に、手の形はグーになる]
……。
[手を見て。
ヨシアキを見て]
ヨシアキのは?
相棒のお給料でも無理かあ……
[空き地を一度、ぐるりと眺めて]
骨を見つけてもらうこと? 毎日こっそり置きに来て、見つけてもらって? めんどーくさい。
[想像する打ちに、しかめ面になって、結局唇をとがらせたが]
[髪を撫でる手>>131に、わわ、と右手はぐーのまま手をやって]
……わかった。がんばる。
[笑う相手に、真剣な顔をして、頷いた]
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