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蔵に宝物庫……。
単に興味の問題なのかね。
同行中も、何か探るような視線に見えたし。
明日にでも、ネギのおっちゃんにそれとなく伝えてみるか。
[薄くざくろの実が香る中、引っ掛かりを心の奥に留めた]
あれ目当て……ってこともねえだろうが。
[頭に浮かんだのは、一振りの木刀]
明日、晴れるといいなあ。
[人気の少なくなった神社、一人空を*見上げた*]
―祭当日―
[藍色の浴衣に赤い金魚帯。
まだ明るい時間帯の村を、自宅から神社に向かってひとりで歩く。
両親はネギヤへの差し入れを準備してから出るらしいが、それを待ちきれなかったのだ]
〜♪
[ハミングしながら川沿いを歩く。
神社につくと、すぐに本部テントに向かって]
おじちゃん!
[明るい声でネギヤに手を振った]
[まだ早過ぎるのか、屋台はそれほど開いておらず]
ちょっと散歩してくるね。
ふかふか猫さん探してくるの。
[姪っ子の言葉にネギヤは頷く。
『本殿や宝物庫でおいたしちゃいけないよ。神隠しにあうからね』
そう言ってネギヤは姪っ子の頭を撫でた]
かみかくし?
[後で話してあげようね、と言う叔父に頷いて、プレーチェは境内を猫探しの旅に出かけた**]
─宝物庫─
君はボスか?
[ふとやってきた猫の頭を撫でようとしたが、
『フーッ!』
威嚇された]
本当にボスかね。
[苦笑いをして、あたりを見回し、ため息一つ]
整頓しなさすぎだ。
[遠くに祭り囃子が*聞こえる*]
[宝物庫の傍まで来て、気配を感じて足を止める]
……猫さん?
[じっと気配を窺い]
誰かいるの?
[声を張って呼びかけた]
―祭り前日・ネギヤ邸―
[ショッピングバッグから鉢巻の束を取り出した後]
ネギヤさん、お客様のお相手を?
では御挨拶は遠慮しておきますねえ。
[来客の件を家人に聞いてそう言った時、向こうの襖が開いて、プレーチェが出ていくのがみえた。]
あら、あの子、さっきの……?
[プレーチェの素性を教えてもらい、]
まあっ、ネギヤさんの姪っこさんなんですかあ。
[似ていないわ、との感想は胸の内に留めた。]
―祭り当日―
おつかれさまですー。
はい、ええと、ネギヤさんはコーヒー牛乳、萩原の奥さんは烏龍茶でと…
[汗だくになりながら、
神社の本部テントに飲み物を運んだり*]
猫さん、おいで。
宝物庫でおいたすると、かみかくしにあうんだよ。
[ドンドンと祭囃子。
ジリ、と一歩、中へと近寄る]
神隠しは怖い。
[プレーチェに静かな声が届く]
こんばんは。
[ふいに現れた。
とともに漂うザクロの香り。
猫の鋭い鳴き声がした]
[ざわめきと祭囃子の音が神社を賑わす。
普段は我が物顔をしている鳥も今日は木の上にでも避難しているのだろう。
浴衣を着たりハッピを羽織ったりする人々の多い中、今日も変わらず、バクは厚手のパーカーを身に纏っていた。
まだ太陽が活動中の今は、準備中の札が多い。
人ごみからは離れた木陰で、行き交う人々を眺める]
―祭り前日・ネギヤ邸 客間―
ほうほう。なるほど。昔は、欠夜来と書いたんですか。へぇー。
で、その、お祭りの謂れとかは……。
[話を聞きながらペンを走らせていると、カラリと襖が開く。そこには、可愛い給仕の姿が]
あ、どうも。こんにちは。お茶菓子ですか?ありがとう。
[ペコリとお辞儀をして出て行くプレーチェの姿に]
可愛らしい子ですねぇ。
……えぇえ!?姪御さん!?に、似てない!
あ、いや、その。ふがふが。
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