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─…分が悪い、かな?
[身を潜めてこちらを伺う気配と、遠くに居るたくさんのざわめき。
少女が叫び声をひとつ上げれば、たちまち囲まれてしまうだろう]
はぁ。
[ため息をひとつ付くと、ポケットから携帯を取り出し、右手だけでメールを打ち始める。左手は鈴が握られたまま]
[出店を楽しんでいる様子の見知らぬ顔を眺めた後、そのまま本部の置かれたテントへと足を向けた]
いよう。
何か手伝うことないかい?
碁の相手か不審者の見回り程度なら役に立つぜ。
― 祭り当日・→神社 ―
[鞄を手に診療所を出、神社の方へと向かう。体調不良者や怪我人は毎年出るので、臨時医務室のようなものを請け負っているのだった。昨日の続きでネギヤに会う予定もあった]
ふう。
今年も賑やかそうだ。
[神社への途中の道にも人が多いのに、独りごち]
あとは、……じゃがバタだよ。そうそう。あれは買わないと。
[キョロキョロと出店を探していると、「本部」と書かれたテントが目に入って]
あぁ、そういえば……。仕事だったんだよなぁ。
[と、すっかり目的を見失っていたことに気付き。お面をつけ、ヨーヨーやら焼きそばやらを手にした我が身を省みる]
……とりあえず、焼きそば、食おう。
[腰をおろす場所がないか、境内をウロウロ]
ふぁ、
[手元に飛び込んできた鈴をじっと見つめる。
ネギヤへの伝言として告げられた言葉にはこくりと頷いて]
あ。
[顔を上げた時には、ザクロは既に走り去っていた]
[テントで働くエビコに会えば、頭を下げる]
ネギ……じゃねえや。
自治会長は?
[テントの中を見回しながら問う。
その姿は見つからず、ちぇっと舌を鳴らして、屋台の方へと視線を向けた]
じゃあ 行って来る
[サンダルを突っかけて家をでようとして]
あんたお面わすれてなぁい?
[母親がお勝手から声をかける]
ああ・・・うん
ちゃーんと お面しないと ---からね!
[出て行く背に声が掛けられた]
はい、はい。
[小さな声で・・・]
もう 小さな子供じゃないし
[といいながらも 頭に 面を掛けて]
なんで かならず お面をかぶれっていうんだろう・・・このお祭り
かっこわりぃ
[少し離れた屋台のあたり、人ごみを割るように駆ける少年の姿が目に入った]
あれは、昨日の?
……はしゃぐ気持ちも分かるが。
元気だなあ。
[視線は行く先を追った]
境内の入り口までいくと 町内の役員らしき人達が 家から用意してないものには ペラペラの紙でつくられたひょっとこやおたふくのお面を配ってるのが見える。
手をふって挨拶をしながら ふらりふらり 出店をみてまわる
[立ち止まって、まだバクの後ろ姿が見える時に]
動くもの苦手なんだけどな。
[異国の言葉で独りごちながら、シャッターを何度か切る。
色とりどりの祭り風景、真っ青な空、雑踏を駆け抜ける、あお]
―宝物庫―
[鈴を宝物庫の奥、棚の上にしまう。
外に出て、扉をきっちりと閉めると]
猫さん、見張りお願いね。
[猫はザクロの実をガツガツと食べながら、『ぶにゃーお』と返事した]
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