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……声? あー……。
[声の事は、当然の如く覚えている。
だから、そこは突っ込まずにおいた。
当時、身長ではずっと負けていたのに、そこだけは先んじた事で無意味に勝ち誇ったなあ、なんてちらりと思い出したりしたが]
まあ……そーだよな、うん。
そんな気分で見てるしかないだろ。
……そんじゃ、なんか見落とすのかもしれんけど、さ。
[声は成長と共に声変わり完了へと向かったものの、祐樹にさえ負けたと言うのは結構悔しくて。身長だけは抜かれまいと毎日牛乳を飲んでいたのは余談である]
…見落としは、まぁ、致命的、なのかな。
思い出さないと時計が直らないってんなら。
でもよー、元々無茶振られてこうしてるんだぜ?
無茶振りって出来ないことの方が多いよな。
[話してるうちにまたふつふつと兎に対する怒りが沸いて来て。言葉が徐々に愚痴へと変化していく]
[身長にまつわる貢の努力は知らなかったが。
ともあれ、それは今でもこちらがやや低い、という形で成就している、というのは置いといて]
ま、兎のいう『ワスレモノ』が何か、にもよるとは思うけど。
……だよなー、元々が無茶振りなんだから。
時計がそもなんなのか、とか、そこら説明ねーし。
[ついつい愚痴になるのは、多分已む無し。
言っても届かない、と思うが故に、そうなる、とも言うのだが]
……そーいや、『鍵』と『螺子』だっけ? それが必要、みたいな事も言ってたけど、そこらもなんなんだか。
それに加えて俺らには『仕事』だろ?
やること多すぎだっつーの。
[溜息をつきつつ言葉を紡いで。続いた話を聞いて、少しだけ考える間が開いた]
……そいや、そんなもんもあったっけ。
『鍵』と『螺子』って、俺らが普段見る鍵と螺子なんかな。
この街のどっかに落ちてるってことなのか?
マジ説明足りねー。
……そうなんだよなぁ……今度は、どこに飛んでくやら。
[『仕事』という言葉にこちらもため息ひとつ、落として]
ああ、なんか、それがでてこないとー、とか、言ってなかったっけ?
ま、時計に力が戻れば出てくんのかも知れんけど。
ほんっと、あいつ説明足りねぇよなぁ……。
[菊子の名前は祐樹から聞いていたから、直接会って名を聞いた時の苗字に対する反応は薄く。何かしら事情があるらしいとも聞いていたから、苗字よりも名前で呼んだ方が良さそうと言う判断にもなった。尤も、苗字が長いから名前にした、と言うのは間違いではないのだが]
[そんなことは口にも出さず思うだけで。そうしながら溜息に溜息が返ったのを聞いた]
そういやそろそろ力使えそうかな?
…つーかさ、俺らがやらなくても1人狭間に落ちたってよ。
兎の方でも何かやってんのかな。
[これもまた聞いていない話だと。今聞いたことを祐樹にも伝える]
でもそれも探せとは言われてねーよな?
だったら『鍵』と『螺子』は置いといて、ワスレモノ探しに専念した方が良さそうだ
あー……うん。
[返事に間が開いたのは、時間屋とのやり取りに戸惑うが故だが、それは伝わる由もなく]
いけそうな感じ、かな。
……っつか、なんだよそれ……兎の方でもなんかやってんなら、俺らがなんかする必要ってあるんかい。
[伝えられた話に、零れ落ちるのは突っ込み一つ]
ああ、そこまでは言われてないはず。
……そっちは、後から考える、でいいんじゃねーかな。
[忘れてるだけかも、とは思ったが。
藪をつついて、手間は増やしたくない、というのがちらりとあった]
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