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─ 夏祭り会場 ─
[じいいい、と。
祭り独特の空気と賑わう様子を暫く眺めていたが。]
─────みんな、楽しそう。
[ぽつり小さな声の呟きと共に、仄かに微笑んだ後。
横切った女性の鮮やかな格好が目に入り、自分の服装と見比べた後。]
…浴衣、いいな。
きがえてくれば、よかった。
[眉を下げ、残念そうな声を零した。**]
今年もよろしくお願いいたします。
[両隣の屋台の主に挨拶を済ませた後、[懐中時計]占いと書かれた屋根の下に潜り込む]
今日の占いが当たる確率は<70>%…ふむ。
おや、そこの若い方、悩んでいますね。
[通りがかった人影に声をかけ、唇の端を持ち上げた**]
[ヒナと暫く話をしていた>>8]
へっへー。ちょっとだけ大きくなったよ。身長も伸びたけど、それ以外もちょっとだけ大きくなったよー。
[スタイルのいいヒナの胸をちらりとみる]
ンガムラさん?あの人、変なカキ氷持ってたよー。
宿題…まあぼちぼちって所。あたしだっておばかなのに、アンちゃんもムカイくんも宿題写させてっていうから、やっとかないとさぁ。あー、わかんないとこあるから、後でリウちゃんに教えてもらお。
へえ。50年前の踊りかー。今とは随分違うんだろうなあ。それじゃヒナねーさん、またねー。
[手を振り返してヒナと別れ、暫く一人で祭りを見ながら歩く。
懐中時計占い?なにこれ、どうやって占うんだろう。
[>>11の看板を笑いながら歩き去る。カランコロンという下駄の音も聞こえる中、真新しい靴ですたすたと**]
― 懐中時計占い屋前 ―
運命の女性ってどこに居ますか?
[薄いヴェールを被った女性に、右手を差し出す]
たまの里帰りなのに、母親の第一声が「お見合い」ですよ。
気が休まるどころか疲れます。
[大げさに肩をすくめて見せる。
頭上では、蝉がじわじわと鳴いていた*]
んんー、あっれ、ヒナねーちゃんじゃん。
……帰ってきてたんだ。
[みとめた人影に対し、前よりちょっと綺麗になった? などと内心に浮かび、照れ臭そうな表情になれども、
そんな思い、素直に口に出せない年頃か。]
[蝉の声響く中、空になったかき氷の器をゴミ箱へ落とせば、先ほどより幾分か、風が涼しくなってきたようにも感じられた。**]
うあああつううううい!
[うだるような暑さに悲鳴をあげながらも
人の流れに沿って歩く]
……でも、この時期には帰ってこないと
忘れそうだからね。
[そうして歩いているうちにかき氷屋を見留めて]
あ、ちょうどいいところに!
かき氷ちょうだいかき氷。
みぞれ練乳にバニラアイスも乗せてちょうだい。
[かき氷の一番の特徴である
さっぱり感など無視した*注文をした*]
え…?
…あ、アンちゃんも、きてたんだ。
うん、図書委員の当番、だったから…学校から、そのまま、きたの。
…うん。浴衣、いいよね。
おうち帰って、着替えてくればよかったな、って、思ってた、とこ。
……あれ?そう、いえば。
アンちゃん、宿題、もう、終わったの?
…え…ダメ、だよ。ちゃんと、自分で、やらなきゃ。
───うん。私でわかるところは、おしえてあげられると、思うから。
一緒に、がんばろ?
─うん、それじゃ。また、あとでね。
[声をかけてきた級友と次の約束をしたあと、手を振って別れた。**]
― 懐中時計占い屋 ―
いらっしゃい。
あら、ここは手相占いではないのよ?
[差し出された右手をテーブルに並べられた懐中時計に導いて]
あなたはどの懐中時計がお好みかしら。
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