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[>>156 戻ってきたクレストのジェスチャーを見るも、今は絨毯を解くというパズルに、ニルスは気を取られていた。
パートナーが変わるも変わらぬも気にしないまま、>>155時折マティアスにも指示を飛ばして絨毯を引っ張ったりマティアスを跨いだりなどする。
そうして、暫く後に絨毯が解けてマティアスの姿が露わになれば、口許に笑みを浮かべた。
難しいパズルが解けた故の喜びだ。]
……よし、これで良いだろう。
マティアス、立ってご覧。
[そう声を掛けながら、ニルスは同時にマティアスの腕を掴もうと手を伸ばした。
上手く立てなかったり、体勢が崩れそうであれば支えてやるつもりで。]
[マティアスの荷物の匂いは、気にならない。それはニルスにとって、馴染みのある匂いだからだ。
匂いがつくといけないから、職場で開けることはなかったが、時折マティアスが持ってきてくれる瓶詰はニルスの食生活を潤してくれるものだった。
マティアスを助け起こし、腹の音が鳴るのを聞いてから、ようやく玄関にまで漂う良い匂いに気付いた。
そういえば、マティアスは朝から何も食べていないはずだ。]
誰かが、食事でも用意してくれたんだろう。
居間に戻るかい?
[問い掛けは、その場にいる全員に。
>>164 クレストがアイノを見つめる様子に、ニルスはああ、と小さく相槌のようなものを漏らす。]
アイノ、彼はクレストだ。
彼は、声を出せない。
[声が出ないクレストの代わりに、至極簡単な紹介をする。]
[>>173 クレストがマティアスの手を取るのを見遣り、ニルスの口許は嬉しげに緩んだ。
仲の良い兄弟を見る兄のような心持ちでいたところに、>>175 聞こえたマティアスの声には、苦笑を受かべて。]
食べ物は、食べる為に用意されているんだよ。
[やや遠回しに、当然食べて良いのだと告げる。
先に行くクレストとマティアスの後を追おうとして、>>181 アイノの囁きを耳に留めた。]
……最初は慣れないだろう?
悪いひとたちではないのだし、馴染んでしまえば何ということもないんだがね……まあ、焦ることはない。
とりあえずまずは、腹ごしらえといこう。
[ある程度の距離を保ったままアイノに告げて、今度こそニルス自身も居間へと向かう。]
[クレストとマティアス、次いでニルスとアイノが居間へと戻る。
>>187 アイノの微かな呟きは耳に入ったのか否か、今度はニルスも何も言わない。
ウルスラに勧められるまま、テーブルの傍の椅子を拝借して腰掛ける。
程無く誰の手によってか、食事が目の前に運ばれて、食欲をそそる匂いに目を細めた。
見た目に反し、ニルスはよく食べる。
ユノラフには敵わないものの、出されたものをそれなりのペースで平らげながら、ちらりとマティアスの方を見遣る。
果たしてこの場にあって、彼の手を縛っておく必要があるのか。
ニルスにとって、それは何の意味もない拘束だ。
しかし、皆にとってそうであるとは限らないのが難儀なところだ。]
なあ、ユノラフ。
私は、マティアスの拘束を解いても良いと思うんだが……君は、どう思う?
[ニルスは、一番近くにいたユノラフに声を掛けた。**]
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