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― 集会場の外 ―
[外は天気が良くて、太陽を見れずに目を細める。儀式も近いのもあり2年前の事も自然と思い出される。]
……いい天気だね、清治くん。
えへへ、ごめんねー。
連れ出しちゃって。
― 集会場の外 ―
[裏口の辺りの近くには日影があり、こっちこっちと清治を手招く。先に辿り着けば小さな背のまま伸びをひとつした。]
んっ! 〜〜…ぷは。
もう一回、確認したくって。
清治くん。手…貸して?
[手を差し出されれば、その手、爪も眺め その大きさを確かめるように見た。
彼の手へ視線を落としたまま顔を上げずのまま]
………、双葉がね
清治先生は優しくて大好きだって言ってたよ。
昨日も「さくら」を練習してて
家にいても 縦笛をよく持ってるの。
……、清治くん。
アンちゃんの手の爪に誰かの皮膚がついてたんだ。
きっと必死で抵抗したんじゃないかな。
…清治くん。
[上からの視線を感じ、手は握ったまま見上げる。]
告発してるなら、さっきとっくにしてるよ。
[清治の目を、まっすぐに見上げて言葉を返す。
ぼさぼさの髪が顔の横で風に揺れる。]
アンちゃんの手、まだ村長さんの家にあるよ。
そこは残しておいてって 言ってあるから…
[ぎゅうと清治の手を握る手に力が籠る。]
犯人じゃないって言うなら
一緒に来て…、確かめさせて。
じゃあ、どういたしまして かな?
[目を逸らす清治を見上げればほにゃりといつもの笑みを向けて、握る手の上にうっすらと見える赤を視界に入れつつ]
ねぇ、清治くん。
私が死ぬ時がきたら
…ダンちゃん悲しんでくれるかな。
…それとも、喜ぶのかな。
[日影をなるべく通るようにしながら村長の家へと歩みを進める。地面に並ぶ影は短い。]
私はどんな形であれ、人が死ぬ事は
悲しくて ここが締め付けられるんだ。
…、ん。
家族が…いなくなる時は、ひと際だよね。
私も、母さんいないから…
[じゃり、と熱い地面に転がる小石を踏み、熱を持つ地面の上を足を運びながら]
ダンちゃんは知らないんだ。
ううん、私しか知らないんだ。
双葉のパパが、ダンちゃんだって…
…… 変だね、清治くんにこんな話してもどうしようもないのに。
[白い白衣は太陽の光を反射して背の清治を照らすよう]
ただ、ずっと 誰かに 知ってほしかったんだとは思うんだ。
…あ
[やがて村長の家が見えれば足早になりつつも顔だけ斜め後ろ上へと向けて]
でもさ、清治くん。
清治くんのお母さんの生まれ変わりが
この村にいるって考えてみたら嬉しい事だよー。
そうは …思えない?
[前髪で隠れた顔を小さな背ならば覗けるかなと視線を向けた。**]
うん。
二年前の儀式の時に…
[あれから2年。双葉もすっかり大きく成長したのだと思い起こす。
背を向けたままだと清治の笑むのは気配と口調でしか解らないままだが]
村の外だと、ちゃんとお父さんが解る人が多いのかな。
…一緒に暮らすなんて、考えたこともなかったよ。
[長い白衣の裾がぱさぱさと揺れる。
容疑者として集められた6人に村の周囲の人の目は痛く感じられた。]
―――― うん。すごく、良かったよ。
また出来れば嬉しいくらい。
[問いの返事は背が語るを見ても嬉しそうで
自然と下腹部近くに手をあてる。]
きっと、ダンちゃんの子は村にまだいるんだろうけどその内の1人が私から生まれたなんて、 …幸せだよ。
……せーじ くん?
[彼が立ち止まれば距離が開いて
顔だけではなく身体も彼へ向ける。]
清治くんは、この村が 嫌…
――――― え?
[殺された。
その言葉に、驚きが全身を襲い足を止めた。]
はわわっ。
あ、ああっ!せーじくんっ!!
[足を動かすきっかけは彼の眦に見えたもののおかげて、遠くへ行かないよう手を伸ばしながら掛ける。]
せーじくんっ!!!
ま、まままっ、待って。
…まtt
[
じゃりっ。]
[土を掴む音がした。
周囲の村人はまるで態度を変えて助ける手すら伸ばしてはくれなかった。]
っ…
確かめなきゃ。
清治くんのお母さんのこと。
[突っ伏したまま小さく小さく呟いた。**」]
[擦りむいた膝の治療のふりをして診療所へ戻る。母から受け継いだカルテを開いて清治の母の名を探す。]
…ない。
母さんが死体を確認したわけじゃないんだ。
でも殺されたって ――― 本当に?
ンガムラさんなら知ってるかな…?
[白衣についた土を払いながら村の中を歩くも空気が重い気がした。
きゅ、と唇を引き締めて堪える面持ち。
照りつける太陽の熱さに自然と木陰を探せば]
…ンガムラさん、…
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