情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
303号室
...何か、だるい。
[先程迄は気丈に振舞っていたのだが、何となく体調が良くない気がして。
...は取り敢えず自分の部屋に帰って来た。
そうこうしているうちに段々眩暈がして来て。]
うっ...ちょっと待てよ...
[自分の中の何かに引きずりこまれるように意識を失った。
最後に、何とかナースコールを押して。
その体勢のまま。]
[結城、と言う名前の先生のようだ。見た感じそこそこ若そうだ。
身体の調子を聞かれて、手で軽く×印を作った。]
うー
[とりあえず、結城のされるがままにしている事にした。]
[喉を確認し、聴診器を取り出し手早く心音を確認。
『良くない』らしき事を仕草で知る。矢張り、余り芳しくは無いようだ。
最後に脈拍を測ってから、傍らの椅子を引き寄せ腰を下ろす]
何処か痛かったりするかな…?
それとも、……そうだな、何か悩み、とか。
[後者の質問は病気の進行、恐らくそれが目下の不安であろうと予測の上であったけれど。話す事で気が紛れるかもしれない、と。
ふと、視界の端に珍しいものを見つけ、其方に気を惹かれる。
寄せ書きのされたバレーボール、飾られているのならそれを、暫し見つめて]
[今日は手術の前準備がありますからね、と看護師が生真面目な表情で説明をする。初めてではないから、半ば聞き流して、病室を出て行く看護師を見送った]
麻酔の先生と、あと…
…痛いなあ
[今朝の点滴は、巧くいかず鈍い痛みが腕全体に広がっている。それでも空き時間に、今日やっておかなければならないことは沢山ある。少女は病室を出て、エレベーターに向かった]
翌日昼・303号室
...っ。
[目が覚める。
...周りをみると変わっておらず、何だ大丈夫か、なんて最初は思っていたけれど。
壁に掛けてあったカレンダーの日付が変わっていることに気がついて、驚きを隠せない。
状態は確実に悪くなっていっている。
第一、この症状が顕現し始めてからここまで生きていることが奇跡と言っても過言ではないらしい。
それを知っているからこそ。
そしてついに自分もそれに直面しようとしているからこそ。
...怖いと感じた。
口角を吊り上げようとしてみるも、全くできそうにない。]
[エレベーターの扉が開く。
一歩踏み出して、右へ曲がって。顔を上げると、廊下の奥に窓がある。そこからは遠く空が見えて、夕方になると日が差し込んできて、夕方暇になると1階ずつ降りていって夕日を追いかけたりしたものだった。
そんなことに夢中だった、もう10年くらい前のこと、だけれど]
…あれ?
[窓の前にバリケード、というとおおげさだろうか。近寄れないように柵が設けられていた]
[診察も終わって、椅子に座る結城を見つめる。
痛みは、悩みは、と聞かれて首を振って。]
どこも痛くもないし、別に悩んでもないんです。
ただ、調子が悪くて…。
[自分でも上手く説明出来ない。どうしても、何か足りないような。
悩んでいるウチに、結城の視線がバレーボールに向かう。
ベッドの横に置いてあるそれは、バレーボール部全員が私の為を思って応援の言葉を書いてくれたものだ。]
あ、これは、部活のみんなが私の為にって。
[少し遠くを見ながら、無表情で呟いた。**]
[通り過ぎた病室の中から、不安そうに囁く声が届く。振り切るように足を進め、531号室の前にたどり着けば]
……あれ、柏木さん
[ネームプレートが入っていなかった。
扉をひいても、鍵がかかっているのか軋んだ音を立てるのみ]
いなくなっちゃった、のかな
[あの状態で、とも思う。
約束したのに、とも思う。
退院した、とは独り言でも言葉にできなかった]
時計…どうしよ
[左右を見渡しても、顔見知りの看護師などはいなく、あとで先生に聞いて見よう、とその場を後にした。
一人で出来ることは、とても少ない。
一旦病室に戻った少女は、点滴のパックを取り替えてもらってからもう一度廊下に出た。
今日のパジャマは樹みたいな茶色。柔らかい生地が乾燥した肌と擦れてかさりと音をたてた]
ラウンジ
[こん、と咳をひとつ。ずれた眼鏡を右手で直した。たどり着いたのはラウンジ。扉を開けて、いつもの椅子へ歩み寄る。
からからと点滴装置を引いて、血色の悪い顔色に表情はなく。
ぼたんがいれば、声をかけるつもり。
いなければ…たまには、その椅子に座ってみようか]
朝・314号室
んー…
[なんだろう。何かがおかしい。
調子は悪くない。昨日は久しぶりに父と弟にも会えたし(父は母以上に忙しいひとなのだ)、ゴトウや謎のお婆さん(確かボタンさん、と呼ばれていた)と話したことも、楽しかった。
が、何かが足りない。そんな気がする。]
なんだろ、気のせいかな
[もしかしたら実は調子がよくないのかもしれない。診察の時に、主治医に話してみよう。]
[千夏乃は気づかない。
記憶から、アルバムの写真から、
鏡の中の自分自身から、
「 」
が消えてなくなっていることに。]
[数値では解らぬ病気の進行もある、寧ろ、鎌田はそれの方が多い年頃だろう。
困惑の表情を横目に、文字いっぱいのバレーボールを暫し、見つめる。
これがここに存在するだけで、詳細を得ずとも鎌田の望む未来が解るような気がして、微か双眸を細め眩しそうに鎌田を見つめる。]
バレーボール、だね。
激しい運動だから、……復帰は難しいかもしれない、けれど。
部活で出来た人との繋がり、大切にした方がいい。
大事だと思っているからこそ、こうしてこれを届けてくれたのだろうし、ね。
[復帰を望んでいるであろう彼女に対し、非情な一言だっただろう。
けれど可能性を完全に立たれた時、絶望するのならそれまでだ、とも思った。
他の楽しみを見つけて欲しい、とも感じ、]
絵を描いたり、とか。どうかな。
バレーボール以外の何かが、見つかるかもしれないよ。
[脳裏に描いたのはあの、色鮮やかな抽象画だった。
それだけを告げ、看護師を残して部屋を後にする。
突然の復帰不可能宣言に対し、看護師がきっと、彼女に親身になってフォローしてくれる、だろう。]
[1] [2] [3] [4] [5] [6] [メモ/メモ履歴] / 絞り込み / 発言欄へ
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 5日目 エピローグ 終了