情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了
ところで…。
参考人として連れて行かれたグリタさんって…。
[周りを気にしてか、いくぶん声を落とし。
尋ねる。疑惑の薄いあのひとの行方を]
一体何処で取調べを受けているんでしょうね?
[駐在所は、広くはない。
遠方へ連行したにしては。
警察の動きは鈍すぎて]
当て、ねぇ…
[色々考えてみても、それらしい物は記憶にはない。]
? どうなさいました?
[不自然に上がる語尾に尋ね返す。(>>25)
頭ひとつ上で零れ落ちた言葉は、
明らかに"誰か"か"何か"に対する反応]
なんていうか… その?
[歯切れの悪い話し方に、首をかしげ見上げる。
いっそう深くなる眉間の皺に、
つられて眉がへの字になった。(>>30)]
何かお辛いことでも?
――…え? 声?
もしかして居場所…わかる、かも?
[不確かな情報。
でもそんな情報にさえ、
乗ってみようと思うのは、彼を信じたから。]
え? 肩こりですか?
肩こりって放っておくと、
大変なことになるって言いますし…
[冗談と一蹴できない口ぶりに、おろおろと。
しかし苦笑のため息に、くちびるはゆるく弧を描き]
虫の知らせでも直感でも。
信じないより信じたいです、わたし。
えぇ、行ってみましょう?
きっと首を長くしてお待ちですよ?
[後に続くようにして進む。
向かう先は、見慣れた景色をいっそう濃くして――]
普通のじゃない?
でも、ご本人さんが大丈夫って仰るのなら。
きっと大丈夫ですね?
[必要以上に干渉せず。(>>37)
きっとその手の力があるのならば、
見えたであろう重なる手は、生憎見えず]
こちらこそ。そう言って頂けると嬉しいのです。
[のんびりとした口調を真似て。
たどり着いた先に、瞬きひとつ。]
尾石荘? って確かネギヤさんが大家さんの?
こんな身近な場所に、グリタさんが?
[示された場所に、二つ瞬き]
灯台下暗しというよりも、
木を隠すなら森の中に近いような…
[そう言えば、
結局あの空き地に骨を置いていた犯人は、
結局見つかったのだろうかと、
あまい警備配置に首をかしげ]
そうですね。言ってみるのが一番かと。
もしネギヤさんに責められたら。
そのときはわたしが対処しますから。
[ごめんください、と後に続いて中へ]
ネギヤさんの扱いは、実は心得ていまして。
それ位のお役には、立ちたいと思います。
[悪戯っぽく小さく微笑んで。
一緒に叫んで歩いた。]
グリタさん? いらっしゃいますか?
ツキハナです。モミジじゃなくてすみません。
[ガチャガチャ擦れる、金属音。
音の鳴るほうへ。]
いえ、購読の件は良いのですが…。
ほんと、モミジも連れて来れたらよかったのですが…。
期待はずれですみません。
[二倍速にまわるドアノブ。(>>51)
そのうち壊れてしまうのではないかという、
ふあん。]
ですよ、ねぇ?
[問いかけに用いた返事に、同意を重ね(>>61)]
大家さん…。
でもここは警察の方が、
一時的に借り上げしていた場所ですよね?
果たしてネギヤさんの権限があるのかしら?
それともなんやかんや言って、
駐在さんから鍵を借りたほうが――
[しかし後者には、かなりの理由付けが必要。]
大家さんなら。
多少卑怯な手を使っても、
何とかするんですけれどもね?
[しかし相手が警察となると、そうも行かず。
聞こえてくるのは無茶をする音と、寂しいという声]
――…グリタさーん、
もうしばらく辛抱していただけますか?
[出来るのは、気休めの声掛けばかり。]
[窓越しに、見える、上がる、煙。
そして誰かが通報した、消防車の音。]
もしかして、近付いてきている?
[耳を澄ます向こう側。
助けが来るまでもう少し。]
[その後、難題は瞬く間に片付けられた。
多少、疑惑は掛けられたものの、
皆の機転で、大目玉を食らうことはなく。]
結果、オーライって所かしら?
[壊されるドアの、飛び散る破片と
救助される新聞記者を見て、
なぜか宇宙的な神秘を感じたり、感じなかったり。]
しかし、相変わらず素敵な内装よねぇ。
[まるで他人事のように壊されていく内装を見。
大家のあたふたする顔を想像するすがたは、
まるで悪戯っ子のように無邪気に。]
とりあえず、こちらは一件落着ではないですか?
[煙草を吸おうとして怒られる、
作家先生の隣で、小さく笑んだ*]
―― 三十日 雑貨屋 ――
そうそう。あの時のネキヤさんったらね?
もう可笑しくて可笑しくて。
[古びた雑貨屋に響く笑い声。
元に戻りつつある日常は、
確実に春を迎え入れようとしていた。]
そう言えば夢美堂のご主人は――…
[店先に手折られて飾られた、梅の花。
春告げ草は恋告げ草。
鼻を近づけて香りをひとつ。
ニャーと、猫が声を上げた。]
あら、ハナシロ。今日もお散歩?
[目を細めて向かい入れる。
白い毛並みはいつもと変わらない。]
そう言えばあの空き地の看板。
誰かが変な落書きをしていたのよ。
『きんぎょのぼか』って。
一体誰だろうね? ねー、ハナシロ?
[抱き上げて。自分の飼い猫と等しく愛でる。
背中からは陽だまりのにおい。
恋し待つ、春のにおい]
そう言えばおばあちゃん知ってた?
四葉のクローバーのおまじない。
[少しだけ生い茂った空き地の葉を摘み、
ひらひらと翳し]
今ね、学生さんの間で…
密かに流行っているらしいのよ?
古風ね。でもちょっと、羨ましいかな。
ひとをそこまで、一途に思えるのって。
[店の前を一台の自転車が通り過ぎていく。
それを見守る人影に。
ツキハナはひとつ、小さな笑みを零した*]
情報 プロローグ 1日目 2日目 3日目 4日目 エピローグ 終了