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― 1963・神社―
[風が吹いて、レンが軽やかに目の前へと跳んできた。
驚き、ポロリと火がついたままのタバコを落とす]
何か……?
[黒眼鏡が外され、至近で見つめてくる蒼に首を傾げる。
己に会い、風が吹いてから…という言葉にきょとりと数瞬]
貴方が“どのような存在”なのか、覗いてみたいと思ったくらい、かネェ。
[結城は代々医者の家系だった。
蘭学がこの国に入ってくる以前は、陰陽道と本草学を基として医者をやっていた家系。
既に陰陽道の作法も知識も、何もかもが伝承が途切れ忘れ去られていても。
その“血”が持つ体質的な“能力”だけは残っていた。
実際に“人ならざる者”を“視た”事が無かったから、自分でもその“能力”については半信半疑だったけれど]
― 現代・結城医院 ―
[『結城医院』という看板を掲げた小さな個人病院は、50年前と変わらぬ場所に建っていた。
流石に、建物は{2}×5年前に立て直していたが]
さーて、っと。
露店でも冷やかしてくるかネェ。
[狛狼のお守りを結わえ付けた巾着袋を手に、子供の頃から慣れ親しんだ道を往く。
巾着の中には、パッケージに弓矢が描かれた10本入りのタバコが(03)箱と、伯父の形見である年代物のジッポライター。
あとは、ハンカチとティッシュと、小銭入れと携帯灰皿だけである]
― 現代 ―
[近頃では、喫煙者は肩身が狭い。
人の多く集まる場所では屋外でも中々吸えないので、屋台が並ぶ祭り会場を少し離れた境内から眺めながら、タバコを吸っている]
……んー。
何でか、この位置から眺めるのが一番落ち着くンだよネェ。
[当人は知らないが、そこは伯父である夕霧が毎年、祭りの日にタバコを吸っていた場所だった]
― 過去・神社 ―
……?
何だい、これ。
[次のタバコを口にしようと、弓矢が描かれた箱を巾着から出したところで。
その箱に、なぜか白い糸が結ばれているのに気づいた。
さっきまではなかった筈の糸。
それは、先程レンが去っていった方向へと伸びている]
チカノ、さん?
[駆けてきた姿に驚き、ひとつふたつ瞬いてから。
ふわっと笑顔を浮かべて]
……おかえりなさい。
[頭をそっと撫でてから、お守りをつけた巾着を掲げ]
うん。ちゃんと持っているよ。
[逃げられなければ、抱き締めたりもしてみようかな]
……チカノさん。
ご両親に顔を見せて安心させてあげた後。
落ち着いたら、一緒にどこかに出掛けないかい?
[また後悔しないよう、早速逢い引きに誘ってみます]
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