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[どん
小さな衝撃の跡
驚くほどすんなり、ドアは開いた
ただ、そこに広がっていた光景は]
…――――!
[血飛沫舞い散った、理科準備室]
見るな、お前ら
[言葉に、力は入らなかったけれど]
[ヨシアキの呼び掛けを聞き、少し後ろに下がる。ヨシアキが突撃した事で、扉は開かれた。彼が室内を見るのに続けて、少女も室内を覗き込む。制止の声が落ちたのは、ほぼ同時だったか]
……セイジ……。
[呟き、立ち尽くす。
セイジの姿は其処から消えていた。室内には血の臭いと、床を彩る血の色のみが残されていた]
――言葉は契約、願いは呪力
祈りは糧にして、恐怖は甘味
理を知らぬ者に、亡者の手を――
[そう刻まれた赤い文字を、黙って見つめ]
…―――
[へなへな、腰をおろしてしまうほどに
部屋の赤は、インパクトが強かった
生々しかったと言うべきか]
どうしよ…―――
[背中が、重い]
どうしよって……
どうにかせんと、……
[声は力なく、半ば独り言のように。実際、どうすればいいか、どうするべきかなど、全く判らなかった。暫くの間、その場に佇んだままでいて]
……とにかく、動かんと。
此処にいたって……何もならん。
出られる場所、出る方法、探さんと。
[それから、振り返って言った。対抗出来ない。閉じ込められた。検証だけが。セイジの言葉の断片を、頭に過ぎらせながら]
どうしよ…―――
少なくとも二人、目の前でいなくなった
セイジは、体すら残ってない
理科準備室には、他に出入り口なんかない
[つまり、消失
七不思議に関わる場所で]
どうしたら、いい
動くって、何処へ
いなくなった奴等を、置いて行くんか
…――――
いや、ええ
マシロ、ナオ、タカハル
お前ら、出られる場所さがせや
俺は、居なくなった奴等、探すわ
[ふらり、立ち上がった]
トイレ、なんやろ?
アンと、一年のシンヤ
このままやったら……皆、消えるだけやろいね。
別に消えた皆を放っとけなんて言っとらんわ。
それやって、動かんと駄目なんは同じやろ。
[ヨシアキに向き直り、眉を寄せて]
……だら! 何言っとるん!
そんなんしたら、今度は……
[怒鳴り付けるように言ってから、語尾は霞ませ]
――大だら。
どっちも、一緒に探せばいい話やろいに……
皆で動くぞ。はぐれなさんな。
[ナオとタカハルにも向けて言い]
アンは、トイレに行ったって……
セイジは、言っとったけど。
シンヤはわからん。いないって……これも、セイジが、言っとってんけど。
なんなん
マシロ、俺はただ、お前が…―――
[心配なだけなのだけれど
でもどうせ、言葉にした所で何も変わらない
こいつは、行くと言ったら行く]
ちっ…――――
[だからこそ、守らなくては、今度こそ]
そうか、セイジが言ったか
なら、行ってみよ
[床にある、文字を読んでみる
言葉は契約…か]
嘘、嘘だ。学校の怪談なんてあるわけないんだみ。
よ、よーっし、つ、次、次こそありえないじぇって……――うふ、は、あ、はは。
[そうでも言わなければ、言葉にしなければ、崩れてしまいそうだ。
一部始終を目の当たりにして、しかも自分が被害者になる所だったと言う事実に、脚が大きくがくがくと震える。]
よ、よっし、さが、ささ、探すんにな。
トイレ、だっけかにゃ。
[恐怖で良く判らない笑いが、勝手に漏れる。
暑く重苦しい空気に乗って、鉄臭い匂いが流れてきて、自然にぺたん、と尻餅を。]
……あり?おっかしーな。立て、立てにーぞ?
…――――
ナオ、無理すんなや
[へたり込んでしまった、ナオ
抱き上げようと、手を伸ばしたけれど]
誰も、笑ったりせんから
無理、すんな
おいね、まずトイレから行くか。
[言いながら、七不思議の一つが思い出されたが]
この字。……多分、霊や何かが、残したんやろうな。
霊、……多分……七不思議とか、起こしとる奴が。
もしかしたら、セイジには……
……や。それは、今考えても仕方ないか。
[首を横に振ってから、改めて字の方を見]
……セイジが消える前。
連れて行ってくれって、セイジの声が聞こえたんよ。
中であったんが、どんながやったのかはわからんけど……言葉やら願いやらっていうのは、もしかしたら、それなのかもしれん。
後は……何やろうな。
「犯人」が、楽しんどるみたいな……私達を獲物にしとるみたいな。
よくわからんけど、嫌な感じや。
……ナオ。落ち着きまっし。
[へたり込むナオの姿に、其方を見て、眉を下げつつ声をかけた。錯乱しても仕方ない状況であるという事は、解り切っていたが]
じゃまないさけ。
[大丈夫だなどと断言出来ない状況でもあるという事も、解っていたが。とにかくそう言って]
…――――
そか、言葉にしたら、そうなるのか
[文字の意味を素直にとれば、そうなる
もしそうなら、言葉にすれば良いのか
想いを口にすれば、形になるのか]
マシロ、言葉にしたら、何かが形になるなら
言葉にしたら、ええんかな
願い事って奴を、さ
うに、大丈夫、大丈夫、大丈夫―――
……悪い、に。
[ヨシアキの手を借りて、やっとの事で立ち直るけれど、それでも机に手を突いてなければ同じ様になりそうで。**]
ん…――――
落ちつくまで、ここにおろうか
[ナオを立たせて、手を離す
背をさすってやるのが、本当は良いだろうが
年頃の男子は、女子の体に触る度胸がない]
ほうやな。ほうやったら、いいな。
消えた皆も、無事見つけて……
皆で下校しよう、な。
[ヨシアキの言葉に、神妙に、強く頷き]
ん。少し、この辺で休むか。
ほら、ナオも、ちょっこし座ってたらどうや。
[ナオの手を握り、もう片手で背を支えて、理科室の前から見える程近い階段へと歩いていく。一番下の段にナオを座らせ、その隣に己も腰掛けて]
そやな、それが、一番ええ
[そうは、思うけれど
一番の願いかというと、違う気がする
でも、それを言うときっと
ダメになる気がするから
だから、ただ頷いた]
言葉にしたら、か…――――
[ナオを運ぶ様子に、後ろからついて行く
少し離れた所に、自分も腰かけた]
言葉。そういえば、言霊ってあるさかいな。
言葉には魂が、力が宿る。
ほやさけ、いい事言ったらいい事が起こるし、悪い事言ったら悪い事が起こる、って。
[ヨシアキが座る様子を見やりつつ言う。ふと思い出したように携帯を取り出してみたが、やはり使い物にはならないようだった。電波が入らないどころか、電源も入らなかった。ふう、と息を吐き]
[みんなが腰掛ける。
みんな、疲れてきている・・・
自分は何をしているんだろう・・・
みんなが諦めずにドアを叩いていた時
みんなが部長を助けようとしていた時
自分は何をしていたんだろう・・・
答えは明白だ
なにもしていない
ぼくは・・・
ヨシアキとの会話を思い出す。
怖がってるだけじゃ・・・何にもならない]
[次、また・・・なにか起きたら・・・その時は・・・]
[周りの話は耳に入ってなかったかも知れない。
ただ一人で、何かを決めたようにほっぺたを軽く叩いた]
そうか、良い事が起こるんか…―――
なら、言葉にしてみようかの
マシロ、お前だけは、俺が…―――
[ここで言葉にする勇気は、なかった
これだから、俺は誰も救えないのか]
[ヨシアキが喋るのに、其方を見やり。
ぱちりと瞬く。お前だけは、俺が。ヨシアキの言葉は半ばで途切れたが――その続きは、何を言わんとしたのかは、なんとなく察せられてしまって]
……何や、言いたい事があるならはっきり……
や、いいわ。言わんときまっし。
[懐中電灯の明かりを消しつつ、顔を正面に向け逸らした。少しの間、黙っていた後]
……だら。
[聞こえるか聞こえないかの声で、ぽつりと呟いた]
…――――
[聞こえるか聞こえないかの、小さな声
マシロが何かを言った事は、わかって
そして、聞きとれなかったとしても
なんとなく、何が言いたいのかはわかるから]
すまん…――――
[こちらも、小さく謝って
少し考えた後、深く息を吐いた
何かが起こっていて、それはとても危険な事で
そして、それは確実に、自分達に振りかかる
だからこそ、今の願いは、口に出すべきで]
マシロ、ちょっと付き合えや
[立ちあがって、声を出した]
[手の内の懐中電灯を見下ろし、くるくると軽く回しながら、ヨシアキの小さな声を聞いて。ややあって、はっきりとした声がかけられれば]
ん。いいうぇ。
[短く了承を返し、此方も立ち上がった]
[何処でもいい、近くの教室に入ろう
もう、教室に七不思議はないだろうし
たぶん、大丈夫だと思うから
それに、今から俺が口にする事は
きっと、正しい事ではないのだから
何処かに入ったら、振りむいて
マシロが来るのを待ってから]
出来るだけ離れん方がいいのは、わかる
やけど、やっぱし
ナオがおる所じゃ、よう言わん
[改めて、となると
やはり、言葉が出にくくなるもので
前振りが、もどかしく思えてくるけれど]
・・・?
[ぼくは・・・ここにいたほうがいいかな。結島先輩を一人に出来ないもんね
黙ってナオの近くに腰掛けて二人を見送った
でも・・・どうしたんだろ?]
言霊とか言うのが、力になるなら
自分の願いが、形になるなら
他がどうでもええとは、言わんけど
他の誰かより、マシロに無事でいて欲しい
だから、言葉にしてみよう思う
[恐怖が背中を押している事は、わかる
普通の状況なら、きっと言わないままで
なんとなく、今の状況を続けたかもしれない
勇気なんて物は、元々持っていないのだ
この状況を利用するような
そんな自分に、嫌悪感すら抱くけれど]
皆守る、とはもう言わん
何度も口にして、叶わんかった
だから、一番守りたいもんだけ
だから、一番大事にしたいもんだけ
手が短くて、いざと言う時届かないなら
届く所に、お前におって欲しい
[まどろっこしい
自分が何を言いたいのか、わからなくなる
そうじゃない、真っすぐ言えばいいんだ]
何がいいたいかっつーと、やな
[一度大きく息を吐いて、大きく吸って
三秒止めて、また吐く
吐き終わった所で、マシロの目を見た]
俺、お前の事好きや
いつからかわからんけど、だいぶ前から
こんな状況やからこそ
お前の事だけ、守らせてくれんやろか
[やっと、言えた
言葉にしてしまったら、一気に力が抜けて
へたり込みそうになったけれど、こらえた]
[場を離れる前に、階段の方を一瞥した。タカハルがナオの隣に座る様子を見れば頷き、ヨシアキの後について歩き始める。近くの教室に入り込み]
……
[暗がりの中、ヨシアキの姿を見る。それから、紡がれる言葉を黙って聞いていた。視線は逸らさずに。声が途切れた後、暫くの間――数分にも思えたが、十数秒、精々数十秒の事だっただろう――沈黙を置いて]
――だら。
[まず、その一言だけを、また口にした]
こんなん、アレやろ。
死亡フラグやろ。
読者やらプレイヤーやらが、笑うとこやないのにと思いつつちょっと笑って和んじゃうようなとこやぞ、これ。
[早口に冗談を並べ語る。手にした懐中電灯を消したせいもあって、慣れた目でも暗い室内。故に見えはしなかっただろうが――少女の頬は幾分赤くなっていた]
私は……
[長く感じた沈黙は、息苦しさすら産んだが
続いた言葉に、幾分か胸が軽くなった]
死亡フラグ、かの
俺は、死んでからじゃあかんと思ったんやが
[早口の冗談は、いつもと違う感覚がしたけど
懐中電灯が消えているからこそ
その顔が見えず、気持ちもわかりにくく
せめて目は逸らすまいと、マシロを見ていた]
……私も。
ヨシアキが好きなんやと、思う。
[そう、常とは違う、静かで引っ込みがちな声で言った。
少女は、ヨシアキの事を好きだと考えた事はなかった。あくまで大切な友人として、見ていた。好きだと思う相手は、他にいた。――担任である、ライデン。禁じられた、それを置いても一方的な思いだと知りながら、淡い恋心を抱いていた。
だが。
ヨシアキと共にいて、時折、常ならぬ感覚が生じる事があった。それが何かは、気が付かないでいたけれど。あるいは、気付かない振りで、誤魔化していたけれど。それは、間違いなく。
今こうして思いを伝えられて、少女は初めて正面から己の内に向き合い、自覚した。ヨシアキを好きだと思う気持ちを、認めた。――ライデンへの思いが、恋愛ごっことでもいうべき、淡く儚い青春の産物だった事も。
一呼吸置いてから、また口を開き]
守る、なんて言うなら……
遠慮なく守って貰うじ?
やけど……やからこそ。
ヨシアキも、気を付けまっし。
消えるなんて、許さんぞいよ。
[ヨシアキの選択を否定する事はしない。
切り捨てたのではなく選んだのだと、その上で当人も悩んだのだろうと、知っているから。己がそのような選択をしないとは言えなかったから。――その選択に、嬉しさを感じてしまったから。
代わりに言い聞かせるような言葉を、その姿をじっと見据えながら続けた]
っ…――――
[マシロの返事は、純粋に嬉しくて
こんな状況であるのに、心が躍ってしまい
そんな自分自身を、恥じる心があった
だから、出そうになった言葉を一度飲み込み
続く言葉を、黙って聞いていた]
消えやせん
最後の最後まで、傍におるよ
それが、あとどのくらいの時間か
俺には、わからんけど
少しでも長く、一瞬でも多く
マシロの傍に、おりたいんよ
不謹慎かも、しらんけど
[ヨシアキの言葉を聞けば、ふ、と笑って]
そうしまっしま。
私も、気を付けるさかい。
離れんようにするさかい。
……全く、堂々と恥ずかしい事言うやっちゃ。
今に始まった事やないけどな。
[その続きには少しく目を逸らしつつ]
一緒に、無事に学校出んとな。
[改めて願いを口し]
ん、離れんでくれな
何があっても、傍におってくれな
[続いた軽口・・・とは違うけれど
いつもと似た、感覚の言葉に
こういうマシロが好きなのだと、再認識する
他人に言っても、伝わらないかもしれないけど
こう言う空気が、好きで仕方ないのだ]
恥ずかしい事ってなぁ
俺やって、死ぬほど恥ずかしかったわ
[そう言いながら、マシロに歩み寄り]
一緒に、出よな
せっかく両思いになったんに
出られませんでした、じゃ嫌やし
おいね、安心しまっし。
[近くまで来てよく見れば、頬が薄らと赤く染まっている事が知れたかもしれない]
ほーやほーや。
死亡フラグ立てて本当に……
なんてなったら、どんならんわ。
泣くに泣けんというか、笑うに笑えんというか。
[しかし話す調子はいつも通りに。肩を竦めてみせ]
そんなしょむない事にはならんようにせんと。
ようわからん相手に負けるなんてのは、癪やしな。
・・・
[タカハルはそっと二人のいる教室の前から離れる。物音が聞こえたから伝えに来たのだが
そこで聞こえた会話
きっとあの物音は七不思議に関係するものだと思う。それに関わったら・・・きっと消えてしまうだろう。
タカハルは階段に戻り、ナオに伝える]
ちょっと様子を見てきますね。すぐ戻ってきますからここに居てください。先輩たちもすぐに戻ってくると思いますから。
[怖くなかった。と言えば嘘になる。でもそれ以上に・・・
タカハルは一段づつ階段を上る。
ナオがついてきていてもいなくても。
自分を止めても止めなくても。
その足は止まらない。
屋上に向かって]
[うっすらと、染まった頬の色
明かりのない教室に差す、月光に彩られて
その姿は、いつも以上に美しく
どくんと脈打つ胸を、悟られぬように
彼女の口調に、無理矢理あわせて]
死亡フラグ立ってたら、あれやん
あの世でわろうたら、ええやんけ
[手を伸ばせば、触れられるのだろうか
決して今まで、手を伸ばせなかった人に
でも、生きて出たいと願うのならば
焦ったりしては、いけないとも思うから]
どうしたら、出られるんやろな
七不思議の、七つ目
外に出られる、とかならええな
もしそうなったら、アレやろ。
しっかり幽霊になっとかんと。
ほんで図書室に行って、誰かに写真撮られるのを待たんとな。
……そういえば、写真撮ろうって言ってんな。
すっかり忘れてたわ。
校舎内撮るんも、そんな事態やなくなったし。
学校を出られたら……
って、これもばりばり死亡フラグやんな。
いじくらしいもんやわ。
[鞄の中にあるカメラを思いつつ言い]
そうやな。……そういや、セイジの事ねんけど。
何や、様子おかしかったやろ。
[ふと、先刻言いかけてやめていた事を話し出し]
二人の最初の写真は、心霊写真かい
それはそれで、おもろいんかな
でも、やっぱ
ちゃんと外に出て、写真撮りたいわ
二人だけの写真の一枚くらい、欲しいしな
ええんちゃう、死亡フラグでも
夢みるのは、タダやし
[セイジの異変には、気がついてはいたけど
でも何故か、それを強くは認識しなかった
だから、思い起こしてみるのだけれど]
ん…――――
少なくとも、口調はいつもと違ったな
あれ、もしかしたら、何か……霊やらに。
取り憑かれたりしとったんやないかと、思っとるんよ。
唐突な話やけど。
私、見たんよ。
セイジの周りに、白い靄が浮かぶの、一瞬だけ。
そん時は、声も別人みたいになっとって。
ほんで、話す内容が……あれやったから。
あれは……
検証せんなどんならん、みたいに言っとったけど。
……どんながやろな。
[決定的な打開策は、やはり浮かばなかったが]
[写真の話には頷いて鞄の紐を握り。
タカハルが教室の前まで来ていた事には、気が付かなかった。彼が階段を昇り出している事は、当然知る由もなく。ただ、ふっと首筋に冷たさを感じたような気がして、廊下側を振り向いた]
霊に、なぁ…―――
憑依されていたと、してやな
もう、セイジはおらん
やから、確認は出来ん、けど
願えば叶うと言うんなら
聞いたら、答えてくれるんと違うか?
[そんな事を、漠然と思ったけれど
背中は、今も冷たいままで]
そうやな。
どうしたらいいか、教えてくれんけ?
って……教えてくれたらいいなあ。
[廊下の方から視線を外すと、空中に向かって言ってみてから、ヨシアキに向き直り]
まあ、ともかく、動いてみんとな。
流石に、とにかくやってみて……
ってわけには、いかんやろうけど。
[そう言うと、ヨシアキの方に手を伸ばし――その手に触れかけて、ふと動きを逸らし、袖を掴んでぐっと引っ張った。ぱっと手を離し、早足に先んじて扉へと向かい]
…――――
[マシロの言葉に、背中が疼く
だが、それは言葉にしなかった]
そうやな、動いてみるか
七不思議を検証するのは、いいとして
人数が足りん、方法考えなな
[袖を、ぐっと引かれて
早足で扉に向かう様子に、息を吐く
手をつなぐのは、まだって事だろうか
それとも単純に、恥ずかしいと言う事だろうか
どちらでも、お預けには変わりない
仕方なく、後に続いた]
ほうやな。まだ二つしか確かめとらん。
兄貴やらシンヤが見た可能性も、なくはないけど……
万一そうでも何を見たかはわからんし。
わかっててもぎりぎりなくらいや。
[ヨシアキの声を背に、がらり、と扉を開ける。と、聞こえてきた単語に、一度振り向いた]
……階段?
階段は、二人がおるやろうけど……
やって、って。まさか本当に、声でも聞こえたん?
[唐突な提示に、首を傾げて]
あと5つの不思議を、四人で検証か
無理やな、普通に
消えずに、検証できりゃええんやろうけど
[振りむくマシロに、首をかしげて]
ん、聞こえた、気がしたんやけど
背中、ずっと重たいし
案外、俺も憑かれとるんかもな
[まぁ、意識が奪われるような事はないけど]
七つ目は、誰か残ってればいいんやろうけど。
それ除いても、あと四つやもんな。
七不思議、消えるようなのばっかりやし。
引きずり込まれそうになったとこを逃げても、検証した事にはなるんやろうけど……
リウ先輩の時とセイジの時、考えるとなあ。
[思い出す。普通では敵わないような、紛れもない彼岸の力の顕現。溜息を吐いて]
だらな事言いなさんな。
粗塩とお札なら持ってきとるじ?
……まあ、ともあれ、行ってみるか。
どうせ、戻らなんし。
[己も憑かれているかも、と言うヨシアキにそう言ってから。廊下へと出て歩き始め]
[タカハルは屋上の階段についていた。まるで自分の意思とは関係の無いように足が動く。
疲れているはずなのに。走って。下って。上って。こんな事態に巻き込まれて。疲れているはずなのに。
タカハルは足を上げ、ゆっくりと一段づつ上っていく。上らされている?]
[一段上るごとに人の顔が頭に浮かんでくる。
親しくなれた人たち。
親しくしてくれた人たち。
守りたいと思えた人たち。
守ってくれた人たち。
なんだかんだで大好きな姉]
[九段目]
[・・・怖いよ]
[十段目]
[怖いよ・・・]
[十一段目]
[やだ・・・《そこ》には行きたくない・・・]
[十二段目]
[・・・たすけてっ]
[そしてまた一段]
ちょっ……まっ!ひとりにしにゃーで!
[タカハルを追いかけるように、階段を登る、急いでいるつもりなのだけれど、身体はそれに反して遅々としてしか動かない。]
ねぇ、まって、おねがい。ねえってば。
[ここで一人になってしまったら、もう耐え切れいなのが、自分でも判る。だから。]
[12段、11段、11段、10段、12段、10段。
数えたく何てないのに。追いかけて登る階段の段数が、自然と意識に入り込んでくる。既に1階から3階まで登ってきているのに。更に屋上に向かって階段を進む。
それこそ。何かに惹き付けられているかのように。]
[不意に、空気が重くなる。
ここから屋上は、駄目だ、絶対に。
体の中で一杯一杯の赤信号が、警告している。
それでも昇って行くタカハルには、追いつけそうにないけれど、酷く重い脚を、階段に向かって動かす]
――だっ、だめ。登っちゃ、だめだみ。
そこ、当たり、だにゃ。
[3Fから屋上に向かう踊り場。視線の先には、屋上手前。十三段目を踏む彼の姿が。]
―― 元いた階段 ――
俺は、意識はっきりしとるし
お祓いするようなあれでも、ないけどな
でもまぁ、ちょっと様子みよか
…――――
おらんな、あいつら
[そこには、タカハルとナオの姿は無く
どうやら、移動したのだろうと言う事はわかる
問題は、何処に移動したのか、だけれど]
階段やって言うんやし、階段やろ 登るか
[マシロに問いかけて、階段に足をかける]
何ぞ、変わった事があったら……
すぐ言いまっしよ。
くれぐれも隠したりせんようにな。
[ヨシアキと言葉を交わしつつ、階段付近と戻り着く。しんと静まり返った闇を見渡し]
……やな。
何処行ったんやろ。
[少しだけ表情を険しくして呟く。問い掛けには頷き、己も階段を昇り始めた。と、踊り場の暗がりの中に、立ち尽くすナオの姿が見えて]
ナオ? どうしたん、……
……タカハル!
[満ちる緊迫の気配に、ぽつりと呟く。そしてその視線の先を見、はっと名を呼んだ。其処には屋上への階段の最後の段を踏むタカハルの姿があった。
思考が巡る。階段の階段。十三段目を踏むと連れ去られる。あれは、何段目だろうか――]
[十三段目]
[そこに足を踏み込むと、目の前に黒い空間が広がった。扉のような・・・さっきまで屋上への扉が見えていたはずなのに]
・・・っ
[足が・・・止まらない]
にゃっ・・・ゃ・・・
[手が震える。懐中電灯が手から離れて・・・階段を転がり落ちた]
[それでも止まらない。止まれない]
たっ、たすけてっ!!
[その一寸先も見えない闇の中に足を――]
ああ、隠したりせんよ
マシロに隠す意味、ないしな
[そう言いながら、昇る階段
その先に、嫌な空気と、光景があった]
タカハル…―――!
[階段を昇る、タカハル
その先に、口を開く扉]
っ…――――
[助けに行こう、と踏み出した足
だけど、その足は進まなかった
その場で、足踏みをしてしまう]
「叶える望みは、最も強い一つだけ」
[聞いた事のない、声が聞こえたきがした]
タカハル!
[タカハルの足元が溶けるように歪むのが見えた。懐中電灯が転がり落ちる。助けて、と叫ぶ声に、駆け寄ろうと、手を伸ばそうとして]
……っ。
また……!
[足は床から上がらなかった。伸ばした手は空しく宙を掴む。リウの時と、同じように]
[闇の中から声が聞こえた]
オイデ……
オイデ………
コッチニオイデ………
[闇へと誘う甘い声。とても優しくて・・・冷たくて・・・怖かった]
おねがい・・・
「…――――――」
[最後に何かを言って。
タカハルは闇に消えた。
普通に階段を上るように]
[何事も無かったかのように元通りになる階段の下にあさっての方向を照らす懐中電灯だけが残されて]
!
[ふっと。
炎が噴き消されるかのように、タカハルの姿はその場から消えた。それと同時に固まっていた体が動いた。階段を駆け上がる。一段、二段――十二段。十三段目は、その奈落は、跡形もなくなっていて]
……タカハル……。
[呟き、呆然とその場に佇んだ]
…――――
[タカハルと共に、かき消える13段目
だけど、わかる
そこには、13段目の階段と、扉がある]
…――――
[背中が、引き返せと言う
だから、俺は]
マシロ、引き返せ
そこにおったら、いかん
[マシロと、ナオ
二人を連れて、階段を降りようと
マシロの所まで、昇っていった]
―同刻 タカハルの家・リビング―
「・・・遅い!!
なにやってんのよあいつは!!」
[バンとテーブルを叩き、イライラしたように叫ぶ女性。
タカハルの姉の恵美だ]
「いま、何時だと思ってんのよ!!
ちょっと遅くなるって・・・あいつにとってのちょっとの定義を帰ってきたら問い詰めてやるわ!!」
「まったく・・・あいつのハンバーグも食ってやろうかしら
人がせっかく食べないで待ってやってんのにあいつはどこで何してるのよ!!」
[通じないだろうな。と思いつつまた携帯を掛けて見る。
やっぱり通じない。
恵美は携帯を乱暴に閉じた]
「はぁっ・・・もー、早く帰ってきなさいよ。
寂しいじゃない」
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