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[ただ事ならざる気配に気づき心配そうにドウゼンの先をみるそこにはよく見知った伯父さんの変わり果てた様子が目に映った]
キャーーーーーーーーーー!!!!!
[私は思わず大声を叫んだ]
伯父さん!?伯父さんがどうして.....!?
何で!?どうして倒れてるの?何が起きたの?誰か教えて....?どうして......
[状況もわからず現実だけを認識していく思考にパニックに陥る。目の前にいるのは間違いなく伯父、悲しむより前に溢れてくる涙に視界がぼやけるが]
チェロ.....?チェロは平気!?
[急いで涙を手でぬぐいで籠の中の兎を抱き上げ確認する。兎はひくひくと私の匂いを嗅ぎいつもと変わらない様子だった。強く抱きしめその場で座り込む]
[兎に触れると不思議な声がまた私の心に響きだす]
ニキ.......ニキ......イトシイニキ.......
ボクハハンニンヲミタヨ........?
ボクハハンニンヲミタヨ........?
(犯人?本当にチェロなの!?誰がこんなことを.....もういや.....もういや........)
[現実とかけ離れすぎた状況、現実でも逃げたくなるような状況両方に挟まれた私の心は必死にその逃げ道を探し閉ざそうとする。しかしチェロの言う犯人を見たが気になって仕方がない。一体だれがこんなことをしたのか、一体なんでこんなことをするのか、どうしてこうなったのか閉ざそうとする心は解答を得たい心へとやがて傾いた]
(だれ....だれなの...?教えてチェロ......)
[必死に聞こうとする私,しかしチェロはそれには答えない]
(お願い.......教えて....)
[涙ながらに話す私の質問には答えずしばらくの静寂のあと兎はまた囁きはじめる]
[ツギニ....コロサレルノハ....ニキダヨ....デモダイジョウブ..........
ボクガマモルカラ.......
ダカラオイデ........
オジサンヲコロシタヒトナンカステテ.....
[兎は狡猾に私の意識を支配していった]
[泣いて腫れた瞼にハンカチを当てているとまた不思議な声が私の中に響く]
チェロが........
伯父さんを殺した犯人はこの中にいるって言ってる.......
暗かったけど.....犯人を見たって.......
でもそれが誰なのかいくら聞いても......
答えてくれないの....
どうして......誰がこんなことしたの.....
私のたった一人の親族を奪った借り....
きっと返してやるから.....
[兎を強く抱きしめて俯きながらみんなに話した]
[伯父を殺した犯人がいるとチェロに聞かされ私は疑心暗鬼に陥る。状況の不明は目の前のすべての人に疑惑を抱き不審を募らせる]
(チェロ.......伯父さんを殺したのは誰なの?聞こえてるんでしょ?黙ってないで教えて.....)
[兎は黙っていたがやがて一人の男の名前を私に教える]
ニキ......イトシイボクノニキ.......
テンマハ.....ハンニンジャナイ....
ニキヲマモッテクレル.....ツヨイナカマ........
ナカマハモウヒトリイル..........
サガソウ.........サガソウ.......
(テンマさんは犯人じゃない.....
そして私にはもう一人仲間がいる....)
[私はいつの間にか全幅の信頼を兎に寄せるようになっていた。どうしてこんなことが出来るのか一体何者なのかということは段々どうでもよくなっていく。わかることはこの兎は私を守ろうとしてくれている味方。伯父と同じように私がそんな目に合わないようにきっと守ろうとしているのだと私は思いこむようになっていた]
(それでこれから私はどうすればいいの?仲間を探すといっても私には手がかりひとつない)
[兎は答える]
ニキ.......イトシイニキ........
ダイジョウブ......トキガクレバ......ワカルカラ.......ワカルカラ......
[結局何をするとも言われず兎の声は遠くなり聴こえなくなった]
[何もしてくれないチェロに私は悪態をついた]
チェロは勝手だよね....
自分のことだけ話して......
こんなときくらい慰めてくれてもいいのに........
何か話してよ........
[思わず涙がまたこぼれ始める。兎は相も変わらず鼻をひくひくさせながら私の顔を見つめるだけだった。]
本当に私の幻聴なの??
わからない........うう........
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