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―アンの部屋の前―
[寝坊したかのように、眼鏡の下の眼を擦る]
ああ…何かが、起きたんですね?
[ゼンジと似て動揺は少ない。
けれど、血に濡れたアンの姿に、そっと眉を顰めた]
…もっと、きちんと食べればよかったですね。
勿体無いことをしました。
[窯神様の力で眠りに落ちているとは言え、他者がすぐ傍らにある状態ではあまり食は進まず]
…まあまだ、ヒトは何人も居ますしね。
こういう時はシーツをかけるべきなのでしょうけど…。
―――昨日抱き上げた時は温かかったんはずなんですけどね。
[アンの見開かれていた眼を閉じさせて、顔に付いた血を拭う。
眼を伏せて、両手を合わせ黙祷の形]
…とりあえず改めて。ごちそうさまでした。
[黙祷とは違え、小さな祈りを]
それにしても、あっという間に冷たくなりましたね。
せっかく血を拭っても…冷めたらおいしそうには思えませんし。
[白いシャツにジーンズ。赤の色にはほど遠く]
……ああ、充血でもしていましたか?
さっき眼を擦ったばかりですし。
[ポルテにしがみつくバクを、眼鏡越しにきょとんと眺めた]
ソウ…僕はヒトではアリマセン。
[可笑しそうに、言葉は片言めいて]
―――…なんて、ね。
こんな状況で言うべきじゃありませんよね。
すみません。
[下げる頭はしおらしいもの]
―――…僕はヒトではアリマセン。
[呟きに、思考が緩く巡る]
ヒト…って、どこからどこまでがヒトの枠組みなんでしょうね?
[バクに深く尋ねられるわけもなく、しばしの自問自答]
[バクの謝罪に首を振り、もう一度、すみませんと謝罪を述べた]
ちょっと風に当たって、頭を冷やしてきます。
元々朝にはあまり強くないですし……目覚めの一服をしてきます。
これ以上、怯えさせても可哀相ですし。
[懐から出した煙草を振って扉の外へ]
[窓際で、ふ、と煙を吐く。
とんとんと携帯灰皿に灰を落とし、矢継ぎ早に次の煙草を手に取る]
不味……。
[ぼやきと行動は何処かちぐはぐ。
上がる煙は狼煙にも似て]
美味しいとは思えませんが…何となく、口寂しいんですよね。
[ゼンジに貰った飴を食べる気は無いらしい。
吸い終わると、また次の煙草へと]
[ゆらゆら揺れる煙に、す、と眼を細めた]
そう言えば…バク君、様子が変だったけど、大丈夫でしょうか?
[零れた心配そうな声に、偽りはなく]
あまり変な事を言って、母のように窯に押し込められないと良いんですけど。
[煙草の箱が空になったのに気付き、溜息とともに歩み始める。
小さな声が聞こえた気がして、視線を向けた]
…ポルテさん?
[ゆったりとした足音で近付いていく]
なんだか…バク君にも驚かれ、大島さんにも驚かれで…。
可笑しな事をしてるつもりはないんですけど。
…そこから、何か見えてたんですか?
[更に近寄り、先程までの視線の先を辿る]
ヂグさん、ですか…。
[少し思案の表情を浮かべ]
そうですね…僕もお茶、頂いてこようかな?
話しを聞きたくもありますし。
[けれど、近付く気配の無いバクに気が付くと、立ち止まり視線を向ける]
[取り乱すバクに向ける視線はいっそ冷ややか]
深淵をのぞく時、深淵もまたこちらをのぞいている―――…多くを尋ねることは益になりませんし、また多くを知ることも同様ですよ。
[意識を手放し、地に伏せたバクを抱える事もせず]
夢の中でなら、教えて差し上げますが。
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