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[呼び戻されるように覚醒し、一番に気づく。
あったはずの感触がなく、温もりもない。その子が見れない]
ウェンディ。
[名前を呼ぶ。返事は返らない。いない。]
どこだろう。
[起き上がって呟く。当てもなく不安そうにとてとてと歩きだす。
その場を離れ、駆り立てられるように少女を*探し始めた*]
[男は絵画セクションに足を踏み入れると、端から一枚一枚探し物をするように丹念に目を通し始めた。その視線は糸杉の躍動感にも光差す部屋で水差しを持つ女にも止まることなく滑っていく。
やがて一枚の絵の前でぴたりと男の足が止まった。男は右手を額縁に押し当て、額が着かんばかりに絵を覗き込む。その絵の中に青い髪の少女とさらに一回り小さな金髪の少女を認めると、男は左手を額に押し当て体をくの字に折り声にならない笑いを漏らした]
……ぁ……な。
[やがて男は顔を上げると絵に向かって何事か呟くと、絵に背を向け、口元に歪んだ笑いを張り付かせたまま*歩き去った*]
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[スッと高く指を上げて、指揮をとる。
四拍子の短いメロディは美しく流れた。]
ウェンディ、呼ばれたのはあなたみたい。
[目を細める。同時に音が止んで、手を降ろした。
振り返ると、もうそこにウェンディは居ない。
きっと大好きな絵の中へ。]
いいなぁ。
‥‥‥あたしも、呼んでくれればいいのに。
[ぽつりと呟いて。
再び壁に背を預け目を瞑る。
先程まであった温もりの名残を感じながら眠りについた。
間も無く白熊が、無くなった温もりに気付くだろう。]
[目をぱちりと開ける]
・・・・・・さっむ!!!!!!
やだぁ〜風邪引いてたらどうしよう。‥‥‥みんなは大丈夫かな‥‥‥?
[自信の肩を抱き、周りを見渡す。
しかし辺りはしんとしていて、誰も居ない。]
[絵画が展示されているブースに入ってくると、ゆっくり歩きながら見て回る。ふと一枚の絵画が目に止まった]
うーん。会ったことある人かな?
[持っていた懐中電灯で照らしてじっくり見ている。特に変わったところはない様だが、中に描かれている少女たちが今にも動き出しそうである。考え込むように絵画を眺めながらその場で佇んでいる]
いない。
家に帰ったのかな。心配だ。いない。
[根拠もない焦りを追い払うように呟きながら、暗い建物の中を小さなぬいぐるみが歩いている。
諦めもせず、うろうろと一人で探し続けている。いるはずのない場所も総て巡り、一度探したところにも何度も何度も顔を覗かせた。
変だな。いない。また囁いて繰り返す。ひたすら繰り返す。
あと何百回やってもぬいぐるみがあの少女を見つけることないだろう――。]
[それはとても微かで。
もしかすると、聴こえた気がしただけなのかもしれなかった。
そのことは、マキにとってどうでもいいことであったし、声の主を探そうともしなかった。]
ああ、やはり。
ニーナは、そちらの人間だったのか。
[絵の中に見つけた青髪の少女に、そう語りかける。
何故、『そちらの人間』だと判断したのかはわからなかった。]
[呼ばれて、立ち止まる。声の主を見上げ、確かめるように名前を呼んだ]
メイ。
[逡巡したあと、ぽつりと呟いた。自分でもよくわかっていないのだろう。そんな声になった。]
ウェンディがいないんだ。
さっきまでいたのに。抱きしめてくれたのに。
探しても、見つけられないんだ。心配です。
[自分から声を掛けたのに、ぽつりと名前を呼ばれるとぴくりと肩が震えた。
昨日とは打って変わった弱弱しい様子に、動揺がはしる。]
ウェンディ、が・・・・・・?
いないの?いないって・・・・・・どこにも?
[声が少し震えた。]
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