壁に囲まれて見る空は、息が詰まった。
お前は、…お前らは、生きろよ。
成仏出来るまで適当に見てっからよ。
[男に見守られるのはさぞ嫌だろう。
配達屋の反応を想像し、口の端を少し上げる。
男が去って行った後もまだ少し、酒瓶を見詰めている。
中で揺れる琥珀に、在りし日を映すように**]
― ほんのちょっとだけ、帰り道で ―
[二連敗はしない主義だ。
ドロテアを口説いて出して貰う、そんなときに口にしたかしなかったか。
多分、口にしていたら、唯一の紅一点からつっこまれただろう]
いや、そうでもないか。
[すっかり忘れられているかもしれない。
それくらいが彼女らしい――唯一自分が二敗した相手。
男は笑う、帰り道で**]