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ただいまーっと。
話、どこまで行った?誰かメモとってたら見してくれる?
[編集長からメモを受け取ると、ふーむ、と言いながら読みこんでいる]
あ、あとごみ袋買ってきたので、ちょっと片付けようぜ。オレらはいいけど、教授とかコケたら骨折しそう。
[片手でぱらぱらとめくりつつ、反対の手で空き缶を袋にぽいぽいぽいしている]
ミカくん、アイスどーお?
[自分のイチゴアイスを取りつつ、聞いてみる。
返ってきた微妙な反応に、あちゃーと口を開いた]
はずれー?うーーん、勇気のいるコメント…
[じいいっと斜め横からアイスを見てみる。
つぶつぶナッツの見える見た目は、さほど悪そうでもない]
ミカ、買いだしオツカレサマですっ。
ぶつけたところは、……[凶]程度なので、はい。
ウルスラ、おかえりなさい。
お手数おかけしました。
湿布、ありがとーございます!うへへ。
[湿布を受け取って、ぺこぺこり]
決着については、まだ…といいますか、
各々、考えてみるのも楽しそうです
[ここで執着王の次男のテシオについて触れておこう。
嫡男。ねちっこー油っこー。
次男。あ、いたんだ
三男。ぷ、なっさけな
で知られる執着王の息子たちである。(一部嘘である)
当時では目立った功績もなく、さりとて目立った失敗もないためにさほど名があがる存在ではなかったが、記録を調べていけば、同じ時代にて最強といわれていた黒獅子に継ぐほど幾多もの戦に参戦しておりそのどれもがいる記録が残っている。
テシオの母親はユリア。月の光も陰るといわれるほどの美女として知られ、執着王が唯一、策を練ることなく得た女性であった。]
[だが元より猜疑心が強い執着王はユリアの美しさを欲しながらも、何も手を尽くすことなく自分の妻の一人にできたことに疑心を抱く日々が続く。
それは息子、テシオが生まれた事により一時おさまるのだが、後に再熱。
執着王には武の心得はなくユリアは当然であったが、テシオには兄弟にはない武の才があったのです。
初めは僅かな疑心であったといわれているが、徐々に似ていないのではないかという思いが強くなり、同時にユリアの乳母兄妹であったものとテシオが似ているのではないかという噂がたつことで激情のままユリアとその乳母兄を謀殺してしまいます。
しかしそれは後に根も葉もない噂であることが分かり深く後悔することとなりました。
後に執着王をなんの掛け値もなく愛したといわれたユリアを自分の手で、しかも間違いで殺してしまったとあればそれは想像に難くないことだろう。
テシオにもその件はわかることとなり、その後己の武才を表に出すことがなくなりました。二人の間でその件について交わされた言葉は一切記録には残ってはおらず、テシオの心中を知るのは、彼本人とあるいは友と言われたローウェルだけだったのかもしれない]
……そっか。
ま、話のネタにはなるよ。苺アイスで口直しできるし。
[決意の表情のサーディに、魚市場アイスの容器を差し出した]
…………。
ね?
[その後述べられた感想には、悲しげに頷く]
とりあえず、それひとくち貰っていいかな……
[綺麗な色の苺アイスを視線で示した]
魚風味とか、まじで無茶しやがって……。よく開発がGOしたよな。やっぱ生臭いんだろうか。
さ、て。オレは、エートゥからおしつけら……いや貰ったこの砂糖のかたまりをどうにか消費しないとならんのだが。
……うーん。コーヒーを丼一杯淹れて、それにぶちこむか……。
『さてここで一つの歌を紹介しよう。いや、わざわざ小生が紹介せずとも読者の皆さんには充分なじみ深い歌、そう「森のくまさん」である。
子供の歌番組等でもよく扱われているので知らない方は殆どいないだろう。
さて、この歌を思い出したときその歌詞に違和感を覚えたことはないだろうか?
歌詞に登場するお嬢さんは熊に出会って逃げるわけだが、本人が自発的に逃げたのではなく、熊から「お逃げなさい」と言われて逃げているのだ。
熊といえば、東方日本の凶獣赤カブトや、幻想郷の使者怠惰の化身リラッ熊など、強大な存在として人間に驚異を与える存在として描かれることが多い。
いや、そもそも森で熊に遭遇したら、またぎでもない限りは、自発的に逃げるか死んだふりをする者が殆どであろう。
少なくとも襲う気でいたのなら「逃げろ」と言ってくる熊はいない。』
『この歌の熊は落とし物を届けてくれたり、一緒に歌ったりと大変友好的な熊として描かれている。一般的には他の凶暴な熊を指しての警告とされているが、中にはそうではないと唱える学者もいる。
ロシアの民俗学者アレクセイ・モフモフスキー博士は「この熊さんは追いかけないと興奮しない性癖があり、そのようなプレイをお嬢さんに要求した。」とする学説を発表している。…勿論見向きもされなかったのだが、このような諸説は数限りなく世界に分布しているわけだ。』
『ここで、その中の一つ、ルーマニアの歴史学者クリスチャン・ネコミミラヴラヴポヴィッチ博士の論説を紹介しよう。
アメリカ民謡と言われるこの曲であるが、9世紀の欧州、謎めいた英雄が活躍した都市で知られるヴィスコラクにこれとよく似た歌が残っていたというのだ。この説が正しければ、この歌の発祥はアメリカではなく、ヴィスコラク周辺になる。
ヴィスコラクの熊……小生の刊行物を熟読されている読者諸君ならもうおわかりだろう。そうこの歌はシュテル三将が一人レオパルドを指しているというわけだ。』
『氏はこう語っている。
当時の交通事情は今とは比べものにならぬほど劣悪で、そして危険に満ちていた。街道と呼べる程に整備された道はごく限られた箇所のみしか存在せず、地方へ赴く多くの行商人はキャラバンを組む等して自衛に努める必要があった。
勿論そういった行商を狙った略奪行為も多く、視界の狭まる森や山岳地帯は盗賊たちの格好の住処となっていた。
当時の森は野生の獣と人の皮を被った獣たちが蠢く極めて危険な場所であったのだ。
当然、為政者にとって物販の流通が滞ることは何かと問題であるし、自らの縄張りで不敬な輩を放置もしておけるわけもない。お抱えの兵を使い大なり小なり討伐隊や見回りは行われていた。
特に執着王ヴェルフェルミの政策は顕著であり、かなり多くの記録が残されている。
執着王などと不名誉な通り名を冠してはいるが、裏を返せば規律に重きを置いていたとも言えるわけである。
厳格な法に縛られた住民たちの生活が快適かどうかはさておき、その法を守りさえすれば他の都市に比べ幾分か安全な生活は送れていたのは確かなようだ。恐怖政治の側面にこういった事項もあることは興味深い。』
『さて、ここで一人の女性が登場する。ヴィスコラクの有力商人として名が残っているイグレシアス家のご息女フェミリアである。当時の同地方ではイレアナという伝説的才女がいたためか、今日それほど多く名を聞くことはないが、彼女もまた才気に溢れた美女でああり、現存するいくつかの肖像画からその人気は窺い知ることができる。
さて、その肖像画であるが、そこに描かれている彼女に一つの共通点を見つけることができる。
貝をあしらった耳飾りである。河川はあれど海から離れたこの地方でなぜ貝なのか? 有力商人の装飾にしてはいささか地味というか清楚な印象すら受けるこの飾りを、彼女は後生大切に身につけていたと言われている。
当時の流通を考えれば確かに珍しい部類には入るこの飾り……さて「森のくまさん」がお嬢さんへ届けたものはなんであったか?』
『全ては残った文献に憶測を当てはめただけである。程なくしてレオパルドはシュテル側へと出奔し、ヴィスコラクは戦火に覆われた。グレシアス家が、そしてフェミリアがこの後どんな末路をたどったのか? 残念ながらそれを教えてくれる文献は未だ発見されていない。
けれど、遠い時を越えて今、子供たちに愛唱されるこの歌が一人の運命に翻弄された軍人と、うら若き乙女の逢瀬を描いたものであるならば、その可愛らしい歌詞とメロディラインから、彼の人となりが伺えるのでは思い、感慨深くもあるものだ。
── ヴァルター=V=ラーゼン『村長さんちの童謡大全』より』
ドロテアに言われてた本を探してたらこんな本もあってな。とりあえず『村長さんち』シリーズを一通り借りてきたぞ。
[部屋に入ってがさごそとバッグから本を取り出しながら]
おーアイスまだ残ってるかな?
俺ガリガリくん[夫婦]味好きなんだけどある? あれってさ[お嫁さんを貰った]な気分になるしいいと思うね?
マティアスそれ……購買の自販機の?
[>>16ちょっとした雪山になっているカップに瞬きして]
でるときはでるのね。砂糖。
[コーヒー入れよう? と、バニラアイスに「刺激100%!スッキリすっぱい恋するレモン」をつぶし入れる作業を中止して、どんぶり探し探し]
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