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−→サロンカー−
[列車の中は、この記念すべき初運転を楽しむ人々の往来が幾らかある。
ピェルヴィクラースの乗客達はと言えば他の車両よりも幾らか上品に
列車の旅を愉しむ乗客たちが多いらしいようであった。
そんな人々と簡単な挨拶を交わしながら眼鏡の主はサロンカーへと辿り着いた。
上質な食堂車でもあるその場所は上等な設えとなっている。
入口の近くに用意されているサモワールも凝った意匠が刻まれて、
その傍を通ればやはり温かく、また、その上の小さなポットに用意された
紅茶の馥郁とした香りが銀色の給湯設備のあたりに漂っていた]
(流石、女帝の名を関するだけはある。趣味のいい場所だ)
[薄い唇を持ち上げると笑みの形になった。
流れる風景を楽しむことができる窓の傍の席を確保して、
給仕が通りすがれば温かい紅茶を頼む。
花型の小鉢に用意された添え物は、花のジャムだった]
…おや。
[丁度紅茶が用意されたその頃、向こう側から人がやってくるのが見えた。
小さな人影と、その人物に挨拶を投げる坊主頭。
フランスは黄金の丘とも呼ばれる街で料理の腕をふるっていたという噂の
厨房の主が選んだ花のジャムには種類かあり、勃牙利の薔薇に
仏国の蒲公英に菫、どこから手に入れてきたのかは分からないが桜もあった。
その中から金色に輝く蜂蜜のような蒲公英のそれを金色の匙ですくい上げて
とろりとした柔らかい甘さを口に運びながらその二人に視線を向ける
幸いか、災いか、その二人と眼鏡の主が座る席はとても近かった。
挨拶を交わす様子を聞きながら、紅茶を口に運んだ*]
もう、あなたまで小さいとか……
[参ったな、とか、小さな呟き]
ワタシたちのような存在は、彼らに好まれるものではないでしょうから。狩るも狩られるも……表裏一体です。あなたに気をつけてなどと、お節介な言葉だとは思いますが、けれど、気をつけてください、ね。
[指が冷える、というより]
痛いくらいです。
[薄い手袋では、シベリア鉄道の寒さには不十分で。手をこすりながら、食堂車へ]
動かしにくいですが、もう少し厚手のほうが……
[と、名前を呼ばれた気がした。否、可愛いとか、小さいとかの形容詞はおおむね自分に向けられる言葉だと、知っている、経験上。だから、声のした方に顔を向ける]
>>14
これはこれはご丁寧に、オラヴィ卿。
[明らかに自分が呼ばれた証拠に、相手と目がったので。にぱっと笑って、言葉を返す。剃髪にディナージャケット、相手の仕草はいくらか芝居がかって見えて……言葉遣いのせいかもしれない……なので、自分も帽子を取って大げさに会釈してみた]
ラウリ・スモーバーです。こちらこそ、よろしくお願いします。
[ざっと車内を見回す、大体が上品な様子の客ばかりだ、いずれも物見高い人たちなのだろうけれども。オラヴィの傍の席に座る、紅茶を嗜む眼鏡の人も視線を滑らせて、最後にまたオラヴィを見やり]
こちら、よろしいですか?
[混んでいる、というほどではないが、合い席を断るほど空いてもいないか、と。最初と同じ笑みを向けて、訪ねる。
給仕が通りかかれば、チャイを、頼む。香辛料を細やかに指定したりして]
[紅茶が運ばれてきて、給仕に礼を言うと、薄いカップに口を付けて]
ジンジャーもシナモンもあまり好きではないのですが。温まるにはこれが一番です。
[冷えたままの手をカップで温めながら、そんな世間話じみたことを口にするだろう*]
―食堂車―
[幌のない連結部分で外気に晒され、盛大に顔をしかめながら扉を開く。
と、向こう側には一瞬列車内である事を忘れるほどの、豪勢な空間が広がっている。
そこに漂う暖気と食欲をそそる香りに、ほっと安堵するものの、同時にかくりと肩を落とす。]
ひ…広い…。
一等車両まで辿り着くには、ここを通って行くしか道はない。つまり誰にも見咎められずに行く方法は無い、という訳だ。
ふうむ、はてさて、やはり途中駅にてどこか一等車が空くのを待つか…。
しかしあのアメリカ人―だろうて、あの様子は?―の青年との旅も愉しそうで捨てがたく思う。
む、そうだ。一等を訪ねる用事を作れば良いのではなかろうかな?
[...はぶつぶつと口の中で何やら呟いている。]
[つまりは、自身の今居る場所から、ちょうど反対側の出口近くに陣取る乗客を一等車の客と当たりを付け、そこでのんびりと紅茶を口に運ぶ眼鏡の人物に声を掛けた。]
失礼、ムシュウ?こちらご相席、よろしいでしょうかな?
[と、記者 レイヨの向かいの椅子に手を掛ける。]**
[微かなざわめきは人と人との会話で生まれる。
静かな波の行く来るに似た音の中から名前を拾う。
G・B・オラヴィ。ラウリ・スモーバー。
時折新聞や雑誌の記事で名前を見かけたことがある気がする名前、
その周りにも気づいたものがあれば幾らか二人の邂逅を見ていた。
一転、眼鏡の主はと言えば滴る金色と紅茶のカップを交互に動かし
懐の手帳に葡萄黒のインクで今まであったことを回想しながら
文字を書きつけ、耳を欹てるにすぎないという状態であった]
…何か?
[金色の蒲公英のジャムの最後の一口を頼み、新しく紅茶を
給仕へと頼んだところで掛けられた声に気づいて、万年筆を動かす手を
止めてから眼鏡を軽く押し上げながら、幾らか俯いていた顔を上げた。
相席の申し出、聞こえたムッシュウの呼称に破璃の奥にある
双眸を幾らか愉快そうに細めて快諾する]
ええ、是非どうぞ。
折角の旅路、これも何かのご縁でしょうから。
[新しい紅茶が丁度きたこともあり、給仕を呼びとめ相席者の注文を待たせる。
それから頼んだものを聞き取り、さりげない動きで手元の手帳に書き込んだ*]
[相手の返事を待つ間、顎をつるりと撫でながらあれこれ独り言のように喋っている]
スモーバー家…子爵…伯爵…?んっんーん、侯爵家であったか?どなたかの遠縁であられたか…な?
んっんーん…ロマネス家?
[斜め上を見ている風に目線を動かしながら、ラウリの反応をうかがっている。何か表情やしぐさに感情の動きがあれば見逃さずに心にとめ置くだろう]
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