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[街の人々に無関心な様子に唸って]
オマエ、冷たい奴だな。
街のみんなはいい奴なのに。
[ぐっと手を握ってその顔から視線をはずした
内心ではムカンシン女だ、などと思いながら。
黒髪の女が妙なことを言っていたアンだと気付き
また懸命に小難しい顔をする]
オレのとーちゃんとかーちゃん?
[なんだか見透かされたように感じたのか]
オマエ、知った風な口聞くんじゃねー!
オレのとーちゃんなんか帰って来るもんか!!
[ぐぐっと手を握り締めて睨みあげる。
父親の顔なんて、生まれてから一度も見ていない]
そうだね、連絡あるよね。
[そんなの、何処にも保証がないんだけど。それでも、俺の手はそんなに長くないから。俺が守れるものなんて、何一つないんだから。今腕の中にある人さえも、守れるかわからない。それでも俺は、助けたいと思うから。美夏も、イマリも、マシロも、ズイハラさんだって。もう一人いた子供の事は、よく見えなかったからわからないけど。それでも、偶然に同じ世界に取り残されるなんてありえないから。きっと何処かで関係があるんだろうなと。]
俺達、何してよっか?
うん。きっとあるよ!
[アンが消えてからずっと何かを考えている風なジュンタの様子を心配しながらも、明るく答え]
うーん…。何しようか?
メールって…また新しく11月1日が始まるまでに送らないとダメなのかな?
もし、その送ったメールに書いた名前が死者じゃなかったらその人はどうなっちゃうんだろ?
[こてり首を傾げながら、いつの間にか再び降り積もった雪が天へと戻って行くのを指さす。]
さぁ、どうなんだろう?
でも、やっぱり1日一人なんだろうなぁ。
危ないかもだし、軽率に送るのはやめとこうな?
[そう言って、少し考える。]
美夏ちゃん、あのさ。
異常な状況下で芽生えた愛は長続きしないって知ってる?
[少しだけ悲しそうに]
冷たいね…。
心配して町の皆が帰ってくるわけないじゃない。
[少年の様子に呆れたように溜め息をついた。
そうしているうちに、手の中の携帯電話が震えた。
その送信主を確認したあと、そのまま携帯を閉じる。]
…………………で?
[気付けば目の前の少年が激昂している。
言わんとしていることは分かるが。]
あんたはどうしたいの、これから。
[淡々と尋ねる。]
1日1人かぁ…。
[手の中にある携帯を見つめ]
うん。試しに送ってみようとかそんなこと考えるのやめとく。
[こくこくと頷き]
……………?
異常な状況下…。
[悲しそうに言う彼の言葉にちくりと胸が痛む。]
うーん…。でも好きって気持ちはどんな時でも一緒だよね?
長続きしない…か…。
でも、その人の事が本当に好きならどんな状況でも変わらないと思うし、変わったとしたらそれほど好きじゃなかったってことなのかな?って思うよ?
ほら、映画とかでよくあるじゃん?
すげー事に巻き込まれて。
二人で頑張ってるうちに、恋してるって奴。
あれってさ、種としての生存本能って奴なんだって。
だから、日常に戻ったら、冷めちゃうんだってさー。
[彼女の肩を抱く手に、少し力がこもったかも知れない。]
………そんなんだったら、戻りたくないなぁ。
ずっと好きでいたいしさぁ。
そんなこと、わかってるさ
[心配したところで帰ってくるわけじゃないのは
わかっていた。けれど、それでもそんなふうに
冷静にはなれなくて]
オレは。
[ずっと消えない不安で揺らいでいた気持ちが
もう限界だと悲鳴を上げる]
オレはあっちのコンビニに行く。
イマリも…おっさんもいるし。
[一人よりも二人、二人よりも三人…の方がいい。
それはいつも仲間といて実感していたから。
それに、走ったおかげで喉がカラカラだった]
ありが、とう…
[少し掠れた声で、ズイハラに礼を言う]
―――。
[問い掛けにはかなりの時間を要したかと思う]
わからない。
[それでも答えられる物はそれだけ。]
…ジュンタはね、あいつの好きだった人と会えた。
[ぽつりぽつり]
…ズイハラさん、さ。もしも、ね。
この世界が大切な人と会えるんだとしたら。
…ズイハラさんも、会いたい人、いるでしょ?
[それは何処か縋るような問い掛け。
返答もろくにできないのに、問い掛ける、瞳]
あー…。うん。確かに映画でよくあるね。
日常に戻ったら冷めちゃうんだ。
なんかそれって寂しいね?
[彼の自分の肩を抱く手に力がこもったのにはっと顔をあげ、続く言葉には恥ずかしさからすぐに顔を伏せ、言葉の意味を考える。]
…………。
ジュンタは元に戻ったら、好きじゃなくなっちゃうかもしれないんだ?
私はそんなことないよ?
[彼の顔を見上げ、ぷぅっと頬を膨らませた。]
[マナーモードにしていたせいか。
ジュンタからのコールには気付けずに。
ただぐるぐると頭の中、回る思いに捉われては、
ズイハラに問い掛けた言葉が己に還る。]
もしも、ここで会いたい人にあえて、
それがその人にとって幸せなら、ね?
…アタシたちに、それを止める権利ってあるのかな。
…その人が大切な人と一緒にいたいって、
望むような世界だったなら、さ。
…アタシたちが、帰りたいって思うのと、
気持ちはそう、違わないんじゃないの?
[何処か、責める様な口調で紡ぐ、も]
……ごめんなさい
[それに気付けば、小さく謝罪し、視線を逸らす]
あぁ、冷めちゃうの。寂しいよねぇ。
[顔を伏せた彼女から紡がれた言葉は、少し恥ずかしくて。]
あ………いや、今の気持ちに自信がないんだ………
俺、美夏ちゃんの事………好きだけど。
この好きが、壊れちゃうかもしれないの、怖いし。
もしも時が止まるなら、今のまま………
[言いかけて、自分の言葉に赤面する]
[ふぅと、小さく息を吐く。]
あっそ………。
何をすべきか。
優先させるべきことは何か考えなさい。
あんた、父親のかわりにお母さん守らなきゃダメでしょ。
[雪が再び昇り始める。]
………気を付けて行きなさい。
そうそう。
私はあんたが死人じゃないことは知ってるわ。
だから頑張りなさい。
[空を見上げたまま。]
ふーん?
自信ないんだー?
[抱かれていた腕から逃げるように数歩前に駆け、くるりと彼の方を向いて]
元の世界に戻ったら壊れちゃうの?
ずっと傍にいるっていったくせに…。
私は変わらない。元に戻っても変わらないよ。
ジュンタが傍にいてくれれば変わらない。
[赤い顔で、でもまっすぐに彼の顔を見てそう告げ、いーっだという顔をした。]
言われなくても…っ
[手をにぎにぎして俯いて積もる雪を睨みつければ
また、雪が空へ還って行く。
視線は自然と雪を追うように空へ]
何をすべきかって、なんだ?
死人を探すってことか?
オレが死人じゃないことを知ってるって、
何でそんなこと言えんだ?
[悪戯を仕掛けても一番面白くない類のオトナ。
それだけはよくわかっていたが]
それで、かーちゃんが帰ってくんなら
探してやるよ、死んでる奴を。
[頑張りなさい、って言葉に素に返って頷いて。
じゃあな、と言ってコンビニへ向かってかけだした]
[口走り、視線を逸らしては。
何を言っていいかわからなくなってしまった。
半ば、泣き出しそうな瞳で、外を見つめる。
雪は再び、静かに空へと還って行く。
それに何かを重ねるように]
――。
[ぼんやり見つめては、黙り込む]
[するり、腕を抜けた彼女。彼女から紡がれた言葉は嬉しかったけれど。いや、嬉しかったんだろうな。単純に。]
ずっと一緒にいるよ………許されるならずっと。
俺、やっぱり美夏ちゃん好きだし。
壊れないって、この気持ちは本物だって、思えるし。
………うん。
[ふぅ、と一度深呼吸。真面目な顔で一度だけ]
好きだよ。多分、アンよりもずっと。
[言い終えたら、照れ隠しに顔を反らして]
―コンビニまでの道―
[還る雪が気になるのか、走るスピードは遅い。
空を見上げては首をひねって、
時折ゆらゆらと見える何かを見ては首をひねり]
今度見たらぜってー追っかけてやる!
[ぼっそり呟いたところで商店街へ向かう道の方に
ゆらゆらとしたものを見つけて]
いた!だーっしゅ!!
[そのゆらゆらに向かって走り出す]
[彼の口から紡がれる言葉に赤い顔がますます赤くなって、その顔を見られないように少し俯いて彼の言葉を聞く。
間が空いて告げられた言葉には顔をはっとあげ、にこりと微笑み]
うん。私も好きよ。
ありがとう。
[そう伝えれば、彼の顔を自分も見ることができず、うつむいた。]
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