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[両の手に握っていたはずの人影は消え、ひとり、川辺にぼんやり立っていた。
向こう岸には、どこぞの国の川の名前がついたレストランが見える。
昼の11時、一人の女性が出てきて本日のランチを黒板に書き記す]
[腕を伸ばしてコインを掲げると、店はすっぽり見えなくなった。
指先から力を抜き、ぽちゃんという音だけを聞く。
親指と人差し指の間に出来た空間に現れたのは、髪の毛を二つにくくった、桃色のワンピースを着た女の子]
[大きな鍋をパラボラアンテナ代わりにした、小さな家。
そこにたたずむ者の名を呼ぶが、自分が何と言ったのかわからない]
いってきます。
[どこぞの国の言葉で呟いた後、手を振った**]
―― ある日の我が家 ―−
[トゥルルルルルル]
はい、ダディです。
はい、マイナンバーは届きましたです。
番号確認ですか? 少々お待ちくださいです。えー
[受話器を肩で支えて、封筒をごそごそ]
これはなんですか?
[ギフトボックスを渡してきた、セーラー服姿の学生に首を傾げる]
『結婚記念日のお祝い、と』
[苺を1パック手にして、女学生は、岸に近づく肉球サーベル号へ駆け出した]
アチョー!!
[ヌンチャクを振り回し、昨日見たバトルアニメの真似をする。
そんな昨日なんてものは、本当はなかったんだけれども**]
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