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[1歳に満たない娘を抱きかかえ、ゆっくりとした足取りで境内を歩く。
軽く身体が上下に揺れるのは子をあやすが故]
…貴女のことも引率して欲しかったのにね。
[その頃には代替わりしていただろうけれど、去年の会話を思い出してそんなことを呟いた。
去年は2人、神隠しに遭ってしまった。
神隠しなんて起きないと良いね、なんて話をした次の日のこと。
頼りがいのある青年と、毎年屋台を出していた女性が忽然と姿を消した]
[神輿の準備をしている場所で、モミジに向かって手を振る人物が居る]
あら。
カエデ、お父さんよ。
[左肘を持ち上げ、娘の顔が夫に向くように動した。
手を振る人物が父とはっきり認識しているのかは分からないが、娘は嬉しそうに手足をばたつかせている]
お父さん忙しいみたいだから、また後でね。
[モミジも手を振り返せば、夫はまた準備へと戻った。
腕の中の娘を宥めると、再びモミジは境内を歩き出す]
夏の一夜に咲く花や
願い叶えし祭の夜
開く常世の参り道
招く御手は何処へと
[我が子をあやしながら口ずさむのは、最近書き始めた神隠しについての物語の一節。
世に出す作品と言うよりは、あった出来事を書き記した手記に近い]
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