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[配達を終えて、のんびり自転車を走らせる。
ふと見えたアパートの一室に、見覚えのある顔が見えた]
あれ……アンちゃん?
それにデンゴくん?
[間違いない。失踪したと言われる2人だ。
しかし何故こんなところに?]
あ、そうだ。
[娘はポケットから狼煙を取り出し――]
[しばらくして、消防車と駐在員が駆けつける。
どうやら、火事と勘違いした誰かが
緊急の電話を入れたようだ。
火事はどこですか!?と尋ねられ]
いえ、火事じゃないんですけど
そこに……失踪してた子がいたんです。
[それを聞くと消防署員と駐在員は
建物―尾石荘―へと向かう]
[その後、別の部屋から
グリタとクルミも発見され、4人は無事保護される。
第一発見者は功績を称えられる前に、
知らせる方法に問題があったと
多少叱責されたとか*されなかったとか*]
[それから――
モミジの周囲の変化はごく僅かだった。
顔なじみの駐在員の代わりに来ていた
左道使いの存在は知らない。
ただ、彼から来ていた贈り物がひとつ]
……誕生日プレゼントですか?
まだ半年以上も先の話なんですけどねー。
[返す相手は既に村を離れ、行き場がない。
戻ってきたノギ巡査には覚えがないという。
そんなわけでつぐみ亭のカウンター横には
炭細工のフクロウが鎮座している]
[しかし、あれ以来ゼンジとクルミの姿を
見る事はなかった。
客としてではなく、通りで会うことさえない。
他の客が相変わらず色々な噂話をしてきたが
モミジはそれらを出来るだけ聞き流した]
不思議ですよね……って
はい、鯖の生クリーム丼できましたよ。どうぞ。
[彼女が弁当と代金のやり取りをしている裏で
優しく勇気ある少女と飄々としているが芯の強い会社員、
そして失われたひとを思い続ける骨董屋の主人が
「だいじなもの」のやり取りをしていたなど
知る由もない]
[噂話を聞きながら思う。
一応は丸く収まったように見えても
実際はそうじゃないんじゃないかと。
客の波が引いたところで
そんな思考を巡らせていると奥から声がかかる]
「そろそろ配達行ってもらっていいか?」
分かりましたー。
[二つ返事で自転車に乗りこみ、
配達先の駐在所へと*向かった*]
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