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うぇー、まわるゥ。
[ようやく噎せこむのが落ち着いて、消毒の代わりに得た深い酔いに床に腰を下ろす。
ぐらん、と世界の回るのに合わせて天井を仰いで、視線だけで"いい人"を見た。]
殺したい、と、殺してみたい、は違うのかァ。
違うかも。あは。あはは。
[笑い上戸だ。意識せずともほろほろほろほろ零れてきてしまう笑い声は、何かを笑う意図を持たない。]
ボクは、殺してみたい、だなァ……
咎め立て?
[立ち上がる彼を焦点の危うい目で見ている。]
するの。したいのォ。
誰もしないんだったら、誰もされないよねェ。
そういう、ことなんじゃないのォ。
[もし彼が、どこか途中でそのまま扉を開けて出て行ってしまっても。
たった一人になったバーの中でも、男の言葉は続く。]
誰かを殺したって誰からもお咎めなしなんだって、事だよねェ、今はァ……ふふ、ははははっ、あは、
――――なァんで、皆出ていっちゃうんだろねェ。
どこに何があるかわからない外よりィ、ここに一人でいるほうがァ、侵入者もわかるし安全そォなのに、なァ……
[ぐらりぐら、酒も意識も視界も回るので。
床に座り込んで天井を見上げたまま、睡魔に身を委ねてしまうかを、考えあぐねている**]
[カツカツとヒールの音が路地に響く。
どこまでいっても路地裏。
薄暗く湿った匂いのする、腐った道。
表通りなんて見えやしない。
いくら角を曲がっても、路地、路地、ああ何処が裏だったっけ?]
……いやぁね
[血を吸って重くなった帽子をくるりと回した]
[殺してみたい、と零された言葉には、酔いに染まったその面をひと時じっと見据えて。だがふと視線を逸らすと、緩慢な歩調で歩き始めた]
別にしたくもされたくもない。
ああ。その通り、誰も気がないのならばな。
誰の手によるものかは、興味が湧かないでもないが。
――精々気を付ける事だ。
殺してみられる側にならないようにな。
[続けて言葉を返しながら、バーの外へと出――
男は、眉を寄せた]
……、面倒が此処までだとは。
[扉の先にあったのは、路地裏だった。その事実だけならば、おかしくはない。
だが、その路地裏は、男が見慣れるそれとは様相が異なっていた。見た事のない、場所だった。
少しの間、立ち止まっていてから。男はコートを揺らして*歩き出し*]
[それはいつのことだったか。
君の耳元で声がする。いや、しなかったのかも、しれない。届いたかもしれないし、届かなかったかもしれない。]
[重い扉を開けて、酒場を後にする。眼鏡が何事かぶつぶつ言うのが聞こえたが、気にも留めず。
胸クソ悪い、もう帰って寝ちまおう。そんなことを考えながら歩く。薄暗い道、水銀灯がぽつりぽつりと灯って]
[店の外は変わり果てていた。訳が分からない。
部下達はどこに行ったのだろうか。
数人、名前を呼ぶがむなしくこだまする]
あのバカども…。使いようのねえバカとは思ったが救いようもねえとはな!
[悪態を着くが、先ほどの事を思い出す。
何か、おかしいのは確かだ。酔いの中見ている夢ではあるまい。
懐の銃を触り、その冷たさと重さを確かめる]
バカほど可愛いもんだ…。
どこに、行きやがった。
[何とはなしに、もう全員生きてはいないのだろう。
そんな気がしていた]
[かつん、かつん。ゆっくりと歩く]
だぁれもいないから
[かつん]
殺してもいいよ、って言いたいのかしら
[響く声。頭上を飛び去る影。羽音はほとんどしなかった。
幾つ目かの曲がり角。抜けた先に人影を見る]
ねえ、おにいさん
[眼鏡をかけた優男はどうやら手持ちがないらしい。名前をいくつも持っている子犬ちゃんはどうだろう。背の低いおじさんは嫌いじゃないけれど、今は気分じゃない。どうせならやっぱり、男らしい血の気の多い人がいい]
……どう、思う?
[この街を。この夜を。
そんなことより、この肉感溢れた肢体を。
何を、とは言わずに首を傾げ]
…どこだっけ、ここ
[慣れた道、の、はずだった。
別段意識しなくたって足が勝手にアパートまで運んでくれる、それくらいに慣れた道。しかし、今日の、ここは]
知らねえぞ、こんなところ。
[突然背筋がぞわりと冷えた。自然と足が速まる。駆け出した先に見える大通り、そこまで行けば]
あ?
[次の街灯まで行けば、大通りのはずだった。明るい道が、すぐそこに見えていた、はずだった。]
飲みすぎた、のか 俺
[まるで逃げ水のように、大通りの気配は遥か遠く。そこにあるのはさっき通った裏通り。半分蓋の外れたゴミ入れのバケツに、見覚えがある。
立ち止まって、ゆるく頭を振った。少しの頭痛。それでも意識がトぶ程、飲んじゃいない。訳がわからず、二三歩後ずさり]
[くるりと踵を返して、早足でもと来た道をたどる。
先に出て行った連中は逆方向に行ったのだろうか。とりあえず戻ろう。警察やらが呼ばれていれば面倒だが、とりあえずそんな常識的な光景は忘れ去られていた。]
…暫く、酒飲むの、やめよ。
[酒のせいなどではないと、薄々気づいてはいたのだが。]
殺してみられる。
[緩慢に落ちる男の言葉を拾って、瞬いた。
睡魔に負けかけた意識も、少し引き戻される。]
うーん、それもねェ、ま、いンだけどぉ。
確かに、あんまり、歓迎はできないかなーァ?
寝てると、危ない?
かもねェ。
[意識が落ちてしまえば、それだけ他への反応は鈍る。
それはよろしくない。むざむざ殺される餌になるためにここにいるわけではないからだ。]
[独り言だか誰かに投げかけているのかすらも定かでない言葉たちは、床を転げたり跳ねたりしながらも酒気に消え。
はたりと止まったところで、何処かから声がした。]
――うむ。
そうだなァ。誰もいないってことは、誰も殺せないってことだもの、なァ。
それはよくないね。うん、何よりよくないなァ。
せっかくさ、何したっていいっていうんだから、ねェ。
[どこから聞こえる声だとか、そんなことは瑣末。
この声が自分に危害を加える気がない(だってそうだろ、欠片でもその気があるなら、こんなふうに煽っている間にもボクをそこの女と同じようにしてしまえばいい)なら、ここにいたって何かが出来る保証もないのは、その通りなのだから。]
よっ、と。
[弛緩しきっていた身体を、ぽんと跳ね上げ。
まだふわつくままに、立ち上がる。]
そうそう、できることじゃないものねェ。
[白い服の懐、巻いた青いストールの下。
忍ばせたものの感触を確かめて、口角を上げる。
鼻歌まじり、息絶えた女のもとへ寄った。]
[こつり、こつり。
狭い道に、足音はよく響いた。路地裏は、長く続いた。長く、続き過ぎた。幾ら進んでも、幾ら曲がっても、何処までも路地裏が続いていた]
…… は。
[振り向く背後も、進んでいた前方も、全く変わらず、ひたすらに狭く薄暗く]
ごめんね。
みィんな、行っちゃったからさァ。
[首を裂かれ、床に倒れた女の襟元を正す。
椅子に座らせるのはやめた。壁に凭れかからせるように、上半身だけを起こさせた。]
じゃァね。
さよなら。
[無情にも死を齎された彼女の、まだやわらかな唇にそっと触れ。
そのまま、自分の唇を重ねた。]
[こつりこつり。かつんかつん。
響く足音。通りの向こうに見える人影]
あらぁ…
あのお店だけが、世界なのかしら
あのお店と あの、なんだったかしら
[あの、鳥。
道の向こうでこちらをじぃ、と見ていたあの。
ああ、あの軒下もなくなっていた。
ひとつずつ、なくなっていった]
[たっぷりと何秒も、そのままでいた。
抵抗はされない。当たり前だ。
唇を舌でなぞっても、そのまま無理矢理に割り開いて口内を求めても、彼女が動くことはない。
首の傷が喉を貫いて回ってきたのか、それとも自分の舌を噛み切った血がまだ止まっていないのか、生臭い血臭が口吻に混ざる。]
……不味。
[ようやく彼女を解放して、はじめに言ったのはその一言。]
やっぱァ、キスは生きてる女のがいいかも。
これ、借りてくね。
[カウンターの隅の隅。
まだ血に濡れてぬらぬらと光るナイフを、拾い上げた。]
じゃ、今度こそ、さよなら。
運が悪ければ、またね。
[くすくす、とまだ酔い残るままの笑みをこぼしながら、ゆらぁり、と、ひとりと彼女きりだったバーを、ようやく後にする。]
あ。
洗ってくれば、よかったなァ……
[投げられて、血濡れた身体。
赤いナイフ。それを拾った手。
バーというものは水分には事欠かないものだから、洗うには困らないはずだ。]
ま、いいか。
[そうして、上機嫌のまま、歩き出す。
時々、なんとなく走った。]
[知らない場所だ。それには気づいていて、走っていた。
バーを出たその先が知らない場所であること、それ自体はさすがのこの男でも気にしたのだが、帰せと騒いでどうなるとも思えなかったし(マスターもいないしね)、何より知らない場所は大の好物なのだ。
あちらこちらの路地や曲がり角やそこいらの建物の窓やらを覗きこんでは、とにかく何かの手がかりを探そうとしていた。]
〜♪
[それはもう、極上の白砂糖と出会ったみたいに気分のいいことだ。]
[小脇に抱えた小さなバッグ。
ハンカチと化粧道具と]
どうしよう、かしら
[ナイフひとつ分軽くなったバッグ。
同じくらい重くなった帽子]
う、 げ
[この状況に相応しくない、極めてのんびりとした声音に、いやそれ以上に、その声に似合わないあまりの惨状に、潰れた蛙のような声をあげた。]
なんもねえよ。
俺にはもう何がなんだか、わかんねえ。
[しゃがみ込んで頭を抱え。
深く、溜息。]
しかし何してたんだ、お前。
まるでお前が殺したみたいに、なってんぞ…
[眼鏡を見上げる格好で顔を上げ、ウルフ(もう注釈は要らないかと思う)は半ば呆れた口調で、呟いた。]
人と会ってそういう声はよくないと思うんだけどなァ。
[笑みをほんの僅か濁らせて、ウルフを見やる。
たまには機嫌を損ねることもある。]
何って、何もしてないよ。
待ってても誰も戻ってこなさそうだから出てきただけ。
[お前が殺した、と言われれば、眼鏡の奥の瞳をきょとんと。]
んん、半分あってる、半分外れ。
もしくは未来予知?
[顎に手を当て、思案顔。
まだ殺してはいないので、間違ってはいない。]
だってあのお兄さんさァ、わざわざ血溜まりの中に投げるんだもんさ。
白い服の人間をだよ? 信じられる?
[それだけでなくて、血濡れた彼女の姿勢を直したりだとか、膝ついてくちづけしたりだとかの赤もあるのだけれど、まあ彼女の命の色には違いない。]
でさ、そんなことより。
ちょっと付き合ってほしいんだけど、いい?
[誰でも、よかったのか。
いや、ウルフがよかったのか。
その裏側に刃を隠しながら、またにっこりと笑みを作った。]
んだ?探検でもすんのか?
ここを?
[よ、と反動をつけて立ち上がる。
眼鏡を見下ろしながらポケットを探り煙草を取り出して]
あ、要るか?
探検っていうか、実験。
[酔いは回りやすく醒めやすい。
酩酊感や呂律の危うさはもう無いが、かわりに興奮に酔いそうだ。
つとめて、素を保つ。]
煙草は吸わないから、いらない。
けど……他のものが欲しいかな。
[こっち、と細い裏路地に入っていく。]
そうだっけか。
[眼鏡(実は名前を聞き逃していた)が煙草をやるかどうかは、知らない。記憶にない。「いつも目にしていたはずなのに」。
俯き気味に歩きながらマッチを擦り、くわえた煙草に火を点けた。独特の燻る臭いがする。]
……で、なんだって?
[マッチを後ろに放り投げて、ウルフは顔を上げた。]
そうだよ。
[煙草をやるのやらないのを彼が覚えていないことを、不思議には思わない。
自分だって、彼の名前すら覚えちゃいないんだから。]
ねえウルフ。
ウルフはさ、誕生日を覚えてないって言ったよね。
だからさ、だから、今日を忘れられない日にしようよ。
[路地を、ゆっくり行きながら。
ぽつぽつ言葉を落としていたら、袋小路の、どんづまりまで来てしまった。
行き止まりだとは思っていなかったけど、好都合。]
ボクにとっても、キミにとってもだ。
輪廻は信じる?
[後ろに放られたマッチ。小さく燻って消える。]
それから、警察は好き?
ボクは、あまり好きじゃないけど。
ほら、誰も咎めないって言うからさ。
今日をキミの、誕生日にしよう。
[叶うなら、足でも引っ掛けてこの路地に彼を押し倒す。
上に乗れば、細腕にしてはそれなりの力が、ウルフを抑えつけるはずだ。]
[立て続けに放たれた言葉にたじろいで、一歩後ずさる。]
警察…。まあ、普段碌なことしてねえし…。
ま、殺しはやってねえな、辛うじて。
[人を殺したことはない。
そういう願望は持っていない…はずだ。多分。
とはいえ、血の気は多いほうだ。
わけもなく苛立つような時、誰かをぶち殺してやるのを夢想したりする。それでも、想像の中で頭を打ち付ける感覚を、首を絞める感覚をリアルに感じたりはしないし、大体そののっぺらぼうの『誰か』に、知った顔を貼り付けようとすれば、安っぽい殺意なんかたちどころに吹き飛んでしまう。カウコだったりウルフだったりする彼は、そういう小物だった。]
……え?
[目の前の景色が、ひっくり返った。
何が起こったのか、よくわからない。]
…なんだ、って?
[眼鏡の奥の瞳が、すぐ傍に見えた。
こいつは今なんて言った?
輪廻?誕生日?]
おい、どいてくれ
[起き上がろうと頭を持ち上げた瞬間、思いも寄らぬ方向から力が加えられた。つまり、ウルフは地面に押さえつけられた。]
てめ、何しやが
殺しはしたことないって言ったね。
ボクもだ。だけど、ここには、警察が嫌いな二人しかいなくて、なんだかわからない路地の隅。
そして、やったことないことは、何だってやってみたいのがボクなんだ。
[女の元から連れてきた、銀のナイフを右手に握る。
光のささない薄暗さ。刃は光を弾かない。]
ボクは、キミを殺してみたい。
[右手を振り上げる。このまま降ろしてしまえば、女とは反対側から、首を貫くことになりそうだ。]
[眼鏡が腕を振り上げた。ゆっくりと。そこには細く鈍い光沢が見てとれた。血濡れた銀色のそれが最高位に達した時、ほんのわずかな時間だけ静止して、しかしそれは気の遠くなるほどの長い時間で。それからゆっくりと先端が近づいてくる。いや、こない?まだ、届かない。ゆっくりと、それはまるで映画の演出の如きスローモーションで、ゆっくり、ゆっくり。このままの軌跡では、当たる?刺さる?どこに?あの女のように?開かれた白い喉が目に浮かぶ。目を閉じたい、のに、瞬きもできない。乾いた目が震える。視界が揺れる。おかしい。変だろ、動けよ俺の身体]
[やめろ、を聞けるなら、こんなことはじめからしない。]
よかったね。
ボクが殺したみたいで、間違いなくなるよ。
[さあ、そのひくつく喉元に。]
おそろい。
[皮と肉を裂く手応え。赤いものが溢れる。心地よくて、自然と笑っていた。
首後ろにナイフを刺されたあの女。知らない女のような気がしたけれど、勝手に死ぬなんてそれこそ勝手な真似をしてくれたと思っていた。
これで、おそろいだ。]
ねえ、痛い? 喋れないかな、駄目かな、どう?
[嬉々とした声が、語りかける。]
[路地裏の世界は永遠に見えて、きっとひたすら閉じている。
角を曲がれば、さっき背中を向けたあの道に出る。あの道?いいや、もうこの道だ]
ねえ
[傍には、声の届く場所に誰かいるだろうか。
見ていない。気にしていない]
みぃんないなくなったら
……元に、戻れるかしらぁ?
[ゆったりとした口調。
聞こえないはずの羽音が、耳の傍を通り過ぎた気がした]
[首に刺さったナイフから手を離して、満足気に唇を舐めた。
これは、いい。誰かが自分の手で壊れていく。興奮しすぎて、思わず欲情しそうだ。]
こっちも、使っちゃおう、かな。
人のナイフって、なんだかやっぱり、自分が殺した感じ、しないし。
[ストールの下、いつもずっと持っている、大切な。
刃渡りの長い、大鋏。]
ナイフ持ってるとさ、怒られるけど。
ハサミ持ってる分には怒られないの、変だよね。刃物には違いないのにさ。
だからボクはいつか誰かを殺すときにはこれにしようって決めてたんだ。
ハサミだって人は殺せるって、ちゃんと証明できるでしょ。
[大きく開いて、胸元へ振り下ろす。
抵抗されれば、位置はずれるだろう、けど。]
[なんだよ、なんだよこれ。
熱い。いや、冷たい?わからない。自分の置かれた状況がだ理解できないまま、しかし身体は動かないし、喋ろうとしても声帯が震えないし、目の前はなんだか暗いし、胸元が濡れて、バケツをひっくり返したような、ああ、そうだこれは雨か?雨だ。]
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