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悪イ、ざっト推測を含メこんな所位ダ。
分からない事ガ多すぎるナ、調べニ出ヨウ。
何か分かり次第連絡を入れヨウ。
[躓いた拍子に生贄の少女の手首は何処かへ行ったようだ。辺りを探れば、見つかるかもしれないが―――。]
う…ん……―――…、
[ボトルキャップから滑らかに首を滑り、ボディへ。
ボディに貼られた浮き彫りラベル、刻印、―――2012。
銘柄は書かれているが、男の記憶にはない名前だ。]
くそう、こいついくつ矢を持っているんだ。
[何かがたくさん詰まっていそうなお腹を狙って、矢が1…2…いっぱい!]
ちくしょうちくしょう、甘いを味わせろよ。
[咆哮と共に、異形へ変化する。長すぎる腕で矢を防ぎ、もう片手の腕で刺さった矢を引き抜く。
引き抜いた傷跡から血が滴り落ちるが、それを気にせず、取り鳥めがけて、壊れかけた床の一部(1m四方ぐらいか)を投げつける。]
OK、引き受けるヨ。
……それより、アンタがこの依頼するの、意外ネ。
街の治安維持を願う柄じゃない、違うカ?
[口調は軽いが、その眸は氷のように冷たく。
カウコの反応はどうであれ、すぐに態度を変え
野暮なことを聞いたと詫びただろう]
どっちも厄介ネ。
二匹は一緒に行動してるカ?それなら大分辛いヨ。
それに、聞いてる限り豚に接近戦挑むの無謀かもネ。
ワタシ相性悪いかもしれないヨ。
[聞いた情報を元に、淡々と個人感を]
刀でぶ殺してくの信条にしてたけど
接近戦型の異形が相手聞いたら、
対戦車バズーカ―でも準備してもらいたくなるネ。
[冗談っぽくそう呟いた。
バズーカ―でなくとも、装備を十分に整える
必要はあるだろう。
なるべくなら銃は使いたくないのだが、
飛び道具は苦内程度しか無い以上は
融通を利かせてやるしかないのか…
などなど、ボンヤリ考えるのであった]
……そうダナ。
こんな街、正直壊れれば良イとも思うガ。
[けれど、この街は俺の手で壊したいから。
そこまでの願いは口にせず、冷えた視線に僅かな間目を閉じた。]
アア、厄介ダナ。
仲間のようニ言葉を交わしていたガ、この町の中で、俺ハ亜人の方ガ一人だけで歩いてイル所に出会っタ。
常ニ行動同じクでも無いトハ思う。
バズーカーは用意できないガ……しかシ、念入りナ準備ニハ賛成ダナ。
[矢筒に矢は50本程用意していたが、一度に抜けるのは四本まで。
右手の矢が尽きるも、異形の腕で防がれ狙った部分には当たっていない]
くっ……力を籠めなければこの程度か。
[浄化の力を籠めれば、威力は上がるが発射までに掛かる時間は延びる。
人間型の腹ならそれでも十分と踏んだが、やはり変化の方が早かった]
――馬鹿だけあって馬鹿力ね!
[1m四方程の床がこちらへ投げ付けられる。
素早く矢筒から矢を一本抜き、ぎりぎりまで力を籠めて放った]
砕け!!
[金色に光る矢は、脆い床の中央をぶち抜いた。
無論、破片の勢いは止まらない。
矢を放つと同時、全力で翼を振るい上方へ飛んでいたが、完全には逃げ切れず破片を腕と脚で受けた]
[投げたレンガは、矢で砕かれる。破片の一部は相手に打撃を与えたようだが、こちらにも破片が飛んでくる。]
んあ、痛い痛い
[つぶてが、顔に当たる。思わず顔を片手で覆い痛みに耐える。もう一つの腕を辺り構わずふりまわす。
顔を覆って腕を振り回しているので、床に穴があれば落ちるかもしれない。]
に、ぜろ、いち、に。
[全てが変わった年の刻印。]
2012年。
[実験体の記憶の中にない単語と匂いに、湧き上がるものの不思議さに、戸惑う。其れに名前をつけるならば、何が相応しいだろうか。]
つっ……
[破片が腕や脚に当たり、白く整った肌に青黒い痣が増える。
だが破片を受けているのは、相手とて同じ事。
顔を庇う腕の間から、痛がる化け物の様子が見えた。
痛みに顔をしかめつつ強引に破片を腕で振り払うと、弓を構え直し]
――落ちろ!!
[床は既に所々穴がある。
その内の一つに化け物が寄っていると見えれば、追い討ちのように足元を狙い矢で穿った]
― 挿話・屋上庭園/崩壊間近の楽園 ―
[憎悪に彩られた瞳で覚悟を口にした翼人は、
空を捨てず自ら軽業師のもとへ歩を寄せた。
煤吐く男が、迎えるに熱い手を差し伸べる。
…彼女がにべもなくそれを無視出来るように]
横になって
うつ伏せ 上体だけでいいから
…そう
[庭園に生える芝は、まだ幾らか青さが残る。
芝刈る庭師もいないからにはふかりと沈む。
奇形に縒れた姿さえ、褥の柔らかさを増し]
…よく
ここまで飛んでこれたもんだ
[漏れる感慨は、風切羽に見える損傷具合を
よく見る鳥の大きさと単純に比較した結果。
彼女の身体の横へ片手をつくと屈みこみ…]
失礼
[短く声をかけぐらつく羽の根元を銜えた。]
[身を固くする翼人から声は上がったろうか。
少し間を置き、熱い手が背をほとほと叩く。]
…ん
[羽根の元を含む口唇から、じわりと沁む熱。
コールタールより濃く、黒い黒い黒い――
ピッチと呼ばれる瀝青(れきせい)に近い物。]
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