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[――蝮の娘。
それは、施設がまだ少女の面影を残す頃に女に与えた名前。
幾度となく古き皮を捨てて新しく生まれ変わる蛇を不老不死の象徴だと盲信した者の手に寄り、人と蛇とを掛け合わせた融合体《キメラ》である事を知る者は少ない]
ああ……でも。
この子を産み直すには、足りないわ。
命が、足りない……。
[腹をさすりながら思うのは賞金稼ぎの女。
何度かの性交の合間に産み付けておいた蛇は、その身体の中でまだ生きているだろうか]
[意識を集中させれば、有翼人の発した大いなる光に照らされ、その表面を焼かれた賞金稼ぎの身体の内部で、蠢く分身の存在に気づく]
生きていたのね、良い子……。
[サーディがまだ生きている間に、蛇の中に蓄えさせていた命がまだ健在であることを知り、紅引く唇が口端をあげる]
戻っておいで、私の可愛い子供だち。
其の身に蓄えた命を、母に渡してちょうだい。
[その言葉を合図とするように、死したサーディの身体が一瞬震えると――]
[サーディの下腹を食い破り、飛び出す無数の蛇]
早く、はやく……。
戻ってきて、私に命を――……。
[歌う女に誘われるように、蛇たちは一斉に駆けだす。
寄生した宿主の命を女の元へと届けるために**]
[――遠く聴く、鼓動。]
……
[男の熱い手で触れば、きっとつめたい。
けれど気配纏うその音ばかりは熱を孕む]
抱けないのが、切ないね
[命を喰い、母体を休める――揺籠の日。
竦めようとする肩は胸の傷ごと痛んで、
自らに道化る真似事は空振りに終わる*]
[揺籃の歌は、彼の人にも届くだろうか。
命抱く事の出来ぬ、あの人に。
男が抱く灼熱よりも熱き血潮の鼓動の熱を身に孕む女の歌は]
ねむれ、ねむれ。
御母の胸に――……。
[膨れた腹を抱きながら、女は思う。
掠れた歌声を運ぶ風が、彼の人にも届けばいいのに、と**]
俺は不真面目に生きている。
唯、不真面目に対して、真面目なだけで。
[返す言葉は、もう自分以外には聞こえぬ響き。
ゴム底のブーツの踵を鳴らし、同じく慣れた夜街の闇へと溶けて行く*]
沢山の音が聞こえる。
[其れは、生贄の少女に投げかけた時と、
同じような響き>>0:7を持っていた。
砂塵の街で、ほんの少しでも異常な状態を見つけられれば、皆集い、手に手に武器持ち向かうかもしれない。]
― 街の地下 ―
[腐るゴミ溜めの中。
汚れた生命はコンクリートに囲まれた暗い地下深くにも。
むしろ、弱者ほどここには溜まろうか。
その中に隠される『カレワラ』の武器庫の一つを、対異形のもの用にと開放するよう双子の使いに指示を出す。
拳銃やナイフ。ライフルや手榴弾、あるいは火薬。さほど高い威力のものも無いが、数は多い。
とはいえ、先代の後に長く使わなかった場所、どの程度現役に使えるものがあるかは知れないが。]
……っタク、とんでもネェ親父ダナ。
[それが弱者に持ち運ばれる様を少しだけ眺め、その場を後にする。
跡継ぎは、これを先代がどのように集めたのかも知らなければ、何の為に集めたのかも知らない。
重要だと、誰にも渡すなと、
死ぬ前に手渡された暗号で書かれた資料の内容は、解読の一枚目『研究所』の単語までで挫折し、ボロボロの店の奥、隠し扉の中に埋もれるまま。]
[街を奔る無数の蛇の集団や、有翼人と街の賞金稼ぎの衝突、熱孕む屋上庭園の在ったビル跡、そのどれも人の目を引くには充分な物だろうか?
街に精通する『情報屋』なら、容易く掌握出来る類の情報だろう。]
―庭園の在ったビル―
だったらなんで、そんな…
[言いかけた折、手を掴まれた。
忽ちの白煙、皮脂と皮下脂が溶融する臭い。
祭壇を遠くから見ていた折、相手がベルンハードと
行動を共にしていたらしきを思い出し…唇を薄く開く。
或いはあの少年の稚気に影響されたのだろうかと]
…そうかい
…うん?
[完成品。
僅かに尋ねる気配させるも、言は次がれ]
…マティウス…
[項垂れる姿に、熱い手は引けず。]
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