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お嬢ちゃんひとりには、
殺しきれない …か?
[軽業師は、独り言めいて呟く。
想う。翼と誇りへつけた染みの…
先刻外した帽子から出し、片手の中に
残っていたコークスを"全て"口の中へ]
…なら
―― 俺のとこに おいで
[ヒュウ…][自らの意志で細く深くする、呼吸。]
そうだな
…行く場所はもうない
[戻る途上で出会ったカウコが浮かべた敵意を想う。
前髪をかき上げる。熱で纏う陽炎も揺らぐ。
実験体でもない男の額に、赤い徴――友誼の証。]
ないから
[実験体のリストにNoDataの欠番が一つ在るのは、
ベルンハードの「にいさま」の、粋な計らい。
俯く旧友の面を素振りにて上げさせて、
徴同士を合わせる態で額を寄せる。]
俺の思い出になって
[鋼をも歪める熱さ宿す身、その額を]
[ぐ、と押しつけようとする力に籠るのは、
旧友の前頭葉を灼き潰そうという 意志。
誰をどれだけ痛めつけようと、旧友の脳だけは
道化た男が、今まで手を出したことのない領域。]
… 一緒にいて
[脳細胞が再生するかは知らず、彼の"情動"は
それだけは、己のものにして連れて行く と]
熱さと 痛さの境を
[喉笛。ざらつく声は吊縄を甘く引く響き。
間近な息遣いは、喘ぎ混じりの…――――]
俺に教えて? …
[破いた衣服を縒った縄で自縊を試みた彼へ、
縄を切った男が、視線合わせて囁いた記憶。]
[無数の傷口を塞いでいたコールタールが
融けだそうとも道化ぬ男に厭う気配はない。
が――街人の気配が建物の周囲を浸し出すと、
軽業師の男は両目を細め…じわり身じろぐ。]
… マティウス
[拒まれたなら拒まれたなりの、
容れられたなら容れられたなりの別れ方がある]
― 砂塵の街 ―
[地上は、闇の過ぎ行くのを待つ常とは異なり、寒々しい夜を奇妙な熱に支配されているようだった。
街の中の幾つかの『目』や『耳』によれば、激しい幾つかの衝突を知る。
有翼人と賞金稼ぎの対立の結末には、優先的に手伝うべきだったかと、退治失敗に僅か臍を噬む。
そのうち、蛇の群れや屋上庭園の崩壊は明らかに異能が関っているよう。]
やれやレ。騒がしイのは嫌いジャないガ。
……異能相手ニ気軽にどんぱちやれるホド、命知らズでも無いンだがナ。
[店に戻れば、独りごち。
しかしそうも言ってはいられないかと、普段のナイフばかりの軽めの武装に、ポーチにはグレネードや手榴弾を詰め込んだ。
それから、一振りの凹状に湾曲した刀身を手にし、合皮の手袋はその握り具合を確かめて。]
……まずは――……
[賞金稼ぎの遺体でも拝みに行ってみようかと、熱帯びる街へと踏み出した。]
[周囲の、食餌した者の、影響。
其れは具わる能力ではない。
対象の脳の摂取による影響は、あの隔離され汚染したとされた『檻』の中で、一つずつ遺体を喰べる中で裡に育まれたもの。
一人きりで鎖された中、もの想いする―――ただそれだけの、心であり能力ではない。]
『あれ』呼ばわり?
[ぽつり、投げかけ。]
死にたい訳じゃない。
疑問に対する答えが欲しい。
[延々と続く実験環境であるが故に狂気が常態であった。だが、やがて裡に正気を育んだ。生きる為が故に常日頃意識は活性化する事はしない。]
[「炉」の温度が更に高まり、男の髪が気流で逆巻く。
赤い徴は研究施設の刻印。細かな意匠。
包み込んでいた手がゆると上下に動けば>>39、男の両手から炭化した皮が落ちる。]
この世界で、
もしも生きる意味があるなら。
[額をちりちりと焦がそうとする熱。
「押し潰す圧」の意志は容易く察せられ、
けれども、受け入れながら男の意識は身を引き受け流された。凹みの容から、片方の出っ張りを後ろへ押し出し、滑らかな斜辺で「圧」を流すように。]
[両手が崩れる前に、火脹れだらけの手は離された。
ざらつく声や、息遣いは、掠れて甘ささえ感じさせ、
妙齢の少女なら幾らか心をときめかせもした事だろう。]
レーメフトとなら生きたいけど、
死にたい訳じゃない。
誰かの代わりに殺されたい訳でもない。
[生贄の苦痛長引かぬよう生贄の少女を殺そうと無意識の選択をしても居たけれど。]
誰かの為に、
命を棄てるなら、
生きようだなんてしてない。
[綺麗な死に方や、呆気ない終わりを受け入れる過去は既に歩んではいなかった。喩え、もがき苦しもうと、幾つもの遺体とその思い出を犠牲にはしきれなかった。
喩え彼等の想いが、男の意識と記憶を混乱させようとも。]
[周囲の殺意ある視線に抗する為にか、
軽業師から僅かに距離を取り、ぱらぱらと炭化した皮膚と肉落ちる手を緩くあげる。]
まだ、思い出にはなれない。
[喩え、永劫荒れ地をゆこうと。*]
―街路―
[遠巻きなざわめきの中、しばらくは天を仰いで倒れていた。
異変に気付いたのは、聞こえて来た異様な音の所為]
[動かなくなった賞金稼ぎの腹を喰い破り、それは現れた。
天の楽園からは追放された、邪なるその生物の名は蛇]
ひっ……
[喉の奥から悲鳴を漏らして、まだ出血も止まらぬ体を必死に動かす。
蛇はこちらには見向きもせず、何処かへ引き寄せられるように這っていく。
動かぬ身を容易く越えられる障害物と判断したか、ぬめぬめとした感触が幾つも体を横断した]
来るんじゃ、ないわよ……。
[体の上の蛇を払い除け、立ち上がる。
持ち上げる事の出来ない左脚を引き摺り引き摺り、その場を離れようと。
白かった左の翼は、ゆっくりと真紅に浸食されつつあり、とても長時間羽ばたける状態ではなかった]
[闇に飲まれる砂塵の街を照らすのは、むき出しの電光や、原始的な松明の灯り。
ずるりずるりと地を這う蛇の行方は、どの『目』が追っていく事か。
戦いの跡地には、僅かながらも遠巻きに眺める弱者の姿がちらほらと。
先人切って飛び掛るものが見えないのは、相手が天よりの使いのようでもあるからか。
そこまで辿りついた情報屋は、まず賞金稼ぎの様子を見やる。
転がる蛇の卵となった女は、あまりに赤く。
遠目からでも明らかな死を感じさせる無残さ。]
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