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[――尖塔の傾いた清掃ゴンドラから引揚げた品。
年老いた男の息子の形身、『引揚げ屋』の仕事。
部屋の奥には、彼の妻が。]
……
[苦笑を浮かべながら引いた手で、
片鎖でぶらさがった馬銜を噛む。
背を向けると――壁を ガン と蹴りつける。]
[潰れた肉切り包丁に罅を入れられていた
軽業師の 右足首 が、綺麗にちぎれ飛んで――
持ち主よろしく二度宙返りをし、床へ転がる。
撒き散らされる鮮血にゆるいコールタール、
長さ不揃いの神経束と血管がぴちり踊る。]
つまり――穢れはお前自身だと。
[小さな呟きは彼女の耳へと届くのか。
有翼人が天仰ぐ様を見れば、左手は上着のポーチに伸び、取り出すは短い刃物。
10センチ程度の投げナイフ3本を、頭、胸元、足元へと投げつける。
同時に、後ろへと駆け出して、構える爆竹。
手早く点火すると、ナイフを投げた先へと放る。]
――敵ハ手負いダ!!!
全員でかかレバいけるぞ!!!
[連続した乾いた破裂音が、夜の街に響く。
銃に似た音と、鳥人の夜目と、導く群衆の勢いとに賭けて。
さらに音は、遠くの群衆を引き付ける為に。
それらの効果を確認するまで、遠距離からの攻撃を仕掛け。
――そうしていつの間にか。
『情報屋』は、狡猾に夜街に*紛れる*]
[「前頭葉のみ」を灼き潰そうとした意志までは察せられてはいなかった。恐らくは、「思い出」に反応した結果だろうか。]
[もし――――、]
[あの時、其れを知っていれば、行動は変わっただろうか?命ある侭、意思無きものとなることへの―――。]
情報屋 カウコは、ここまで読んだ。[栞]
[音は、聞こえなかった。
瓦礫が「崩れる音」も、何もかも―――。
インパクトの瞬間以外は。
異能の血は辺りに撒かれている。]
[粉塵の中の様子は、光がなければ窺い知れない。]
雑魚が……力もない地上人が群れた所で、
[右手を着き体を起こす]
力を与えられし有翼人に勝てるものか!
[理由が偽りであろうとも、与えられた力は本物。
膝を着き腕のみで構えた姿勢でも、銃を放つ直前の相手を撃ち抜いた。
狙いの外れた銃声が天に放たれる]
はっ……さっきの片言女なら、とっくにあたしの胸に風穴開けてたわよ。
[一般人の手際の悪さを嘲って。
立ち上がり掛けた所に、黒い塊が投げ込まれる]
くっ!
[地面を蹴る。翼を振るう]
ぐ……っ
[引き千切れそうな痛みに脂汗が散った。
直後、爆風が下方から、有翼人の軽い身を吹き飛ばす]
[ひゅ] [ライフルを構える住人の胸に、鉄棒が生えた。]
[ひゅ] [起爆装置を持つ男の頭を、鉄棒が貫いた。]
[ひゅ] [少年少女の身体が纏めて何処かのビル壁に、鉄棒で縫い付けられた。]
[ぐちゃり] [何かの咀嚼音が一つ]
[ひゅ] [安全装置に指が掛かりきりの少年の胸部を]
[ひゅ] [ククリナイフを構える男の首を]
[ひゅ] [マシンガンを乱射し始めた老人の胸を]
[音と、感情の源へ、
次々と指の太さ程の鉄棒が飛んでゆく。]
[蛇を咀嚼する音が響く。
粉塵の中、両足を踏ん張らせ立ち上がり、
口元から蛇の身を躍らせている。
他の蛇の群れが、この殺し合いに巻き込まれたかどうかまで、男が今意識を向ける事はない。]
[片手をゆるゆると上に掲げ、ひゅっと降ろした。]
[男の頭上に浮かんでいた、大小様々な瓦礫達が、
まだ命ある者達を、骨砕きながら薙ぎ払う。
阿鼻叫喚、血臭が合歓の匂いを掻き消していた。]
[ビクン、ビクン、と身を躍らせる蛇は、まるで男の口から生えた舌のようだ。其れを丹念に噛み砕いては、嚥下し続ける。]
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