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[そこまで書き込んだ手帳を閉じる。
またしばらく目を瞑ると、扉を叩く音がした。
ゆっくりと破璃の奥の瞳を開いて、寝台から立ち上がる。
魚眼レンズと眼鏡のレンズ越しに映るのは先程の相席の男。
懐に在るものと、それから────を確認してから]
ようこそ、Monsieur。
[扉を開いた先にいる男を迎え入れた*]
今日はよろけたアイリを支えればいいんだよね?
前フリが無ければ、避けてそうですよね私。
アイリが午前中に居るかもしれないから。ぶらっと車内の旅でもしていようかな……?
何しようかな。愉快犯バンザイで行こうかな。
[ウルスラの客室に運ばれて、寝台に横たえられる。]
(どうしよう、ちょっと面倒……でも一等車に近づけたからよし?)
[ほっぺをつんつんされながら明日の行動計画を練る。]
(食堂車を抜けるより、連結から屋根に出たほうがいいかもしれない…あるいは車体の下から?)
[頭が重い。酒がきいているようだ。
マティアスがいなくなって安心したのか、そのまま眠ってしまった]
―夢―
[体中に付けられた深い切り傷が痛む。
意識を失っても再び現実に引きずり戻される。
ああ、またあの変態が来た。
男の癖にフリルやレースが大好きなサディスト。]
……もう、やめて。なんでもするから。ひとごろしだって、へいき、だから。
―現在・二等車―
あ、頭、いたい……。二日酔い…?
[洒落たテーブルに乗せられた水差しをとり、コップに注いでゆっくりと飲む]
……ずきずきする……。うぅ…揺れが頭にひびく、止まらないかなぁ……。
[いつの間にか自分の荷物も傍に置かれている。
このまま居候してもいいのだろうか?]
確か……ウルスラさん?
[誰かがそう呼んでいたような気がする。
ウルスラを起こさないようそっと廊下に出ると、そのまま食堂車と二等車の連結部へ向かった]
―連結部―
とりあえず下見っと。
[手すりに足を掛け、食堂車の屋根の上へ顔を出す。
流石にこのまま上れば煤まみれになってしまうだろうから今は見るだけだ]
うん……十分通れそう。やるなら早めのほうがいいよね……。
[決行は今夜。乗客達が食堂車に集まる頃。
頭の中で手順を確認。
その時、横殴りの強い風にあおられて、足元がふらついた。
細い手すりの上、カクンと片足を踏み外した]
[赤毛の少年は楽しそうに歩いている]
……お客様?
[食堂車と2等車の連結部で、アイリが危なっかしく屋根を覗き込んでいるのが見えた]
っと─…わぁ!
[風にあおられたのかバランスを崩したアイリ>>35を咄嗟に支える**]
おお、遅くに失礼いたしますぞ。
いやなに、あなたのお名前をお伺いして、日本の方と知りましたのでな。
ちょうど携えていたジャポニズムの小品の事を思い出したのです。
聞けばあなたは記者さんとのことだ。まだ無名の画家の作品ですゆえ、お気に召したらお国でもご紹介いただけると有難い。
[などと「フロシキ」包みを手に捲し立てる。と、ふと列車の前の方に目をやり]
む?ややっ?あれは何だ?
[大仰に叫んで、前の車両に続く扉へと走る]
[初めは単に前方の客室が見たいがための口実だったのであるが…。]
おや…?これは…?
[「W」の扉の下に覗く異質な物に視線が釘付けになる。]**
─連結部─
[>>36赤毛の少年の体格でもアイリを受け止められたけれど、それでも大きく列車の外側へと振られ]
(落ちたら、死ぬね)
[走る景色の速さと風に肝を冷やしながら、渾身の力で車内に引っ張り込む。
そうしてもつれるように列車内に倒れた]
お客様、大丈夫ですか?
一体何を……落ち着いて下さ──ア─────ッ!
[腕の中のアイリに声を掛けた瞬間、どんな運命のいたずらか、突き飛ばされる>>%1。
壁に辺り、そのままくてんと意識を失う]
お腹すい……た……。
[ダイイングメッセージは腹の音**]
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